日本の産業について

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ぺティ・クラークの法則を皆様知っているだろうか。この法則の名前は二人の経済学者の名前が入っている。一人は「Boys Be Ambitious」という言葉で有名なウィリアム・スミス・クラークである。
 ぺティ・クラークの法則によると国の経済発展に伴い、就業者が第1次産業から第2次産業、第3次産業へと移る「産業の高度化」が進むとされている。

 日本でもこの法則は証明されている。1985年第1次産業従事者が509万人、第2次産業従事者は1992万人いた。しかし、2015年228万人、1538万人と両者とも減少している。第3次産業従事者は増え続けていることを考えると、産業の高度化へとシフト転換している。第1次産業は資本集約的に先進国が行いにくいとされることは理解できる。

 ただ、第2次産業が発展しないことはよいことだろうか。メイドインジャパンは世界的に信頼され、付加価値として考えられている。しかし近年、製造企業による改ざんや不正が発覚することが散見されるようになった。三菱自動車では燃費試験で不正が行われていたことが発覚した。一昔前では考えにくい不正だった。

 生産や品質管理、営業の現場に無理を強い、社員を追い込むような効率・コスト削減・利益第一主義が招いてしまった。信頼を裏切る経営があらわになってしまったのが現実である。更に、第2次産業の問題の根は深い。鉄鋼業界では熟練工の退職によって現場力の低下が原因の不祥事が多発しているという。世代交代もままなっていないのである。

 一方で、ほかの競争各国はどうか。特に、成長著しい東南アジアは品質管理が徹底されている。結果、TQM(総合的品質管理)に関する世界最高ランクの賞、デミング賞も十数年前まで日本企業や欧米企業ばかりであったが、近年は東南アジアがほとんどを占めている。
 メイドインジャパンの高付加価値をキープするためには、彼らから学ぶことで原点回帰しなければいけない。

寄稿者 ユタカ



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