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今だからこそ、現場で感じるものがある……というのを先週書き忘れていたので思い出す備忘録

去年の後半くらいからはブログあるいはnoteに現場の備忘録を書くことにしていたのに、数ヶ月続いたイベント自粛機関のおかげですっかり忘れてしまっていました…。

というわけで、先週(7/11(土)-12(日))足を運んだ2つの現場を軽く振り返りながら感じたことを置いておきます。


2020.07.11. 真っ白なキャンバス 新体制お披露目公演『BRAND New PALETTE』@TSUTAYA O-EAST

新加入が発表されていた浜辺ゆりなさん・秦はるかさんの2人が気になっていたのもあり、一般販売がわずか残っていたところに滑り込み。

会場は渋谷のO-EAST。渋谷のOシリーズにはちょいちょい行ってるけど、そういえば行ったことがなかった気がする。一番広いライブハウスなのに自分でも意外。「人がいない」とは言わないけれど、PCR検査の陽性者数がこう毎日センセーショナルに取り上げられると大混雑とは言わない程度には空いている道玄坂を越えての円山町に着弾。

待機列でも距離を取るようにこまめに言われ、入場時の検温はしっかり、ワンドリンク引き換えのアルコールはなし。座席は左右1m程度開けられて座席に固定。前週の同会場でのイベントでは席でのスタンディングは許されていたようだけれど、この日は完全着席でコール禁止。

このコール禁止が新鮮で、余計なものが削ぎ落とされた自分の欲求を改めて感じることができた。

白キャンと言えば(言うても僕は対バンでの彼女たちしか知らなかったけど)、どこからともなく元気にコール&MIXしたいヲタクたちが出てきて熱く楽しそうに盛り上がる現場だ。いや、現場だった。

にわか白キャン勢の僕も多分に漏れず(なのだろうか)、『SHOUT』ではタイトル通り叫びたくなったけど、それはマスクの中のさらに奥の喉の手前で止めておかなければならないし、マサイしたい気持ちは少しだけ浮かせてしまったかかとの裏にこらえさせないといけない。

でもステージの上には久しぶりの客入れに気合いの入っていた彼女たちがいるわけで。僕はその喉の手前とかかとの裏では抑えられない気持ちを目一杯ケチャに込めてみた。認知もないけど、届いたんだろうか。

曲数も決して多くはなかったけれど、4ヶ月近くぶりのライブ。改めて僕が何を観たくて、何をしたくてライブに来てるかがちょっとだけわかった気がして、ワクワクしてきた。ソーシャルディスタンスを取りながらお見送りしてくれていた白キャンのメンバーもテンションが高かったので、その理由がちょっと違っていたとしてもなんだかうれしかった。

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2020.07.12. J1リーグ 第4節 横浜F・マリノス vs FC東京 @日産スタジアム

FC東京好きの僕としては、本来ならばこの翌週にある味の素スタジアムでのホームでの客入れ再開試合にまで我慢すべきだったのだと思う。それでも、同じ首都圏内ならばと一般販売でチケットを購入して足を踏み入れてしまった。一般販売開始直後に売り切れていたのでいさぎよく諦めようと思ったものの、1日経つと復活していた時点で選択肢はなくなった。しばらく週末に仕事が入ってしまっていたので、いつ試合を観に行けるかわからなくなっていたのだ。それくらい、身体は生のスタジアムに飢えている。

とはいえ、Jリーグのガイドラインに則り、アウェイチームのグッズは身に着けるわけがない。敵意なんて出してもしょうがない。そもそもマリノスのサッカーは好きだし、マリサポのみなさんとスタッフのみなさんのへ敬意をマスの下に込めて、メインスタンドビジター寄りの席で観ていた。

今でこそゴール裏にはあまりに行かなくなってしまったけれど、僕はサッカー場で歌うチャントが好きだ。今でも酔っ払うと歌いたくなる。アビスパサポでもないのに「博多の男なら~」が好きだ。だからチャントやコールのないスタジアムはさみしいものなのかと思って来たものの、そんなことがなかった。

選手たちがいかにバチバチやりあってるかがよく伝わってくる。もちろん、以前までのスタジアムだって同じようにやりあってる姿を観ていたはずなのだけれど、音がこれだけリアルにたくさん聴こえてくると、身体での感じ方が変わってくる。

ボールを蹴る「ボムッ」という音。お互いに走ってきた選手がぶつかり合う音。ゴールキーパーが後ろから出す指示の声。一番印象に残ったのは、東京の大卒ルーキー・中村帆高のスライディングの音と雄叫びのような声だった(気がする)。

もともとプレーからも遠ざかっていたのもあって、サッカーは相手より早くボールを蹴るために走るスポーツだということを身体が忘れていたみたいだ。この感覚を思い出すと、J1の選手って走るのが速いし身体も強いしキックも強いなという感想になる。小学生か、っていう(笑)。

ただ、この「小学生」な感想はとても大事だと思っていて。俯瞰的にバックスタンド上部の天空席から観るのが好きな僕が忘れてしまっていたのは、初めてボールを蹴った頃のあの身体をぶつけてボールを蹴る感覚だった。

フィールドでは声を出して人を動かす試合展開も、ウイングが幅を取りながら「取るべきポジション」を人が次々と入れ替わり攻め立てるマリノスに攻められて先制されながらも、「相手より走ってボールを蹴る」を地で行く長谷川監督の東京がファストブレイク3閃で逆転勝利。身体で感じたこととリンクする勝利だったことはとてもうれしい。

「アウェイサポーターは行ってはいけない」と理解して自粛した東京サポの方にとっては、僕の行為は許されることではないのかもしれない。それでも僕はこの試合に行ってやはりよかったと思えたし、行ったからこそ行けない次節のホームの浦和戦は入場する5,000人に託せた。

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現場? なくてもいいとか…

配信ライブにも少しずつ慣れてきたし、サッカーもDAZNで観られればいいやくらいの感覚になりかけていたけれど、行ってみてわかった。そんなことない。不要不急じゃない。必要です。

リモートワークで凝り固まった身体と脳ミソに刺激を与える"現場"が、生きる上で僕には必要です。

今の環境での現場は以前とは全然違うもので、それは人によっては「ほしかったもの」ではないかもしれない。それでも、その環境に飛び込んだからこそ、僕は「ほしいもの」の一部がちゃんとそこにあった。だから必要。

感染症対策の大義名分のもとに、そのへんの人にエンターテイメントの現場が簡単に「お気持ち」で切り捨てられてたまるか。

…という「強い気持ち」も、毎日毎日、感染者数の増加が報道される首都圏に生きていると、不安な気持ちになる。どうなるやら。

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