剥がれない川

指先で手羽先を分け離すとき風を含んだ骨はそらいろ
そちらへと橋を渡して手をとれば年齢不詳の子どもでいられる
遠いもの大きくなるのがもう嫌で砂浜みたいに簡単がいい
鍋底に並びきれない醜態を煮詰める所作のうつくしいことよ
懸命に懸命にってコンビニの灯りの辺りで頼りなくなる
すぐ横で触れていたかった心臓に創った魚の詩を聞かせてる
暗誦できる言葉と湯冷ましの水をふたりのようにそのままにする
日常のふりをしたまま三個入りがパックのサランラップに包まる
生ぬるい芯を抜かれる脊柱の空隙にまた生えてくる足
コカコーラを下から上になぞりつつ溶けだしてゆく踵 礫島
#短歌

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