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27話 今、何ができるか。

前々回、そして前回よりストーリーは展開されているので、ぜひそちらをお読みいただけたらうれしいです。

納車日はあいにくの雨だった。
高速道路での運転はひやひやしたものの、なんとか無事に新居にたどり着くことができた。着いたのは夜7時過ぎ。翌日は新しい職場への初顔合わせだ。

次の日は、職場へ行くという一大イベントも待ち受けていたが、それ以外にも役場関連の手続きを終わらせておきたかった。仕事が本格的に始まると、平日は動きづらいからだ。

すべての予定を難なくこなし、ほっとして帰ってきた新居の部屋で、ひと息つく暇もなく、取り掛かったのは次に入る車の保険の契約。
昨日からディーラーが連携している任意保険に入っていた。それは、1ヶ月間という約束。1ヶ月以内に解約の手続きのハガキが送られることになっていたが、その前に焦ることのないように、次に入るダイレクト保険を契約をしておこうと思ったのだ。

ここで、問題が発覚することになる。
ダイレクト保険とはネット上で24時間申し込み可能で、ネットで車の情報や、自分の情報を打ち込んで契約を完了させていく。すんなりいけば、ものの10分程度ですべての手続きを済ませることができる手軽な保険といえる。

普通であれば何の問題もなく契約できるはずが、ある事項を入力するところで行き詰まることになる。それというのは、前契約の保険の情報を入力する箇所があり、どうやっても契約期間を入力できないのだ。わたしが加入しているのは1ヶ月間という期日つきの保険。これは特殊な例のようだった。契約期間は1年以上が通常で、2年や3年というのが一般的。

そして、わたしが加入した保険の契約申込書の記述をよくよく見直すと、契約期間が3年となっている。

混乱。
どういうこと?
ん? わけが、わからない。

ここから、ネット上であらゆるところから情報を集めたり、実際に電話窓口で聞いたりして、情報の精査し、頭の中の整理を行った。そして、導き出したことは以下となる。

ディーラーとのやりとりの中では、1ヶ月間で保険を解約すれば、すぐに次の保険に加入できるものだと思っていたが、1年未満の解約を行った場合、ダイレクト保険でネット上での加入は行えない。一部加入を行える場合も保険もあった。(わたしが調べた中で一つだけ。しかし、その一つがかなり割高になっていた)
ネット上でなくダイレクト保険の電話窓口での加入は行えるが、その場合、ネット割引が適用されない。ネット割引は2年目以降も継続される保険もあり、その方がいいのは当然だろう。しかし、ネットでの加入は契約期間の制約があるためできない。(これは、どの保険のサイトにも小さく加入条件に書かれている)

深夜。
途方に暮れていた。眠れなかった。
まず即日加入できないということを、事前に自分がちゃんと知っていれば、こんな面倒なことにはなっていなかった。一つのことをおろそかにしたせいで、わけのわからぬ問題に巻き込まれている。というか、自分で問題を作っている?自分が悪いのでは。確認不足。詰めが甘い。

「詰めが甘い」

それは、ある人に言われた言葉だった。思い出すと古傷がズキズキ痛んで、鎖につながれたように、「やっぱり自分が悪いんだ」という思考から身動きとれない状態になっていた。

助けを求めるように、「yahoo」の「知恵袋」に相談してみると、散々に言われる。(今はもう質問を消している)

ただ、散々に言われたおかげで、怒りが湧き起こって、だんだん吹っ切れてきた。

自分が悪いかもしれん。もうそれでいい。
そうだとしても仕方ないし、次どうしていくか、しかない。
君らはそれを考えたのか?
考えていないだろう。批判するばかりじゃないか!

わたしは考える。その時、その時で、自分が考えうる最善を尽くした結果なら、もう仕方ないではないか。それで失敗したり、ダメになってしまったりすることが起こるかもしれないが、また、その時最善を尽くせばいいだけの話だ。

だから、今、何ができるのか、最善の方法を考えよう。

そうして、涙や怒りで、もみくちゃになったまま、眠りについた。

ということで、物語はもう少し続きそうです。


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