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三陸でのAKBライブに初めて行ってきた #誰かのためにプロジェクト

3月23日、三陸鉄道リアス線が開業ということで、岩手県の三陸海岸に行ってきた。僕が好きで何度も公演に入っているAKBのライブも、この三陸の海岸で観たのは初めてになる。

南リアス線と北リアス線に分かれていた三陸鉄道が、その間にあったJR山田線の復旧を受けてJR東日本から経営移管されて、この日が「リアス線」としての誕生だった。沿線の駅では記念列車が通るたびに大漁旗がたなびいたり、広場ではお祝いのイベントが開催された。そのうちの陸中山田駅のイベントでは、AKB48が招待を受けてライブステージを歌った。

AKBは、楽曲のタイトルを冠した「誰かのためにプロジェクト」として、2011年の震災直後からこの地域への訪問とライブはずっと定期的に行ってきた。8年が経った今でも、握手会にはこの募金箱があるし、僕の推しメン(もう推しメンというか、応援しているというか、縁の深いというふわっとした表現が適切な)松村香織さんはそのつながりを通じて山田町ふるさと大使に就任している。

そうやってAKBを通じて三陸海岸への縁を感じていたわけで、知人のヲタクの何人かもボランティアなどで足を運んでいたのだけれど、僕はあんまり足を運ぶ気持ちが持ててはいなかった。基本的には現地の方のためのライブだから堂々と観に行くわけにはいかないし、現地だからこそ大切にしなきゃいけない価値観とのすれ違いによるトラブルも聞いていた。

経験のあったヲタクの知り合いに4年前に誘われて、ようやく一度、山田町に足を運んだ。そのときはAKBのイベントは何にもなかったけれど、ジオラマを作っている小学生とAKBの話を少ししてみたり、おいしい牡蠣を味わったり、観光客として魅力を感じて、帰っていった。

だいぶ心のハードルも下がって、「また来よう」と思ったものの、やはり遠くはある。盛岡から2~3時間車で山道を行かなければならない。イベントなどで何度か来るタイミングはあったものの、この2019年3月23日まで時間だけが過ぎてしまった。

今回は、かおたん(松村香織さん)がSKE48の卒業発表していたので、おそらく在籍中最後になる今回の開業イベントへ参加すると聞いて、勢いで行くことを決めた。今回は地元の人たちからも、観光にたくさん来てもらって盛り上げてほしいという発信もあったので、"被災地に"というよりとにかくAKBのライブを楽しみに行こうという気持ちになれていたように思う。この日は仙台でかおたん推しの知人の車に乗せてもらい、そこから花巻経由で山田町を目指した。

ところが…。朝早くの新幹線に乗るつもりが、寝坊で予定より遅い新幹線に乗る羽目になり、同行した友人の分も含めて2万円強の追加出費。仙台からの同行者にも迷惑をかけたところだったのが、結果オーライに。

1発目の記念列車と並走することができた! 取材陣や抽選で当たった乗客など、向こうからも手を振り替えしてきてくれて、なんだかうれしかった。

その列車を陸中山田駅の1つ前の船越駅での停車中に追い越して、なんとか山田駅に滑り込み。地元の人や、先に到着していたヲタ仲間とともに列車の到着をお祝いすることができた。

ここからは、地元の保育所のパフォーマンスを経て、いよいよAKBのライブステージ。なんと9曲もやってくれた…!

そしてライブも終了かと思われたところで、鯨と海の科学館の館長さんからサプライズで「これまでの支援の感謝をしたい」と申し出があった。女の子がステージに上がって、手紙を読み始めた。

AKB48グループがこの山田町に来てから、大変な思いをしていた町の人の元気になっていること。そして、この日来た7人のメンバー1人1人の、過去の訪問時のエピソードを交えての感謝の気持ち。書いた手紙をていねいに読む声を聴きながら、メンバーそれぞれの目が赤くなっているのを少し遠くから眺めていた。

かおたんいわく、最初に山田町に来て会ったときは小学校1年生で、後ろをついてきて何かを質問しても「うん」と意思表示をしてくれるくらいの子だったそうだ。そんな女の子が6年生になって、こんな素敵なお手紙を書いてくれていて。その感謝の気持ちに、AKBのメンバーが心を打たれていて。そんな瞬間に立ち合わせていただけたことは、本当に今までのAKBと三陸のご縁に感謝しかない。

ライブ中はかなりの寒さで、軽く吹雪いているくらいだったのもあって、帰りは山を突っ切る形ではなく、三陸道を南に沿岸を走って帰った。三陸道は海岸線の山側を抜けていくのだけれど、時々、道を境に海岸側と山側で町並みがぱっくりと別れているところを通った。

海岸側も津波を受けてから8年経って、だいぶかさ上げ工事が進んできていて、「被害を受けた」という景色ではなくなっている。ただ、工事が終わっても、土地だけがあって、建物はあまりないのである。工事が終わる前に、山側にある土地に引っ越してしまった人がほとんどだからだそうだ。生活を考えれば当然の流れになる。

そんな話をしていたのが夕暮れだったから、工事が終わった海岸線はとても綺麗だった。美しいリアス式海岸の景色だった。同乗していた友人がふと言った。

「(綺麗)だからこそ、怖いよね…」

本当に、募金のメディアアイコンになって、何度も現地に来て、ライブをしたり、交流をして元気を届けてくれたAKBへの感謝を改めて感じた。


この前日、NGTの暴行事件への対処をめぐっての記者会見があって、胸糞悪い状態で現地へ向かった。もはやNGT48の問題というより、AKB48グループ全体の運営主体である会社の問題になっていたからだ。

現地で人がほとんどステージに来ないなんてこともあるんじゃないかなんて心配もよそに来ていたのだけれど、逆にとても素敵なものを見せてもらった。

2011年からAKBが積み重ねてきたものが、ここにはちゃんとある。あんなクソみたいなことでなかったものにされては困る。そしてそうはならない。なっていない。

僕がAKB48を好きになった縁で見せてもらった素敵な絆を、どうかこれからも踏みにじらないような道を、楽しませてもらえたらうれしいなぁ…。と思う帰り道だった。


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