最後の日のつぎの日

うたをおもうままにおおもわないことと、し
喩はさくいにみちてゆれるいぜんのときめ、き
自傷は自慰の熱量を横たえて黙りこ、む
発語しない音をわりきれなくなるまでわりつづ、け
板戸から漏れでるあまりを響かせて放つ、と
閾値を超えた人生ってさそわれて支えきれない
液体のなかでみるせかいの最後の日のつぎの日の
芽吹きのあおはあおでないとおしえられ
おしえつたえる反芻に泣いた
みちるものはいつもむずがゆくすこしあたたかく
よるべないくうきと交わる
きかせたいみせたいととどまったばしょを
撮影して保存してある
いつかみせようとしてわすれる弾力の
あらわれてはきえあらわれてはきえる中空へと
ある場所を保持するように
くるくる回したさきから煎餅みたいにはかない
いつのまにあかいきんぎょにこいをしてくびをゆがめ
はれとあめのさかいに手のひらをかざしてみたいが
不在だったひとの帰る時間をえんそうするかぜは孤独だ
てんてんとてんてんと喜怒はたまさかの藻屑
もしくは金のゆびわのように痛い
よりをもどしてゆく回路からはずれない、所詮は邪恋
おおきなせかいの帯のここらあたりに未受粉のまま
われわれのすうにんが傾(なだ)れる

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白井健康

未来短歌会彗星集/2011年歌壇賞次席 /「オワーズから始まった。」(書肆侃侃房、ユニヴェール) /橄欖追放にも掲載されています。 http://petalismos.net/tanka/kanran/kanran210.html

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