百日草

本、映画、音楽、俳句、美術を綴っています。俳句とエッセイ集「蜜柑の恋」(創風社出版)。…

百日草

本、映画、音楽、俳句、美術を綴っています。俳句とエッセイ集「蜜柑の恋」(創風社出版)。共著、編に「坪内稔典100句」(創風社出版)、「朝ごはんと俳句365日」(人文書院)、「俳句の杜2019」(本阿弥書店)。「窓の会」常連。蜜柑と和菓子好き。【読書の秋2020*日経BP賞受賞】

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    映画には学びがいっぱい! 教育・家族・哲学・科学・テクノロジー・人権・歴史・お金・社会…。 本や講義と同じように、アカデミックに楽しむこともできるはず。 映画で得た知識や感動、情報、気づきを掲載した記事を集めたマガジンです。 映画を通じて得られる学びをお届けします!! ※共同運営者の皆さまへ。 映画の感想及び、そこで得た学びが少しでもあれば、構いません。 過度な宗教・思想・社会・個人の批判と、過度な性的描写やグロ描写はNGですが、それ以外はある程度なんでもOKです。 遠慮なくどんどん記事を追加していただければ幸いです!

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    関西歌劇団のノスタルジア・コンサートなどの小さな感想です。

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最近の記事

人を思いやる心・パストライブス/再会

 今年の話題作「オッペンハイマー」も「哀れなるものたち」も「デユーン・砂の砂漠2」も壮大で、ハリウッド的で、素晴らしい作品と思うものの、今回のアカデミー賞候補作のなか、「パストライブス・再会」は繊細で人が人を思う心の切なさが見事に描かれており、感心し、もっとも好きな作品でした。 パストライブス・再会 セリーヌ・ソン監督 米韓映画  物語は12歳、24歳、36歳でのノラとヘソンの物語を軸に進んでいきます。 登場人物  ノラ(グレタ・リー)・・・映画監督の父親、画家の母親

    • ノスタルジアコンサート

       今回は、住友生命いずみホールで行われました。今までより、現代の曲は少なく、「春」を意識した曲を中心に、唱歌や日本の歌、懐かしい曲がそろいました。そして、歌劇を三曲も歌ってくれたのは、聴きごたえありました。  司会はおなじみになった谷浩一郎氏と辻村明香氏。息もぴったりで、スムーズな進行でした。女性陣による「フィガロの結婚」より「恋とはどんなものかしら」と喜歌劇「ヴィリアの歌」は、澄んだ声で美しかったです。今回の女性陣への質問は、好きな花と花言葉でした。薔薇や桜、ミモザ、百合

      • 文藝春秋3月号「東京都同情塔」を読んで

         知的でSF的で批評的で、しかも読みやすい文章でした。今年上半期 の芥川賞受賞作「東京都同情塔」面白くよみました。  文藝春秋3月号は特別号で、「東京都同情塔」が全文掲載され、選評まで載っています。選評を読むと、平野啓一郎氏が幻惑的な構造計算と題しして、述べており、一番しっくりきました。 「バベルの塔の神話を主題に、言葉と物との関係のとあるべき理想とを、 自ら構想中の塔と同化するように倒錯的に模索する女流建築家の造詣が冴えており」→サラ・マキナという女流建築家を中心とした

        • 本日締め切りです!春キャベツ大賞

          「窓の会」が主催する投句の俳句コンテストです。本日締め切りです。 春。新しい季節。新生活を彩る春野菜たち。春アルバムならぬ春の俳句で毎日を彩ってください。 投句料無料のメール投句です。  なお、「窓の会」は、今までに秋は「果物大賞」、冬は「鍋物大賞」を実施してきました。そして、新生活始まる春は、「春キャベツ大賞」次回夏は「アイスクリーム大賞」を実施予定です。ささやかですが、優秀句には景品もありますので、奮って応募ください。(応募規定は、クリックしてください) #窓の会 

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          「窓」春号と「リスボンの窓」

           俳句グループ「窓の会」の季刊誌「窓」春号、刊行されました。「窓の会」主宰の坪内稔典先生の第13句集「リスボンの窓」も発売中です。 「窓」 2024年3月3日 春号 窓の会 創風社出版 1000円(税込) 「リスボンの窓」 坪内稔典句集 ふらんす堂 2530円(税込)  「窓」は、「窓の会」の常連たちの俳句とエッセイを載せています。107名の会員それぞれが俳句20句と「私の味方」をテーマにしたエッセイです。家族あり、天文あり、ペットや猫あり、食べ物あり、いろんな味方につい

          「窓」春号と「リスボンの窓」

          「日本を正しく知ろう」~高嶋哲夫先生講演会~

           2月15日、ホテルヒルトン大阪であった高嶋哲夫先生の講演会を聴きにいきました。経済小説のベストセラー作家であり、原子力研究所勤務やカリフォルニア大学留学などの経歴をもつ一方、大阪女性文芸賞贈呈式に来賓として長年来てくださったりとの交流で、今回先生から案内をいただきました。関西プレスクラブ主催の定例会議での講演でした。 2024年1月27日付けの日本経済新聞に一面、全面カラーの広告が出たときは、びっくりしました。が、その足跡は、日本の経済の未来をも予測していたかのような小説

          「日本を正しく知ろう」~高嶋哲夫先生講演会~

          藤田嗣治・手紙の森へ

           去年の12月にアサヒグループ大山崎山荘美術館で催されている「FOUJITA」藤田嗣治展に行きました。  今回は、絵画の点数は少ないですが、藤田自筆の手紙と彼がつくったてしごと、小物が展示されていました。  大山崎山荘美術館は、JR大山崎駅から10分あまり、山の中腹にある山荘美術館です。  京都言葉カフェで、美術鑑賞の仕方として、3通りの鑑賞法があることを学びました。①絵画そのものを②作者を通して③時代を通して。今回の展覧会は、まさしく②と③での鑑賞になりました。  絵画の

          藤田嗣治・手紙の森へ

          劇団邂逅「その空港の最後のクリスマス」を観て

          ☆「その空港の最後のクリスマス」伊地知克介作  23日、尾川代表と演劇集団邂逅の「その空港の最後のクリスマス」観にいきました。若いころは演劇も好きで観に行きましたが、最近は映画ばかりになっていましたので、新鮮でした。  題名から、空港を舞台ということで、トム・ハンクス主演「ターミナル」(スピルバーグ監督、2004年公開)を思いだしました。演劇の場合、狭い空間でのドラマになり、ダイナミックな映像がない分、人間関係が会話で濃密に描かれており、言葉が映画以上に大切だなあと思いまし

          劇団邂逅「その空港の最後のクリスマス」を観て

          小倉にて

           12月16,17日と義父の一周忌の法要で小倉に行きました。  16日は朝7時11分新大阪発ののぞみだったので、眠たかったけれど、JR小倉駅に着き、ホームで松本零士氏の「銀河鉄道999」の曲を聴くと、どんより曇った空を見上げると、いつものように小さな旅を感じました。  ちょうど、小倉では、北九州映画祭が13日から開催されていました。 法要のあと、小倉駅まで戻り、旦過市場を散策し、火災での損失から再建された小倉昭和館に行くと、青山真治監督追悼特集上映でした。ロビーは供花でいっぱ

          小倉にて

          ノスタルジアコンサート

          今回は、大阪の常翔ホールで開かれました。 「日本の心を歌い継ぐ」をコンセプトに、懐かしい気持ちになる穏やかな曲を中心として繰り広げられるコンサートです。今回も18曲にアンコール2曲。聞きごたえあるコンサートでした。  前半は「フニクリ・フニクラ」「里の秋」「赤とんぼ」と言ったこの季節にぴったりの曲から、女性陣による歌劇「私のお父さん」「アヴェ・マリア」シャンソンの「枯葉」などバラェテイに富みました。    今回も谷浩一郎氏と辻村明香さんの司会。ユーモアも交えて、年々上手くな

          ノスタルジアコンサート

          茶の湯とデザイン大全~カーサブルータス特別編集~

           2022年千利休生誕500年を記念して編まれたマガジンハウスのムック本です。 ☆茶の湯とデザイン大全 マガジンハウスムック本 1650円 石田ゆり子さんをナビゲーターに、全国の茶室を回ったり、あの人の「茶箱」を拝見!と著名人の茶道具をみせてもらたり、お茶にまつわるいろいろのムック本です。  わたし自身、先日、炉開きに参加して、緊張と弛緩の塩梅が心地よく、楽しい時間を過ごすことができました。大森監督の「日々是好日」の世界ではないけれど、日本人の所作の美しさ、茶室空間の美

          茶の湯とデザイン大全~カーサブルータス特別編集~

          推しの姫~明石の君を思って~

           行きつけの地元の図書館の事務員さんが薦めくれた一冊です。本を返しに行くと、カウンターに飾ってあり、「面白いのでぜひ」と。  そんな不思議な縁で手に取った本ですが、古典にでてくるモノについて、縦横無尽に語っていて、飽きることなく読了しました。  ☆古典モノ語り  山本淳子著 笠間書院 1900円+税  記録や作品の中で、普段、何気なく書かれている道具たち。ひとつには場面の主役になりにくいこと、時代を経てしまってわかりにくいことから、読み飛ばされがちなものばかりです。そこで

          推しの姫~明石の君を思って~

          文藝春秋9月号「ハンチバック」を読んで

          ☆「ハンチバック」 市川沙央作 「文藝春秋9月号」 1200円  9月号の文藝春秋は、芥川賞受賞作「ハンチバック」全文掲載であり、選評や著者のインタビューもあって、お得でした。読了後、選評を読むと、全員一致で受賞が決まったことがわかりました。選考委員によって、温度差もありましたが、どの選考委員も「わたしなどがこれまで遭遇したことも想像したこともなかった人生の姿」(松浦寿輝氏)「とにかく私小説が強い。思いが強い」(吉田修一氏)と唸り、「文学的に稀有なTPOに恵まれたのはもちろ

          文藝春秋9月号「ハンチバック」を読んで

          「窓」創刊号・秋号

           俳句結社「窓の会」から、「窓」という雑誌が創刊されました。。 総勢107名の常連が、15句の俳句と「私の自慢」というミニエッセイを載せています。俳句の結社誌らしからぬたのしげな表紙です。(花原淳子画) 坪内稔典先生のアメーバblogでの声かけに、旧船団のメンバー中心として総勢107名が集りました。。「窓の会」常連の俳句発表の場として、年二回秋と春に、結社誌を発行します。その創刊号です。 俳句の発表の他に、常連ごとのミニエッセイ、「私の自慢」は、笑いあり、家族愛あり、作

          「窓」創刊号・秋号

          日本をつなごう~JR九州~

           2011年3月12日、九州新幹線開業日でした。その前日に起きた東日本大震災の影響で、開業お祭りモードは自粛し、放映されていたCMはネットで拡散されていきました。  初めてこのCMを観た時、震災の重苦しい空気の中、名もない沿線の人々の無心の笑顔に暖かい気持ちになり、涙がでました。カンヌ国際広告祭で銀賞受賞。このCMを自前で作った会社がJR九州でした。 1987年の民営化で、国鉄は12の承継法人に分割されました。鉄道運輸部門では、本州3社(東、西、東海)島3社(北海道、九

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          ノスタルジアコンサート

           今回も住友生命いずみホールで、ノスタルジアコンサートがありました。久しぶりに、歌劇団の人の生の歌声聴けて、感動でした。やはり、声量があって、声の幅も広く、わたしにはとうていできないことなので、凄いなあといつもながら感心しながら聞き入り、美しい歌詞と旋律に癒されました。  「トランペット吹きの休日」で幕開けでした。「夏は来ぬ」「みかんの花咲く丘」と、懐かしい、美しい日本語の歌詞にほれぼれしながら聞きいりました。今回、女性陣には、「ノスタルジアの男性メンバーについて」というお

          ノスタルジアコンサート