ミュージカル『J&J』観劇感想🎄

田代万里生さん×濱田めぐみさん
12/14(木)ソワレ@よみうり大手町ホール

《attention》
ネタバレあり、妄想あり脳直文章。綺麗な感想だけ読みたい!みたいな方向けではないと思うので広い心でお進み下さい。演出に関する考察や妄想も多く入り混じる予定。つらつらと書きたいことを書くので時系列バラバラかも。このジェットコースターについて来られるか


ジョンとジェンが入り混じってて間違えてる部分あるかも文脈で感じて下さい!!!!!


幕開

舞台は思ったよりもこじんまりしていて、子供部屋のようだった。ジェンとジョンの想い出がたくさん詰まった小さな部屋。後方の壁には数字が散りばめられていてこれが物語が進むうえで、時の流れを象徴する演出を生み出している。数字が青く煌めいて彼らの生きた時間が経過することを観客に伝える効果があった。

開演時間になると万里生さんと濱田さんが舞台上というか袖(?)に現れて待機椅子に座ってスタンバイしている場面から見ることができた。その最中ずっと脳内で「万里生さんでか!可愛い!でか!!可愛い!!」ってずっと思ってた。役者さんの役に入るほんとのその瞬間ってもう味わい深くて最高だった(語彙どうした)万里生さんってそうやってスタンバイするんだ!!って知ることができてオタクは最高に幸せでしたサンタさんありがとう!!(くそデカボイス)今年のクリスマスプレゼントはこれでいいです。

始まる前に万里生さんが布?持っててなんだろうなと思っていたら実はジェンの衣装だった。同じく濱田さんもジョンの上着を持っていて、お互い渡し合う、それを身に纏ってお芝居が始まるみたいな感じだった。この何とも言えない始まり方がとても好きで。演出の意図としてはわたし勉強不足だからわからないんだけど誰か解釈を教えてください。

観劇済のフォロワさんからジョンは戦争に行って死ぬって聞いていた()ので、わぁここから始まるんだぁって思った。迷彩服の万里生ジョンがすっごいカッコよくて好き。ジェンが「どこにいるの?」って歌い、お互いに見つめ合って二人向かい合い、手を伸ばしたら、ジョンの手のひらがジェンの手の上を過ぎ去って、そのまま彼は背を向けて去ってしまう。すれ違いの場面。あーこれはしんどいミュージカルかもって察した。

そういえば、最初にお互いの衣装を手渡すのって「僕たちは2人で一つ」みたいな演出なのかな?

誕生

そこからぐーんと時間は巻き戻って弟ジョンが生まれた場面。おくるみに包まれた赤ちゃんをみて彼女は「この世界は酷いところよ、わたしが守ってあげるからね」的な台詞を言う。これが二幕で息子ジョンにも同じようなことを言ってた気がする。

この後に5歳ジョンが登場するんだけど、この出番前の万里生さんの準備体操が本気だった。ストレッチとかしてたので凄いなってみてたんだけど。ストレッチが必要なくらい元気で飛び跳ねて、とても膝にきそうなステップを踏んでいた。39歳の膝小僧をありがとう神様。

サンタはこないの場面でクリスマスセーターを着た万里生ジョンがいじけたときにみせたセーターの裾?引っ張って膝小僧しゅってしまって体育座りするやつ。一生記憶に残しておきたい。5歳ジョンはデフォルトで舌出してべぇべぇって感じでちょっとお馬鹿っぽくてよかった。(そんなことない)

時系列ぶっ飛ばす話するけど、一幕ではほんとに只々元気な5歳児だな~って感じるんだけど二幕後半?でジェンが魘される場面(?)にて弟ジョン、息子ジョンが照明赤青で切り替わる瞬間に発せられる台詞を聞いた後になるほど、そういう役作りなんですねって舌を巻きました。

弟ジョンの幼少期は少々、お馬鹿っぽくてゆくゆくは野球でホームラン何本も打つ体育会系の気配を感じた(あと感情に鈍感っぽい)。一方で息子ジョンは元気なんだけどわずかに気弱で大人の本質をじっと見抜いている聡明さや繊細な精神を5歳児からでも感じられた。この演じ分けがあんな風にできるのまじで、、、万里生さん以外にジョンできるんです??って思てしまった???

ジェンが「サンタさんは忙しくて来られないの。もっと大変な境遇にある子供たちところに行っているから私たちのところには来られないの。でもお姉ちゃんがいるから幸せでしょ?」的な台詞。深いです。

約束

トレイシー先生の授業。愉快だった。今思えば姉の問いにスラスラ答えるジョン。めっちゃ頭いいじゃないか。大統領の名前とか教科書暗記してるんです?ってくらい読み上げてたな。凄いセリフ量・・・。役者さんってすごい。

父親に叱られて殴られていたジョン。でも、いつかお父さんみたいな立派なアメリカ人になるんだって涙を浮かべながらいうジョン。ここの彼の心境の経緯は複雑でいまのわたしには言語化不可なので飛ばします。

この後にジェンがジョンとある”約束”をする。忘れちゃったけど「私たちはここから遠いところに出ていく、それにはお互いが協力し合おう!」みたいな感じだったと思う。この時の姉弟は強い信頼関係で結ばれていてお互いが唯一無二の存在だったんだと思う。けれど、その約束の誓いとして指切りをした瞬間に流れた音は何処か、歪んだ音だった。SNSでも書いたけど運命の歯車が回り始めて彼らの周りに呪いが生まれてしまったように。

わたしはこの時に、あー約束しちゃったんだ…って思った。約束は生きる上で大切な希望であり、源であり、そして足枷だから。

成長

それからシスコン、ブラコンで物語進むのかなって思ったら、急に姉ジェンと弟ジョンがすっごい不仲になってて、ちゃんと思春期だった。余談だが、わたしには大嫌いな兄がいる。だからあの場面で「どうか神様、こいつを○して、でなきゃ私/僕が○○指サイン」はまじでわかるでしかない。

ここからはかなり妄想の枠なのでご容赦して欲しいけど、ジェンがあそこまで男だらけになるのも、わざわざ弟に突っかかるのも、これは無意識に弟が好きだったからなのではないかな?と思っている。

つまりジョンは他の男とデートに行くけどたぶんそこまで本気じゃなくて気を紛らわしてるんじゃないかなとか。これは最初からそう見てたのではなくて一幕最後までみて、ジョンと喧嘩別れした場面をみて、もしかしたらそうなのかもって思っているだけ。ジョンも姉の彼氏たちをすっごい嫌っていて(?)デートに着飾っていく姉をみて揶揄っているし、思春期の子供だからってことなので全然無意識だと思うけど。「男だらけ」っていうのが印象的で覚えてる。

そして、ジェンが家をでる場面。ここからはかなりジェンが自分勝手な女だな~ってみてた。幼い頃にあの約束をしたのに、弟を残して自分一人で出ていく。弟には家を守ってといい(なんで??)、野球をしていればいいっていう(なんで??)このあたり、まじで、ジェンは自分のことしか考えてないじゃんって不満でした。わたしはジョンを愛しているので。

ジェンに「寂しい?」って聞かれてジョンが「全然~、ぜんぜん~、ぜ~んぜ~ん」って返事するの。このメロディも寂し気で、いじけてて、子供で、切なかった。ふと思ったのはこの「zenzen」の音が「ジェン、ジェン」って姉の名前呼んでるみたいに聞こえるかも…って思って泣いた。駄洒落じゃない。

「いかないで、ずっとここにいればいいじゃないか。ずっと一緒にいてくれるって言ったのに僕を置いていくの?」うろ覚えって問い詰めるジョンに「大人になって!!」って拒絶するジェン。ひどい(号泣)なんて自分勝手な女なんだ…。

この後の万里生ジョンがどんな表情してたのか忘れちゃったけど、きっと寂しそうな顔をしていたに違いない。誰か教えてください。

それから、姉はNYで自由気ままに暮らしている。酒にたまにはクスリまで。でも彼女が触れる文化は刺激的で周りの人たちの思想や話す内容もきっと何事にも捉われず自由だったに違いない。

一方で実家にいるジョンは父親の影響を受けるしかない状況下にいる。この”新聞”が凄い興味深い演出をしているなぁと思っていて。ジョンは新聞を読み漁っていてその記事や書かれている内容を事細かに観客に教えてくれる。それは時の流れだったり、いまこの物語はその時代にあるんだと強く教えてくれる。

同時に、彼は新聞に書かれている情報を鵜吞みにしていて所謂、過激表現をすると洗脳に近い。ミュージカル「マリー・アントワネット」でも情報操作に使われているアレ。だからその後、9.11事件が起きて戦争に繋がったときに国の為、男として務めを果たすことになんの疑いもなく正しいと信じている。逃げることは恥だとして、闘うことが立派なアメリカ人としての誇りだとしている。

あの爆撃音が舞台上に響き渡った瞬間に、劇場の空気が一気に冷え込んだ気がした。これは、そういう物語なんだって肌で感じた。上からチラシがばら撒かれた演出も鳥肌がたった。

ここで一旦、あの事件について彼らの位置関係について考える。ジェンはNYにいて巻き込まれずに済んだけどあの事件をより身近な状況として感じてたかもしれない。だからカナダに逃げることに何の迷いもない。けど、ジョンは現場よりも離れている地域に暮らしてる位置関係ならきっとテレビやマスコミ、新聞からの情報をみていたはず。何が言いたいかというと難しんですけど、ジョンはこう思考が真っ直ぐな状態だった可能性が高いという話。ジェンは新聞紙ぐしゃってなったの広げて馬鹿馬鹿しいみたいな仕草してたから新聞とかあまり読んでなくて生の声とかが大事ってタイプだったと思う。


到来

で!ここからが一番書きたいところだった!!19才になったジョンはもう滅茶苦茶カッコよくて!!パーマヘアで可愛かった坊やがどえらいイケメンになった。あの髪の毛を撫でつけて、櫛でとかすの真正面でやられたら恋するしかない。まじで。白いポロシャツ?にジーパン姿だけなのになんであんなにかっこいいのまじで。てか今まで5歳児とかで若干屈んだ姿勢?だったのがすらっとしてぎゅって背筋が伸びてるからまじで高身長で恋。

記憶喪失だけど、ジェンが帰ってくるのを待ちながら歌うジョンの歌詞が「ホームラン何度も打ったけど姉さんは帰ってこなかった」とか言っててつらい。

4年ぶり?に再会した姉弟。お互いの身長差に沸いてジョンにおんぶしてもらうジェンとか。楽し気な様子だったけど、ジェンのまた子供の頃みたいに遊ぼうよ!!って言葉に対応するジョンの「もう僕たちは子供じゃない」って言い方・・・・。愛した。子供時代との決別ですよ。

ジェンは子供のままだった。いや、懐かしいあの頃をもう一度、味わいたかっただけかも。二度と戻れない大切な時間。でもジョンはもう大人になって、期待することの諦めも、苦しみも全部、辿ってきた。


慕情

わたしの気が狂ったのは「目を離したらこれだ。困ったもんだ。」みたいな楽曲。なんかこう、ジョンの苦悩が垣間見れて好きでしかない。苦しい。最初は趣味の悪い服だとかそういうのから始まって、姉が屑男とカナダに行くんだってところからジョンの様子がおかしくなった。俺を置いて"また"出ていくのか?どうせ泣かされるに決まっている。みたいな超好き。

ここはまさに万里生さんの狂気の芝居というか表情を見ることができて最高に興奮した。ラドゥー大佐とか、グレブの執着な感じ。最高です。

あれ?ジョンってジェンのことそんな風に”好き”だったの??こんな感じで??という感覚に震えた。

で、、問題の去り際ジェンの台詞。「最後にぎゅっと抱きしめてくれる?」(うろ覚え)は?????なんて言った?????弟にそれ言います??

で、、それに対して酷く苦しそうに拒絶をする弟ジョン。え??????どうして?????君たち、そんなふうに愛し合ってたの????

という訳でわたし闇のオタクだからここ喜んだ(最低)なんかこのあたりまじであんまり記憶なくって…フォロワ今度どんな感じだったか教えてください。わたし、もうチケットなくって…。

永遠

それから…。ジョンは迷彩服を身に纏って、アメリカ国旗が上から降りてきて彼の存在を覆いつくす。ちょっとルドルフ感があって。オマージュかな。あの人も国の犠牲者だった。

喪服姿で現れたジェン。彼女がこぼす彼の最期の瞬間と19才という若すぎる死に、そして取り残された彼が赤子の時に包まれていたおくるみだったそれが酷く寂し気に舞台上にあった。


だからわたしの心も置き去りに!!!!!
という訳で終わらなかったので二幕は明日

全然終わらない。

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