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「地球は今日も愛を育む」の片翼

コンサートで観て改めて「地球は今日も愛を育む」は和田彩花と竹内朱莉の両翼曲だなって思いました。

「地球は今日も愛を育む」はスマイレージのラストシングル

現アンジュルムがスマイレージだった頃に出したラストシングル。作詞作曲、プロデュースつんくさんのラストシングルでもあります。

当時のつんくさんのライナーノーツがこちら。

『地球は今日も愛を育む』
この曲はまさに今のスマイレージそのものだと思います。
年齢感や存在感含めて、身の丈ジャストといった所でしょうかね。
唄っても踊っても塊になってぶつかって来る、そんな印象でした。
サビの「二人は引力」の「ふ」がファルセットから始まる所に美学があり、全体的にとても勇ましさがあるのに、気品ある女性感みたいなものが突き抜けて見えてくるような、そんなイメージで仕上げていきました。
少し跳ねているリズム感がこの曲の特徴です。
重心低めに音色をまとめてあるのでバックトラックそのものはとても力強く、電子ブラスの音色も印象的で歌詞のメッセージ色が強く出るようになりました。
編曲者のアレンジとメロディと歌詞がもつれ合い、力の限りで歌うメンバーのエネルギーが重なってかっこ良く仕上がったと自負しております。
それにダンスのフォーメーションもいつになくクールで、サビでまっすぐから斜めに広がっていく所があるんですが、ここの微妙な動きもとてもかっこよく仕上がったと思っています。
MVの仕上がりも「今」の彼女達がつまっています。
表情一つ一つを楽しんでいただきたいと思います。

当時の6人の魅力を精一杯引き出した曲。神秘なんですよ。どこか違う惑星から地球を想って歌う地球人。地球のこと歌っているのに地球ではないどこか、遠くにいるような感覚を抱かせる不思議なサウンドと歌詞。これは当時じゃない今あらためて聴いているからそう感じるのかもしれないです。別に宇宙全開のサウンドじゃないのに、宇宙空間にいるような感覚を抱かせる。こんなに地球のことを歌いながらコスモを感じる曲なかなかない。

和田彩花と竹内朱莉のメインボーカルがついに欠ける

2019年6月18日に和田彩花さんがアンジュルムを卒業する。
ここ最近、地球は今日も愛を育むを披露する場が増えてきていると思う。

・2017年11月11日 アンジュルム コンサート Autumn「Black&White~special~風林火山」
・2018年秋 アンジュルム2018秋コンサートツアー「電光石火」
・2019年春 アンジュルム2019春コンサートツアー「輪廻転生」
※2015年の大器晩成武道館からこの曲は2年半ほど干されていた。

この曲は6人の集大成だったんですけど、明らかにメインボーカルをつとめているのは和田彩花と竹内朱莉のふたりなんです。電光石火ツアーなんてステージが上下であったんですけど、メインのふたりと他のメンバーに分かれるんですよ。スマイレージ・アンジュルム通してそんなことするような曲ってなかなかないので、異質な曲だと思います。和田彩花と竹内朱莉のふたりがこの世界から乖離しているような感覚すら抱かせましたよ。

ふたりの声が儀式そのものだと思う。どっちも高音タイプなんですけど和田さんは尖った高音(突き通る、鋭い)で竹内さんは柔らかい高音(穏やか、角がない)。剛と柔。それぞれ交互に歌詞を交わすところなんていうのは切なさと強さが調和してひとりの女の子を形成しているよう。神秘を感じる。神秘すぎて暖かいというよりは冷たさも感じる。宇宙の気温ってどれくらいか知らないんですけど、ぜったい暖かくはないよね。

視点としてはこの曲は女の子なんですけど、リアリティありつつも天上人っぽい。「たとえ過去にどんな傷があっても 出会うためにこの世にいるんだと確信した夜」「たとえ過去にどんな罪があっても 出会うために全てがあるんだと確信した夜」この歌詞、ぜったいに人生やり直してきてますわ。人間3回目くらいかな。でないと「地球は今日も愛を育む」なんてフレーズ出てこないよ。

この曲のオリジナルメンバーはすでに2人(福田・田村)がいないのですが、今回のコンサートツアー「輪廻転生」(まさしくこの曲にぴったりかもと私は思った)では先輩メンバー6人(和田・中西・竹内・勝田・室田・佐々木)で歌っており、当時を彷彿とさせる。

和田彩花と竹内朱莉の両名が居て当たり前だったこの曲の片翼がついに失われるんだって、「輪廻転生」に行ってやっと感じた。おっ、遅~~~~ッって感じですよね。本当。ていうか和田さんが卒業してしまうのを未だに話半分みたいなところありますから。こんなに実感がないのはちょっとやばいですね。あやちょまだまだいるじゃんってめっちゃ思ってるけどもう1ヶ月切ってるからね。

和田さんが卒業しても「地球は今日も愛を育む」を歌う機会はあるだろう。アンジュルムは卒業加入を繰り返すグループなので。誰かが和田さんのパートをやる。何が起きても地球はいつも通り回っているのと同じで、アンジュルムもうまく回っていく。

だけどこの「輪廻転生」が終わるまでは「地球が愛を育む」の両翼をできる限り堪能していたいです。

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