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大学の意義を問う

大学の価値について子供から問いかけられた。
私自身、大学に価値はあるのか以前から疑問を持っていましたが、今回は子供からの問いかけに真面目に考えてみることにしました。

まず、教育者や大学の相談員に聞いてみました。教育者によると、大学教育は①専門性を深めること、②人間性を豊かにすることだと言う。次に大学の相談員に聞くと、実際には難解な授業内容についていけない学生も少なくはないと聞きました。つまり専門性の追求が落ちこぼれを生む側面もあると理解しました。

人間性を豊かにするというのは少し疑問があります。自分は多くの議論が価値観を高めると思っていますが、今の学生は裕福な家庭に育ち、大きな問題もなく、同じ年代の人が集まっているので、特に価値観の違いは出てこないと思います。学生の間で話題になるのは面白い事や異性の話ぐらいで、不平、不満は学生間ではあまりしないと思います。

いろいろ聞いて考えましたが、私は子供への回答として、大卒と高卒の初任給や生涯年収の違い、就職条件など説明しました。しかし、子供の返事は「父さんは金が全てだ」という言葉でした。嫌な事をしてまで金を稼ぐのかという事です。

正直今の会社で働いていると1、2割の優秀な社員が稼ぎを出していて、後はそれに従って働いているだけという感じがする。つまりは会社にいるのは苦痛だが、ある程度のお金は、その場に居れば入ってくるということだ。1人でやるよりも集団で生産した方が大きな事はできるし、世界を相手にすれば、かなりの売り上げが期待できる。なので会社員が金儲けにはベターだということだ。そんな意見に学生にとっては夢も希望もない。

実際これから就職活動になると、「将来何になりたいのか」とか「夢は何?」という問いを聞かれると思う。正直20歳の若者が、それに明確に答えられるか疑問です。おそらく思ってもいないことを話すに違いない。

そして難解な授業や意味のない就職活動という現実から、逃避する学生も増えてきている。それがニートや引きこもりにつながっている。しかしそんな人々が増えていけば、今後の社会が危ぶまれます。

結局のところ、「学ぶ」や「生きる」というのは人間が作り出した概念で、その答えは一様ではないというのが私の結論です。人間は「悩む」というオプションを持ち、それが学びや生き方を複雑にしています。そこで、解のない問題に時間を費やすよりは、現実に即して考え、行動に移すことが重要です。考えて行動し、失敗すればやり直す。これが現代における「学ぶこと」の本質ではないでしょうか。

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