ミラージュ

青空の垢が剃刀の刃についているよ真夏の残像のように/街のがれきのように地図がない/書いても書いても/豊かであって豊かでない/バイパスをくだると庁舎が見える/下降は楽しいだけで空白にしかわたしはいたくない/変色した貌を時々思い出すんだ/あの貌だけが真実で/あそこからボクは白地図を書いてきた/その書かれていない場所できみにいつも見られているような気がする/どこまでも追いかけてくる鳥いつまでも啼きやまない鳥/死ぬ瞬間に軽くなるからだの/硬直、腐敗、膨満、融解、消失と/きみとぼくのミラージュ、若緑色の詩だけを残して/放血を終えたあとの花のように横たわり/冷えてゆくからだにしか物語の続きがない

#詩

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白井健康

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