「実家が存在している」ということ

「帰省するの?」「今年はしないかな〜」

何気ない会話。

最近思うのは、全員に実家が存在するわけじゃない、ってこと。

私の母も実家が存在しない。

14年前に祖父が亡くなり、その数年後に祖母は施設に入所した。

自営業だったので年金も少ないし、お金が無いし、実家を売却してこれからのお金にしたらしい。

8部屋くらいあった大きな家を売却したらしい。何百坪の土地も売却したらしい。

今は小さい子供のいる家族が住んでいるらしい。

母の実家は存在しない。


同じように「実家が存在しない人」はたくさんいるはずだ。

両親が亡くなった人、施設に行った人、離婚して住む場所が変わった人、家を出てから親が引っ越したので実家という実家がない人、そもそも家で暮らした経験のない施設出身の人。


「実家は存在するけど帰りたくない人」もたくさんいるはずだ。

親と気まずい人、仕事が微妙なので嫌な雰囲気になる人、親族が優秀すぎて気後れする人。


「実家に帰りたいけど帰れない人」もいる。

仕事が忙しい人、パートナーの実家優先の人、海外に住んでる人、帰省するお金が無い人。


だから何ってわけじゃないけど、実家が存在している人は「実家が存在しているな」と確認したらいい。数年経ったら存在していないかもしれない。

空き家問題という言葉を聞くたびに、「その家を建てた当初、そこにどんな想いがあったんだろう」と思う。賃貸やシェアハウスに住む私だけど、家という建て物は結構重い存在だよな、と感じる。

実家、存在しているし、帰ってきたな〜。

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