見出し画像

「守備の人」柴田竜拓に訪れた変化の時

1998年以来、21年ぶりのリーグ優勝が射程圏内にある横浜DeNAベイスターズ。優勝争い真っ只中でレギュラー陣の宮﨑敏郎や伊藤光といった面々を相次いで故障で欠き、打線は苦戦を強いられているが、8月は意外な選手の活躍が光った。

プロ4年目の内野手、柴田竜拓である。

「守備の人」としてこれまでチームを何度も救ってきたが、8月の成績は打率/出塁率/長打率がそれぞれ.395/.439/.553と一流打者顔負けの数字を残し、打撃でも存在感を発揮。同ポジションにHRと打点でリーグトップクラスの成績を誇るネフタリ・ソトや、同月にセンセーショナルなデビューを飾った伊藤裕季也といった顔ぶれが並ぶ中で、打撃面で彼らと比べても遜色ない活躍を見せたと言える。

ベイスターズは毎週月曜日に「FOR REAL -in progress-」というタイトルで、数選手にフォーカスを当てた記事を球団のウェブサイト上に掲載している。8月19日の記事の中で、柴田はこう語っている。

「去年から、いろいろ悩みながらやってきて、最近になって決断できたことがあります。たまたまかもしれないけど、その決断をした試合から、迷いなく打席に立てている。いろんなことを追い求めるのではなく、割り切って、その打席に集中できています」
-「FOR REAL -in progress- ――柴田竜拓と中井大介、新たな旅立ち」

柴田がどのような「決断」を下したのかは明らかにされていないが、少なくともこの「決断」によって柴田の打撃が8月に入って良い方向に転じたのは間違いないだろう。8月の柴田が見せた変化を考えていきたい。

打撃フォームの変化

2019年の柴田はなかなか打撃フォームが安定しない状況が続いてきた。スクエアスタンスで開幕したかと思えば、5月末ごろからはオープンスタンスになったりと課題の打撃を克服しようと試行錯誤していることは明らかだった。

ここから先は

1,899字 / 4画像

¥ 100

たくさんのサポートを頂き、ありがとうございます。とても励みになっています。 サポートでシアトル・マリナーズを救うことはできませんが、記事を書くモチベーションは救うことができますので、少しでも記事を面白いと思って頂いた際にはぜひお願いします。