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自分に厳しく 人にやさしく

小学校5年生の時の担任の先生の口癖が「自分に厳しく 人にやさしく」だった。黒板の上の目立つ場所に、その言葉が筆で書かれていたと記憶している。

わたしは、言われるまでもなく、「自分に厳しく」生きていたと思う。内省的な性格なので、起こった出来事を客観的に見直し、改善点は何なのか、減点方式で捉えていたと思う。

それは、時に、自己の成長のために、必要なものだったと思う。学生の時は、特に「勉強」は結果に表れやすかった。「自分に厳しく」行えば行うほど、成績はあがる。他者との比較で成績は決められるので、周りより、自分に厳しい方が成績は上がりやすかったと言えるだろう。

ただ、社会人になったらどうだ?

わたしは、自己評価がかなり厳しいのだと最近も思い知った。先日、ある子どもへの指導で、うまくいかないことがあり、反省していたのだが、なぜか、思いの外、周りの評価は高かったのだ。

以前のように落ち込んで、自己否定することはなくなったが、減点方式で物事を捉えることは、未だ、自分の癖の1つだと思う。
それは、対人間、対子どもと接するときには、デメリットを生むように思う。自分に厳しいまなざしを持っていると、どうしても、不足な点、不十分な部分に目を向けがちになる。相手が関わってくる仕事の場合、自分に向ける目が厳しいことによって、相手に対して求めるものも高くなったり、相手を心配、不安にさせてしまうこともある。

先日あった出来事で思ったのは、周りの人たちが向けるまなざしの優しさだ。それは、「人にやさしく」を体現していた。

自分に対して、厳しいまなざしを持つことも必要ではあるが、それは、自分自身のみで完結しておかなければならない。減点方式で見るのではなく、存在をまるごと受け入れた上で、加点方式で見つめていく視点を持ちたい。

そうでないと、本当の意味で「人にやさしく」することもできないのだと思う。

#エッセイ #考え事

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