Yuichiro.ito@Finatext(フィナテキスト)

Finatext CFO。

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2023年のフィンテック業界を振り返る

今回は、2023年のフィンテック業界で目立ったトレンドを5つピックアップして、振り返っていきたいと思います。 その前に、、実は去年1月時点で2023年のフィンテック業界の予想をしていました。 この予想が当たったのかも気にしつつ、振り返ってまいりましょう。 ① チャレンジャーバンク/BNPLの逆襲チャレンジャーバンクやBNPLは、2022年まで黒字化できない/金利下がれば使われなくなるといわれ、そのビジネスモデルについて疑義がもたれてきましたが、2023年遂にトップティア

    • Appleの金融業参入の衝撃と分化していく金融サービスの担い手

      この記事はFinatextグループ10周年記念アドベントカレンダーの26日目の記事です。 昨日は片山さんが「スタートアップのプロダクトマネージャーに向けた採用のエッセンス」という記事を公開しています。 Appleが「Embedded Finance(組み込み型金融)」として、米国で4月に提供を開始した預金サービスが、わずか3ヶ月半で100億ドルもの預金額を集めたという衝撃的なニュースは最近話題となりました。 その後、11月にはゴールドマンサックスとの提携解消という更に衝撃

      • プロンプトとは何か?プロンプトの本質と制約とそれを乗り越えるための工夫

        前回のnoteでは、ChatGPT / LLMの原理を、進化の過程を振り返りながら整理してみました。今回は、GPTを活用するために今最も大切な"プロンプト"について、まとめてみたいと思います。 ユースケースを考えていくうえでは、このプロンプト自体とその制約を正しく理解することがめちゃくちゃ重要だと思いますので、まずは「プロンプトとは何か」を整理していきましょう! 1. よく聞く”プロンプト”ってなにしてるのか?そもそも「ChatGPT等のLLM(大規模言語モデル)とは何か

        • 文系非エンジニアがChatGPT / LLMを数式なしで解説してみる

          先日、社内でChatGPT / LLMを活用した実証実験をしていたら、一部感動するほど結果が出たことで、今更ながら俄然興味を持ってしまいました。 これからビジネスユースケースを考えていくうえで、「本質的にどういうものなのか」を理解しておくことがとても大切だと思い、改めてChatGPT / LLMの基本的な仕組みを整理してみました。 私みたいな文系で行列や統計はわからないけど、もう少し根本的なところを理解しておきたい!という方に是非です。 それでは、GPTをはじめとするL

        2023年のフィンテック業界を振り返る

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        • 新しい組織のカタチを考える
          2本
        • 新しい金融のカタチを考える
          2本

        記事

          フィンサイト #13 独断と偏見で選ぶ2022年フィンテック4つの潮流

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 第13回のテーマは「独断と偏見で選ぶ2022年フィンテック4つの潮流」です。 4つの潮流 今年は、Twitterでニュースサマリーを毎週投稿し、ポッドキャストも12回ほど配信させていただきました。その内容を振り返りつつ、そこから個人的に気に合った4つのトピックを取り上げたいと思います! 1. バリュエーションバブルの崩壊と相次ぐリストラ 2. 決済×ソ

          フィンサイト #13 独断と偏見で選ぶ2022年フィンテック4つの潮流

          フィンサイト #12 組織再編から見えてきたゴールドマン・サックスのフィンテック事業の未来

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 第12回のテーマは「組織再編から見えてきたゴールドマン・サックスのフィンテック事業の未来」です。 トピックス 組織再編に伴い、GSはコンシューマ向けビジネスMarcus縮小か?!という懸念が出ています。 しかし、実はGSのコンシューマ向け戦略はもともと3つあり、Marcusはそのうちの1つに過ぎません。 これまでの戦略を振り返りつつ、組織再編から今後G

          フィンサイト #12 組織再編から見えてきたゴールドマン・サックスのフィンテック事業の未来

          フィンサイト #11 米国でますます盛り上がるベンチャーデット

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 第7回のテーマは「米国でますます盛り上がるベンチャーデット」です。 トピックス VCや新興市場株のパフォーマンスが悪化する中で、スタートアップ向け融資に注目が集まっており、Pitch Book dataによると、今年も米国だけで300億ドル規模のベンチャーデットによる資金調達が見込まれています! ベンチャーデットが大きく注目を集めるきっかけになったのが、

          フィンサイト #11 米国でますます盛り上がるベンチャーデット

          ユースケースから見えてきた、エンベデッドファイナンスの3類型

          2020年12月に、こちらのnoteで「エンベデッドファイナンス」を紹介してから、この言葉が少しずつ浸透し、国内外で様々なユースケースが出てきました。 エンベデッドファイナンスとは、言うなれば、金融業界の「チャネル革命」だと考えています。これまで金融機関は、商品組成から販売まで全てを自社で完結させてきましたが、これからは多くの金融サービスが外部パートナーとの連携を通じて提供されるようになっていくでしょう。これは、「産業構造/バリューチェーンの転換」でもあり、これから金融業界

          ユースケースから見えてきた、エンベデッドファイナンスの3類型

          フィンサイト #10 大手プラットフォーマーが相次いで保険サービスの組込みを発表

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 記念すべき第10回のテーマは「大手プラットフォーマーが相次いで保険サービスの組込みを発表」です! トピックス今年8月、米国の大手プラットフォーマーであるShopifyやAirbnbによるEmbedded Insurance(保険の組込み)の事例が相次ぎました Shopifyは、加盟店であるEC事業者向けの配送保険を提供 Airbnbは、ゲスト向けにキャン

          フィンサイト #10 大手プラットフォーマーが相次いで保険サービスの組込みを発表

          フィンサイト #9 マクロトレンドを読む!米国フィンテック企業の決算ナナメヨミ

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 第9回のテーマは「マクロトレンドを読む!米国フィンテック企業の決算ナナメヨミ」です。 トピックス フィンテック業界では、ダウンラウンド、リストラ、規制強化等々、暗いヘッドラインニュースが多いですが、クリプト系を除き、各社の足元の事業/売上進捗は決して悪いものではありませんでした 特に、決済プレイヤーのPayPal、BLOCK、Marqetaの決算は非常に良

          フィンサイト #9 マクロトレンドを読む!米国フィンテック企業の決算ナナメヨミ

          フィンサイト #8 FTXのCEOが提案する、クリプトを用いた金融取引の新しい姿

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 第8回のテーマは「FTXのCEOが提案する、クリプトを用いた金融取引の新しい姿」です。 トピックス 今回はFTX CEOのSam Bankman-Friedのクリプトに関するユースケースを説明した一連のツイートを取り上げ、「FTXのCEOが提案する、クリプトを用いた金融取引の新しい姿」についてお話ししました。 派手な案件が目立つFTXですが、その裏で新し

          フィンサイト #8 FTXのCEOが提案する、クリプトを用いた金融取引の新しい姿

          フィンサイト #7 今年のネオバンクの主戦場は税務申告支援ビジネスか?!

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 第7回のテーマは「今年のネオバンクの主戦場は税務申告支援ビジネスか?!」です。 トピックス 今回は「ネオバンク等に税務申告機能をSaaS型で提供するAprilが$30mを調達」という記事を取り上げ、税務申告機能が今なぜ注目を集めているのかについてお話ししました。 一見、マニアックな記事ですが、今後のネオバンク競争を占う重要なトレンドになるかもしれないと考

          フィンサイト #7 今年のネオバンクの主戦場は税務申告支援ビジネスか?!

          フィンサイト #6 BREXの中小企業向けサービス撤退の真相

          私が最近気になったフィンテックトピックについてゆるく話す、「フィンサイト」というポッドキャスト番組をやっています。 第6回のテーマは「BREXの中小企業向けサービス撤退の真相」です。 トピックス 今、フィンテック領域の中で最も熱いうちの一つがB2B決済ビジネスです。特に近年は様々なスタートアップが登場し急成長を遂げています。 最初にスタートアップ向け法人カードという分野を切り開いたのが、BREXであり、ある種第1世代といってもいいと思います。 これに対して、SaaS

          フィンサイト #6 BREXの中小企業向けサービス撤退の真相

          従来型の金融業界から見たステーブルコインの類型

          Terraが運営するUSTの価格暴落を契機に、改めてステーブルコインに注目が集まっていますが、実は「ステーブルコイン」と一口に言っても、様々なパターンがあります。 が、、いまいちそのパターンを正確に理解できていませんでした。そこで今回は自分に馴染みのある、従来の金融商品の枠組みから、ステーブルコインの類型を整理してみたいと思います。 私のような、、「一般的な金融商品は何となくわかるけど、ステーブルコインはよくわからない!」という方にぜひ読んでいただけると嬉しいです! また

          従来型の金融業界から見たステーブルコインの類型

          もしもWikipediaがweb3だったら

          最近話題のweb3ですが、どうも具体的な活用イメージができずに悩んでおります。 そこで、web3を理解するために、既存サービスを例に、それをweb3的に立ち上げるとしたら、どういうものになるのか妄想だけで考えてみたいと思います! 今回は事例として、"Wikipedia"を取り上げます。 まず考える前提として、簡易的にビジネスモデルは、「Wikipediaのサイト内に広告を掲載し、その広告収入を貢献度に応じて分配する」ということにしたいと思います。一般的な「広告ビジネス」

          もしもWikipediaがweb3だったら

          今話題の日本版「コーナーストーン投資」を解説

          ココナラ、セーフィー、エクサウィザーズ、、そして当社Finatextホールディングスと、2021年は「コーナーストーン投資」/「親引け」のIPO案件が多かった1年だったかと思います。これらは、多く方にとってはあまり聞きなれない単語だったのではないでしょうか。 そもそも「コーナーストーン投資」とは何か? アメリカで主流となっているものとどう違うのか? なぜ2021年になって一気に増えたのか? 実際に本取引を実行した現場の立場から、日本版「コーナーストーン投資」について、自分

          今話題の日本版「コーナーストーン投資」を解説