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エクアドル旅行記 9日目/12日間 キト→クエンカ

早朝5時に起きて、前日にホテルフロントで予約していた送迎タクシーでキト空港まで移動。高速を使いつつ約45分移動して20ドルくらいだったと思うけれども、安いよね。
ホテル前に到着したフォルクスワーゲンの高そうなバンに乗り込んで数分、運転手さんが降りて行ってしまう。なんで出発しないんだろう…と思っていたら、運転手さんと話していたホテルのスタッフが車に近づいてきた。「ひとり?旦那さんは?」「ひとりだよ!旦那さんいない!」若いアジア人女性が一人で年末に旅行するわけがないと思ったのだろうか、気を使ってくれたようだ。お洒落な音楽の流れる車内はとても快適で、夜明け前の薄暗い町を見ていたらあっという間に空港に着いた。

キトからエクアドル第三の都市クエンカへは短時間のフライトなので、窓側席でチェックインした。チェックイン後、昨日買ったパンを朝食に。私は遂に5つ星ホテルの朝食ビュッフェを食べることが出来なかった…50円のパンを食べました…安い…でも美味しい。

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キト空港では地上でバスに乗り込み飛行機下まで移動。バスを降りると、朝からテンション爆上げのけばけばしい女装をしたすね毛ぼうぼうの男性集団(空港スタッフ)が待ち受けていて、何人かの男性が襲い掛かられていた。なんだこの楽しい空気感は。エクアドルでは年末は男性が女装して踊ったり道を封鎖したりして小銭を集めるらしい。どういうこと。

キトから南下しクエンカへ。静かな飛行機内で突然の機長からのアナウンス。「左手に見えますのは、コトパクシ山、コトパクシ山。姿を見られるのは大変珍しいので皆さまどうぞ写真をお撮りください~(意訳)」私が座っていた機体左側窓からコトパクシ山の雪を被った山頂が見えた。アンデス山脈にある富士山、と日本人に勝手に呼ばれるそう。とはいえ富士山の1.5倍以上の標高。南米はスケールが違う。あとでSちゃんに聞くと、いつも雲に隠れていて飛行機から見えることはほぼないそう。

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クエンカ空港に着くと送迎のみのおじさんガイドさんが待ってくれていた。おじさんがクエンカの簡単な説明をしつつホテルまで送ってくれた。地図をもらえて、この道より向こうは治安良くないから一人で行ったら駄目よ、と教えてもらえて助かった。
1泊のみお世話になった素敵な宿はHotel Casa del Aguila。地味な外観に対して、内観がとても可愛くてレトロで、心躍った。鍵から可愛かった。中庭も素敵だった。

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チェックインはまだできなかったのでホテルに荷物を預け、おじさんが教えてくれた市内を回る観光バスに乗るため、アブドン・カルデロン広場へ。赤い2階建てバスなので絶対に見逃すことはない。予約不要、乗る時に8ドル払って席は自由。快晴のクエンカを楽しむため、2階へ。観光客20人ほどが同乗した。バスが出発した頃に日本が年越し。

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私がクエンカを旅先に希望したことにSちゃんは驚いていた。日本人はガラパゴスとキトに行くのがほとんどで、行ってもグアヤキルまでという。20時間以上かけてエクアドルまで行くのに、スペインが400年以上前に植民地化し建設した町ごと世界遺産に登録されたクエンカに行かないなんて!

45分ほどかけてクエンカの町並みを抜け、町を見渡せるトゥリの丘へ。道中、陽気なバスガイドのおばちゃんが、スペイン語→英語で様々な建物を説明してくれた。植民地化当時の建造物が多く残っていてタイムスリップしたような気持ちになれる。観光バス2階から思う存分楽しんだ。
英語の説明をする頃には説明している建物を通り過ぎかけるので、スペイン語の右:derecha(デレチャ)と左:izquierda(イスキエルダ)を覚えておいて良かった。教えてくれたのはガラパゴス初日のガイドさんだ。あれのこと喋ってるのかな~と思いつつ見ていると、英語で説明してくれる。

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トゥリの丘からはクエンカの町並みが一望できる。カテドラルの大きな3つのドーム(私が行ったときは一部が工事中だった)が見えるほど。家々のオレンジの屋根が青空に映えて美しい。町の上すれすれを通ってクエンカ空港に着陸する飛行機も見えた。丘で20分ほどの自由時間を過ごし、バスは町に戻った。約2時間で8ドルは破格なので天気が良いときは絶対乗った方が良いと思う。

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ツアーを終えてから、お昼ご飯を食べるところを探しつつ、散策。どこで写真を撮っても絵になる。花市場も市場もにぎわっていた。市場で地元の人が食べる1~3ドルくらいのご飯を食べても良かったんやけれど、ここで腹を壊すわけにはいかん…と踏みとどまった。

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エクアドル料理が食べられるレストランを調べて入店。エクアドルはキトやクエンカのある標高の高い内陸と、グアヤキルのある太平洋側の温暖な低地とでは気候も食文化も大きく異なる。太平洋側はもちろん海鮮が美味しく、バナナやカカオの生産が盛んだ。内陸はスープ文化のようである。
スープと一見ガパオライスのようなトマト煮の牛肉が乗った料理を食べた。どちらも1.5人前の勢いで、ライスの方は残してしまった。途中、ciderを頼んだのにコカコーラが来た。どういうこと。沢山歩いて喉が渇いていたので有難く頂いた。

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お腹がいっぱいになったし、ずっと歩いて疲れたので(高地だということを忘れている)、カテドラルに入って休憩することにした。教会を休憩スペースにしてしまってごめんなさいね。落ち着く空間で椅子に座り装飾を眺めていると、あれよあれよと人が入ってきて椅子が埋まった。
ん??と思っているうちに、1,000人入りそうなカテドラルで、年内最後のミサ開始(笑)日本で一度ミサに参加したことがあるが、エクアドルのミサはラテン系のピースフルな歌を歌いながらだった。空気を読まねばと、訳も分からず周りを真似して立ったり座ったり、十字を切ったり、アーメンと言ったりした(罰が当たるぞ)。30分ほど経過し、前で役割をする人が入れ替わるタイミングでそっと席を立った。前方の席に座っていなくて良かった。翌日再会したSちゃんに爆笑された。

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チェックイン時間になったホテルに戻る道中、等身大の人形を設置する作業を行う人々を発見。キトで人形を見かけてから、私はこれが何かを調べていた。バスツアーの時には人形の売店が見えた。本体とお面が別売りなのである。そしてこれらの人形は大晦日の夜に活躍するのである。乞うご期待。

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軽食を買ってホテルに戻り、ちょっとだるいかな~風邪だったら困るから一応薬飲んどこ~と持参した風邪薬を飲んだ。ベッドでスマホをいじりながら私はようやく気付いた。クエンカも高地だ!富士山の7合目くらいの高地だ!それなのにあんだけ歩いたらそりゃ疲れるわ!
夜は出歩く予定だったので、シャワーを済ませて22時ごろまでダラダラした。

暗くなると爆竹や花火の音が聞こえ始めた。年越しより少し早い22時半ごろに再び外出。
町のあちこちに人形が置かれ、照明が綺麗だった。川にも照明が。今朝ホテルまで送ってくれたおじさんが教えてくれたので川を見に行った。そして町並みと180度雰囲気の異なる爆竹の音。人が集まっているところでは歌い踊っていて、空港で見た女装した男性も見かけた。日本とは全く異なる賑やかな年越し。

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カテドラル周辺には売店が並び、装飾を買ったり、食べ物を買ったりする人々が多くいた。パトカーがかなりの台数巡回していて、治安の悪さは感じなかった。とはいえ、人通りが少ない路地は不安なので早歩きで、できるだけ人の多い道を選んで歩いた。

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一旦ホテルに戻ったが、23時半ごろからホテル前が騒がしくなったので再び外に出ると……………………

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路上で燃える人形…。人形の中には爆竹が入っていて、時々破裂するのでかなり危険。面白すぎて笑いながら写真と動画を撮っていた。
これは、人形を燃やしてその年一年の悪いことを忘れましょう、というような風習らしい。このため、燃え残ってはならず、きちんと燃え切らないといけないらしい。燃やすためにおばあちゃんが人形を長い棒で突っついていて、その度に爆竹が炸裂していた。
周りには花火をつける人や火の上を飛び越える人がいるし、遠くでは打ち上げ花火が上がっているし、爆竹の音は鳴りやまないし、ド派手な年越しになった。

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部屋に戻ってからも花火や爆竹の音は続いていて、まるで町が爆撃されているかのようだった。エクアドルで除夜の鐘の音が鳴っていても絶対に聞こえないだろう。
1日クエンカの町を堪能し、日本とは違いすぎる派手な年越しをした私は疲れていて、爆撃の音を聞きつつ眠った。

(車にくくりつけられていたベジータ(仮)とドナルド(仮)も燃やされたのだろうか…)

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