アリーナ構想について

千葉ジェッツは、何故アリーナ構想に消極的なのか?に答えます。あまり難しい話はせず専門的な用語も使わず現時点での考えを出来るだけわかりやすくお伝えします。

◆現実的な話

「入場者数日本一のクラブが建設出来ないのはバスケ界としてどうなの?」「社長が本気でないのでは?」「これ以上狭い会場でお客様に不便をかけるのか?」など日頃から多くの声、SNS上でも拝見します。正直言って、消極的ではありません。何とかしてアリーナを建設したいと本気で思っています。しかし、現在の船橋アリーナのキャパは5000人、千葉ポートアリーナで6500人。現時点で5000人のお客様にご来場頂いている状況で同サイズのアリーナを作る意味はありません。建設するなら最低9000人~15000人収容規模は未来のためにも必要だと考えております。このサイズだと建設コストはどのレベルかにもよりますが100億円~150億円は最低必要です。Bリーグの試合はホームゲームが年間30試合。投資対効果からバスケットボールを軸にした前述した規模のアリーナ建設など現実的に難しい話なのです。

◆行政から見た場合

行政主導で話をすすめるにしても、現在ある市民体育館の改修目的で同サイズのアリーナ?体育館?を作るのが限界ではないでしょうか。船橋のような活気のある街でさえも20年、30年後の人口減少や老朽化施設への費用負担など財政基盤に対する危機感は大きいはずです。安定した行政サービスを提供することを最優先に考えた場合に私たちが想定しているような規模のアリーナ建設の決断は相当難しいものだと思います。これからも入場者数を増やし、魅力的なクラブを創り、アウェーのお客様を増やし、地域経済への波及効果を上げ、地域に必要不可欠な存在になり、市民権を勝ち取る努力を続けていきます。しかし、アリーナに対して民間企業のような投資対効果という概念よりは市民への行政サービスという位置づけである以上簡単ではないというのが現実です。これは行政を責めるべきものではなく、現実的な判断だと思います。

◆民間企業から見た場合

私たちが想定しているサイズのアリーナを民間企業のサポートで建設するということは前述したような建設費用、土地取得代、固定資産税、多額の維持コストなど大きな費用がかかる上で利益を上げていかなければなりません。当然のことながらビジネスです。採算のあわない投資は行いません。私たちが試合で使用するのは30試合。残りの335日の稼働率が重要です。もちろん、多額の施設使用料を課した上での稼働率向上です。つまり民間企業がアリーナ建設に関わったとしてもバスケットボールよりも他のコンサート、コンベンション、eスポーツなど収益を確保できるコンテンツを安定的に誘致、使用してもらう必要があります。また、私たちが使用するバスケットボール会場としてのアリーナの施設使用料も現在のコストに比べて大きく上昇することは間違いありません。一部大きなアリーナを作ればチケット代金が下がる、もしくは上昇しないのではないかと考えている方がいますが、逆になる可能性も十分にあるのです。そういう意味では、事業採算性がとれるビジネスモデルを構築しパートナー企業とどこまでチャレンジできるかがキーになります。もし、このチャレンジを行うときは、千葉ジェッツはバスケットボールクラブにとどまらずエンターテイメント事業者に転換しているかもしれません。

◆最後に

行政、民間企業へのアプローチの両面で私たちにできる最大限の努力は続けていきます。しかし、この話は千葉ジェッツだけではなく日本全国で同様の難しい課題です。簡単なことではないですが、各クラブ、各地で努力しております。まさに、「にわとりと卵」の話になりますが、アリーナが出来たから盛り上がった。盛り上がったからアリーナが出来た議論です。どちらもあり得る話ですが、前述した現実をふまえつつ、行政、民間企業ともにアプローチするにはまずは盛り上がったから・・・を作らない限りは話は始まりません。盛り上がりの第一歩、つまり行政、民間企業を動かす第一歩は集客であることだけは間違いありません。どうか日本全国のブースターの皆様、各地域での贔屓クラブのホームアリーナにて応援することで大きなうねりの初期微動を起こしていただければ幸いです。


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島田慎二

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