サンフレッチェ広島の視察レポート

1.振り返り

9月20日の中国新聞の記事から始まり、noteで私のtwitterに寄せられたご意見を上記のようにまとめて報告させて頂きました。その後、百聞は一見にしかずということで11/24のサンフレッチェ広島様のホーム最終戦で視察に行きます!!と発信すると、有難いことにサンフレッチェ広島様からご連絡を頂き意見交換の場を持ちましょう!!となりました。ホームゲーム前日の大変お忙しい中、山本社長はじめ幹部の皆様と様々なテーマで意見交換をさせて頂きました。貴重な時間を本当にありがとうございました。今回は実際に広島に足を運んで見たこと、感じたこと、お聞きしたことを交えながら簡単に視察レポートをさせて頂きます。

2.本当に集客は失速したのか???

ホーム最終戦前までの2018シーズンの入場者数は221,877人(平均13,867人)森崎選手のラストホームゲームということもあったと思いますが、シーズン最多の21,997人でフィニッシュ。最終数値は、243,874人(平均14,345人)。

2016年 J1 6位 262,888人(平均15,467人)

2017年  J1 15位 238,720人(平均14,042人)

なので昨年を上回りました。また、2018シーズンは平日の試合が3試合あり

4/11  横浜FM戦 7344人

5/2 清水戦 8029人

7/18 G大阪戦 7835人

と苦戦したこと、豪雨災害の影響も考慮すると単純にチーム成績に反して失速したような状況には最終的にならなかったと言ってよいのではないでしょうか。おそらく上記3試合が週末の試合であれば2016シーズン近くの数値に達したのではないかと予想されます。ということで元々の中国新聞の記事から始まったこの話ですが、結果を事実としてお知らせしたいと思います。

3.集客が伸び悩む要因トップ10として挙げられたご意見に対しての私見

◆アクセス

行きは、JRで広島駅→新白島駅(3分  140円)、アストラムラインで新白島→広域公園前(33分 440円)、坂道を徒歩10分。正直関東で日ごろ電車に乗りなれているものとしては、さほど苦にはならなかった。

ただし、JR広島駅からマツダスタジアムまで歩いてみて尋常じゃないほどアクセスが良い。このアクセスがスタンダードになると正直どこの会場も厳しいだろうなというのが率直な感想。繰り返しになりますが、単に市内から会場までのアクセスとしては思ったより大変とは思いませんでしたが、平日開催に集客することは苦労することは想像できました。

どちらかというとスタジアムに到着する時間が異なる往路よりも復路が集中して混雑するので相当大変だろうなというのを感じましたし、事実そのようです。スムーズに帰ろうと思うと試合を最後まで観ることも困難かもしれません。復路は、車を利用してみましたがそれなりに渋滞はありました。(比較的早めに出たので本当に大変さは不明です)

結論としては、カープとの比較で考えると不便さを感じることはやむを得ないですが、他のクラブの会場と比較して圧倒的に不利な状況というものではないというのが私の感想です。

◆カープの存在

これは予想以上に強烈でした。完全にカープの街ですね。タクシーに乗っても、街中を歩いてみても、飲み屋に行ってカープ色強しです。ここまで強い存在がいることは他のスポーツクラブにとって脅威だと思います。イベントしても集客できるし、テレビ中継すれば視聴率とれるし、存在感が圧倒的だと思います。

結論として、もううまく共存するしかないです。

◆豪雨災害

こちらについては、不明です。

◆スタジアム

印象としては、天気も良かったこともありますが、山頂にあり気持ちのいいスタジアムでした。紅葉もキレイでした。スタンドの雰囲気も良く、森崎選手の引退セレモニーが予定されていたということもありキックオフ前にはこんな粋な演出もありました。

コーナーキックの時のタオルを回す応援は一体感があって良かったです。構造上どうしようもないと思いますが、①ピッチまでスタンドから遠い②山頂なので冷えるという意見がありましたが、それは正直私も感じました。

しかし、やむを得ないことを嘆いても仕方ないので山頂にあることの良しあし、アクセスの良しあし、スタンドからピッチまでの距離がある良しあしがあると思います。良しは必ずあるのでそこを有効に使えれば災い転じて福となすと言いますか、新たなサービスが生まれるかもしれません。山本社長はこのあたりを悲観することなく前向きに向き合おうとされておりましたので素晴らしいと思います。

◆メディア

記事掲載、放送にしても圧倒的に反響があり、数字も取れる存在のカープに寄ってしまう傾向があるのは残念ながら現実です。

結論としては、徹底したメディアリレーションから関係を益々良好にしていくことが露出拡大において大切になると思います。

◆県民性

こちらについては、不明です。

◆選手の移籍

こちらについては、不明です。

◆駐車場

ピークと比較して相当台数が減り、現在およそ2000台。顧客満足を上げるために事前予約制にしたものの満車になったら、観戦を取りやめるという方も出ているようです。サービス向上のための施策が入場者数を引き下げるバイアスになっていることはあり得ます。過去のように停められるかな?と不安を感じながらもとりあえず来てもらうということがサービスとしてよいのかどうかという間の中でクラブとして判断していくのだと思います。今後の課題としてどうやって駐車場を増やせるかということと、公共交通機関の利用を増やせるかが大きなテーマかなと思います。しかし、増やしても構造的な渋滞、電車、バスの混雑などをどうクリアしていくか難易度は高いのが現実です。

◆平日開催

やはりそれなりにアクセスに難があるので仕事帰りにちょっと観戦に行こうかという感じにはなりずらいところはあるので前述したように週末に比して大幅に低下する結果になるのは理解できました。同様にBリーグは平日が厳しいのはありますが、どちらかというと対戦カードのほうが大きな影響になる傾向があります。このサンフレッチェ広島様の傾向を見ると対戦カードよりも平日開催が一番厳しい状況になっています。打開策としてはスタジアム周辺区域も相当数人口がいることがわかりましたのでいかに近隣の市民を会場にお越しいただけるかが鍵なんだろうなと思いました。

4.本当に集客の厳しい地域なのか???

結論としては、確かにカープ色が強いとか、若干アクセスにに難があるということはありますが、他のスポーツクラブと比して決して極端に困難な状況ではないと思っています。まだまだ入場者を増やす手はあるし、既に検討していると思います。ただし、席数35000を常時埋めるようなクラブになることは簡単ではないですし、そこに向かうのでしたら抜本的な試みが必要かもしれません。それを目指す上でのポイントだけ最後に記させて頂きます。クラブ経営の本質的な話になりますが。

5.最後に

視察後にこんな投稿をしましたが、あくまでサンフレッチェ広島様のことということではなくスポーツクラブの構造問題でありブレークスルーするには乗り越えなくてはならないことかなと思っています。

1.競技寄りではない新規顧客をいかに増やすか

大きなスタジアム、席数を抱えるJクラブは特にこの発想が重要なのかもしれません。この席を埋めるならば競技寄りのサポーターだけでは難しいのではないでしょうか。結果、競技も好きになれば良いくらいの発想の転換で新しい潜在顧客にどういう施策を打つかが大切だと思っています。もちろん、Bクラブも同じことが言えます。まだまだ満席になっていないクラブもたくさんあります。しかし、Bクラブのアリーナは小さい。席数も殆ど5000弱。満席にするための難易度はJクラブよりも低いと思います。

どんな競技であれ現在の集客数と未来の満席状況のギャップをどう埋めるか?がスポーツビジネスをするものの挑戦すべき一丁目一番地ではないかと考えています。理由は満席の一体感こそが最大の非日常空間の演出で顧客満足(来場者満足)向上に繋がると考えているからです。ここでキーになるのがコア層のファンの皆様。多少軟弱だったり、???な施策にみえてもクラブ発展のために多様性を認めてみんなが楽しめるスタジアムやアリーナの雰囲気づくりをクラブとともにすすめていただけたら素晴らしいと思います。

2.真の地域密着

オーナーが責任企業のトップ=メインスポンサーという傾向が強い。これが悪いことではないのですが、企業としての立ち位置と地域クラブとしての役割のバランスをうまくとることが大切かと思います。何かあっても経営を支えるとか必要な予算をつけるみたいなところはあるにしてもどこまで地域に本気で関わり、愛してもらうのか、そのためにどんな努力をするのかというような地域密着への真剣さみたいなものがどこまで伝わるが明暗を分けるのではないかと思っています。また、クラブのフロントカルチャーにも大きな影響を与えることになります。これがないと市民、財界、地域団体、メディア等々、結果として行政からのサポートも受けずらい状況になると思っています。責任企業の力は必要条件ですが、徹底的に地域に密着するのはその地で生きていく上での絶対条件だと思います。

また、フロントの現場も予算をもらうかのような責任企業からのスポンサードに頼るだけではなく、いかに自力で稼ぐかという視点が大切です。そういう状況に追い込まれることで覚悟が決まり、おのずと地域密着に傾倒していくのだと思います。大きな軍資金が簡単に出てきたら経営努力なんてできるわけがありません。地域密着の自立経営+責任企業の安定的な支援のハイブリッド型経営が重要というのが持論です。地域密着でも脆弱経営ではだめ、親会社やビッグスポンサーありきで甘えの構造もだめで正しいバランス感覚でのクラブ経営が結局は大事なのかと思います。

色々想うことはありましたが、今回の視察と昨今考える正しいクラブ経営の在り方とは・・・からまとめさせて頂きました。このあたりが結局クラブカルチャーを変えていく源泉になると確信しています。

サンフレッチェ広島様の事務所に行きましたが、黙々とスタッフの皆様が頑張っておられました。幹部の皆様もこのクラブを良き方向に導こうと考え、真剣に未来を見据えていました。山本社長を筆頭に尽力をしておられますのでどうかサンフレッチェ広島サポーターの皆様はもちろんのこと、広島県民の皆様、何卒、Bリーグの広島ドラゴンフライズともどもサポートを宜しくお願いします。今回お世話になった皆様、本当にありがとうございました。





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島田慎二

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