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「あまね」の話を知っているか?

もしもあなたが少し機能の劣ったヒト型アンドロイドとして生を受けたとしたら、あなたは何を思うでしょうか。


2025年に文科省の指示により開発されたヒト型アンドロイドの「あまね」。

ロボットなのでもちろん生殖機能はありません。
男でも女でもない性別として設定されています。

なぜ性別が与えられなかったのか。

政府の指示により多様化した性に対応するため、意図的に性別を割り振らなかったのです。

「あまね」は少子化の現代において、健全なこどもの情操教育を行うことを目的に自動車メーカーとPCメーカー、それにドローンメーカーの協力のもと大量製造されました。

大量製造された「あまね」は各都道府県の小学校5年生と一緒に授業をし、ともに「生きるとは何か」を学んでいきます。
とは言え、「あまね」はちょっと足りないので児童をサポートするどころか反対に助けてもらってばかり。

「あまね」は算数や科学や歴史は得意ですが、
道徳は苦手です。

国語はできても、その児童が本当に言って欲しい言葉を探すことが苦手です。

家庭科では味の濃さを測ることはできても美味いか不味いかを測ることができません。

体育ではあまり速く走ることができないのでドッジボールでは1番に当てられて外野手になります。力を込めてボールは投げられますが、当たった後の怪我を予測してしまうので緩い球しか投げられません。

「あまね」は児童と生活するたびに悩みます。

なぜアンドロイドなのに万能でないのだろう。
なぜアンドロイドなのに人の気持ちがわからないのだろう。
なぜアンドロイドではなく人間として生まれなかったのだろう。

そんなときドクタは言うのです。

「あまね、あなたって本当に人間臭いのね」

「あまね」はドクタの顔をまじまじと見つめ言うのです。

「あまねはどんなに頑張っても人間にはなれません。それなのになぜ人間臭いとドクタは言うのですか?」

ドクタは答えます。

「人間というものは …だからよ」

さて、これから私が紡ごうとしている物語は、
「あまね」がアンドロイドとして生きる意味を見つけるまでの物語です。

最後まで書き切れるように見守っていただけると嬉しいです。

ベースとなるショートショートはこちら。
「あまねく処理をドクタに捧ぐ」

※このショートショートではあまねは女の子の設定です。

#小説 #プロット第一弾 #まずは大まかな流れ



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