中日 応援歌サウスポー中の"お前"騒動 経緯と本質をメタ視点から解説

経緯

7月1日、中日の公式応援団がHP上で、

"当団体で使用している応援歌「サウスポー」について、チームより不適切なフレーズがあるというご指摘を受けました。この件について球団と協議した結果、当面の間「サウスポー」の使用は自粛させて頂くこととなりました。皆様には何卒ご理解、ご協力の程宜しくお願い致します。"

というアナウンスをした。後日、ことの発端とされる与田監督は

"球団にお前ではなくて選手の名前にしてくれないかとお願いしたことが発端。自粛してくれとも言っていないし、リスペクトもしている、否定している意図はない"

という趣旨の説明をした。しかし中日や野球ファンのみならず世論から「大袈裟だ」「過剰に反応しすぎ」「そんなことより試合に集中しろ」といった論調が巻き起こり、各局の番組で大々的に報じられるほどの騒動となった。


上記の経緯を前提にメタ視点から本質を語っていく。

「"お前"より"名前"で呼んだ方が良いか悪いか」

本質はこれだ。しかし応援団が自粛したことにより"お前"という言葉が否定されたと受け取ってしまい現状の論調が成り立ってしまっている。ワイドショーなどで街頭インタビューをする際も「"お前"はアリナシ」という聞き方をしていたが、与田監督の意図を客観的に解釈すればそのような聞き方は適切ではない"名前とお前"どちらがベター、より良いか聞くべきだ(それにもかかわらず"応援歌"、"お前"、"自粛"という少ない情報のみピックアップし、曲解して放送するワイドショーとそれを受けて一喜一憂してしまう短絡的な層の存在はいつになったら...)。

Twitter上で発せられる個人の意見は現実とは偏りがある場合が多く、本来は相手にするだけ時間の無駄なのだが、あえていくつかこの騒動を報じる記事にあった反応を拾ってみる。メタ視点で冷静にとらえたとき、それらをどう感じるか。

・いちゃもんつけた挙句に自粛しろとは言ってないとかファンを舐めすぎですよ 応援歌を気にしてる暇があれば 自身の采配と選手について考えるべき

https://twitter.com/SKY_BLUEthe_SEA/status/1146069198310801409

・おまえが打たなきゃ誰が打つ!これって選手を信頼してるからこその言葉ですよね。おまえって言葉に愛情がこもってます。

https://twitter.com/hapihapiandy/status/1146261048145666048

・昔からの伝統の歌詞をねじ曲げる必要があるのかねぇ
こんなの、辞めろって言ってなくてもメディアの力を使って辞めさせてるようにしか…

https://twitter.com/takafumi1216k/status/1145957025278382080

現状に対して妥協するような考え方は、アップデートができず古い状態が継続することを意味する。「"お前"でもいいでしょ。気にしすぎ」という風に思って終わりではなくて「なぜ"選手名"ではなくて"お前"と呼び続けるのか」を言葉にすべきだ。


社会は常に変化し続ける。そんななか無意識のうちに存在している現状に対して"なぜそうなのか"、"なぜそうあるべきなのか"説得力を持って説明できるようにならなければ、世の中に存在する悪しき風潮が時代を超えて蔓延してしまう。メタ思考で、自分が普段見る視点から、さらに引いた視点で物事を考える力とそれに基づいた言動ができるようになることが今後さらに大切になってくるだろう。