中村 純平

96'umare/日本で唯一電車が走っていない所にいます。

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雑居ビルの1.5階で一人酒を覚えた夜

大学生活も終盤にさしかかりいよいよ就活の時期。興味があった出版・マスコミ系に絞って就活していたが大手は全滅。結果、地方でタウン誌を作っている出版社に運よく拾われた。 不動産屋を4件回って見つけた家賃3万8000円のアパートで始まった新生活。もちろん知り合いはゼロだったので休日になってもやることがなく、少し広い11畳のワンルームで暇を持て余していた。 生活にも慣れてきて、一人でやりたいこともやりつくした9月の休日。「絶対遊びに行くわ」と言っていた友人達は一向に来る気配がない

    • 古びた銭湯

      いつもと違う帰り道で帰ったら、小学生くらいによく行っていた銭湯がなくなっていた。 浴槽が二つしかない、地元の人しか行かないような昔ながらの作り。風呂上がりに番台の横にある30円のみかん水を飲むのが楽しみだった。その銭湯は2階まであって、上はサウナになっている。 ツルツルつべる階段を上ると、木でできた大きな重い扉がある。そこは子供は入れない決まりになっていた。 とはいっても、小学生くらいの年齢だと好奇心が勝って行きたくなるもんだ。何度もサウナに入ろうとしたけど、毎日来

      • ”アスリート”に会った

        アルバイトしているWEBメディアで取材に同行した。取材の相手は、あるスポーツの女子日本代表にも選ばれるアスリート。 どれほどすごい人が現れるのかと思っていたら、僕と同じ大学4回生の女の子がそこにいた。アスリートといえばピリピリしていて無口なイメージだったけど真逆だった。 例えるなら、面倒見のいい親戚のお姉ちゃん。いとこを3人くらい引き連れて公園に連れて行ってくれるあの感じ。たまにある休日には友達とショッピングをしたり、スイーツを食べに行くという、いわゆる「普通の女

        • 最後の家族旅行

          まだ、気温も高くない6月下旬。母親から「夏、旅行に行こう」と言われた。いつものように軽く断ると、今までにないくらいしつこく誘ってくる。よく考えると、家族旅行の記憶は中学生で止まっている。 多分、僕が今年就職で家を出るからだと思う。言うなれば、自分が子供としての「最後の家族旅行」だ。箱根・鎌倉への2泊3日の旅行。僕が免許をとったこともあって大阪から父と交代で運転しながら行くことに。 夜中に出発したこともあって着く頃には眠気でヘロヘロの状態。父はいつも仕事の疲れが残る

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          夏のビールの強さ

          お酒が飲めるようになってもうすぐ2年。ひとつ気づいたことがあります。 「夏のビールは最強」これです。 まず、この色がやばい。宝石か!という色をしてる。こんなの美味しいに決まってる。たとえ毒物が入ってても絶対に飲む。 あと写真映えがすぎる。フォトジェニックが止まらない。なにと一緒に映っても、圧倒的主役感。勝てない。無理。 バイト終わりで1人で飲む缶ビールもおいしいし、安い居酒屋で友達と飲む生ビールもうまい。気温が高いと1

          夏のビールの強さ

          お好み焼き

          行きつけのお店が欲しい!!と思ってから、はや3年半。ようやく見つけたと思っていたそのお店は新学期になるとなくなっていた。 大学の裏門を出て左に2回曲がると見えてくる。冬になると灯油ストーブが置かれるような、昔ながらの小さなお好み焼き屋さん。サイドメニューもほとんどなく、数種類のお好み焼きだけ。 何回かお昼ご飯を食べに行くと顔を覚えてくれて、いつの間にか一品多く机の上に並ぶようになった。食後にはコーヒーを出してくれて、なぜか帰る時には子供用の飴を毎回くれる。いつも、愛

          お好み焼き