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ふんわりの詩

ふんわりふんわりしているけれど、僕の心臓を通すと途端に角ばったトゲに変わる。ふんわりが悪いわけないし、心臓だって悪気はないし、誰だってふんわりをふんわりのまま満ち足りたいのに、どうしてだろう、トゲに変えてしまう。トゲが悪いものってわけじゃないけれど、トゲは痛いから苦手って言われてしまう。トゲだって悪いことしてるわけじゃなくて、トゲはトゲとして生まれたからそこにあるのに、隣にふんわりがあるとまるで悪者のように責められてしまう。

ミカンだってリンゴだって、ただそこにあるミカンでありリンゴだ、ただそれだけのこと。だけどどうしてだろう、ミカン1個五十円、リンゴ1個百二十円。ただミカンとリンゴがあるだけなのに、数字がつけられちゃったら仲良くできない。

ただそこにあるもの、というものが、この世界のほとんどのもの。それなのにどうして、二つ並べた瞬間に「良いやつと悪いやつ」とか「高いやつと安いやつ」とか「違い」ばかりに目がいくのだろうか。

そんな世界だ、この世界。僕は僕として生きるために、これからもふんわり一人ぼっち。

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