近代社会から現在の球界まで通して、「プロ」と「独立リーグ」について考える

先日、伴氏の「独立リーガーは「プロ」か?プロフェッショナルとは?」という記事を読んだ。大学の授業でもスポーツの専業者とは?プロとは?と言ったことなどを触れてきた。ここで自分の言葉で考えをまとめる。

辞書的な「プロフェッショナル」の意味

まずは辞書に載っている意味から見ていこう。三省堂スーパー大辞林3.0によると、「それを職業として行うさま。専門的。また、その人。専門家」と記されている。この場合かなり広義になる。また、他の辞書でも同様の記載がされていた。公には「専門的な分野を職業とすること」だろう。だが、世の中には、野球の専業者であるがプロ野球選手と呼ばれない人々がいる。会社で仕事をやらない・アルバイトもしない社会人野球(以下JABA)の選手も確かにそのくくりには入るが、独立リーグの選手は給料をもらって野球を職業としているにも関わらず、アマチュアと一緒くたにされてしまう現実がある。(ただしカンドクのような例外もあり。のちほど触れます。)

プロスポーツの起源

スポーツの歴史を軽く整理すると、近代にて産業革命がイギリスで発生し、それによりスポーツ用品の製造・加工そのものの技術向上や人々の余暇時間が増えたことにより、庶民もスポーツを触れる機会が増え、当時社会問題となっていたストリートチルドレンを集め、教育するパブリックスクールにおいてもスポーツは扱われた。そこからスポーツがどんどん発展していき、プレーの質が上がっていった結果、自然発生的に給料をもらってプレーをする選手が生まれた。

これがまた素晴らしい発展を遂げ、イギリスを始めとした欧州のみならず、アメリカでもプロスポーツが発展していった。

つまり、プロスポーツ選手は生まれるべくして生まれ存在なのである。

セミプロとプロ野球独立リーグについて

セミプロとは、職業としてスポーツをしてはいるが、もう1つ仕事をもっている状態である。
現在だと、欧州野球の選手も当てはまるほか、バイトをしながら野球をして給料をもらっている独立リーガー達もセミプロ野球選手と呼べる。かれらはアマチュアでもプロでもない。

だが、独立リーガーの中でもNPB球団を戦略外になった選手であったり、実家が裕福で...など、元々の資金力が豊富で他に仕事をしていない選手が少数だが存在している。つまり、プロ野球独立リーグとはアマチュアではない、プロとセミプロの混合野球リーグと言える。

関西独立リーグの扱いは?

このnoteの結論に行く前に関西独立リーグについて触れる。独立リーグをよく知らない人からすれば、関西独立リーグ(以下カンドク)もBCLも四国ILもすべて同じものに見えてしまうだろう。カンドクと他の独立リーグとの違いは給料が出るか出ないかである。カンドクはその後者である。

よって、カンドクは学生野球でもJABAでもプロ野球でもないという見方ができるし、実際そのような主張をしている人はいる。

また、リーグの理念として、
「NPBで闘える選手を育てる」
「自分で考え行動する野球人を社会へ輩出する」
「地域と共生し、地域と世界をつなげる」
といったものを挙げている。

これらの情報を総合的にまとめると、カンドクは「地域密着型野球教育独立リーグ」というジャンルでの呼称ができる。もちろんこれは私の造語である。

プロ野球独立リーグの行く末

話をプロ野球独立リーグに戻す。先程私は「プレーの質が上がっていった結果、自然発生的に給料をもらってプレーをする選手が生まれた。」と書いたが、実際に独立リーグのプレーの質自体が高いかと聞かれれば、ファンである私の目からみても疑問である。

逆に言えばスポーツに限らず音楽や芸術の世界でも、人は専門的に質が高められたものに対してお金を払う。だが、今の独立リーガー達はどうか。確かにカラバイヨや長岡など、レベルの高い選手達がゴロゴロ居る一方、残念ながらNPBでもあまりなさそうな判断ミスや極端なワンサイドゲームもしばしば見られる。
まずは、プロ野球を名乗る以上実力をもっと上げる必要がある。

また、同じプロ野球だからと所属する全選手の完全移籍を認めることについては反対の立場だ。独立リーグをOKとしたら、JABAからかなり文句が来る。そこでJABAも認めるなどして、対象をどんどん話を拡げてしまい、球界の名物NPBドラフト本来の醍醐味を失ってしまったりする可能性もある。

また、選手獲得を巡り、NPBドラフトの逆指名の実質的な復活(入団拒否→独立リーグ入り→希望球団への入団)や裏金などの問題・事件が起こる温床になってしまう。

そもそも、NPB未経験者がNPBの上位互換であるアメリカ球界から帰ってくる時でさえドラフトを待たなければいけないのだから、現実的にも有り得ない話である。

最後に

恐らく、自由移籍について反対の立場の人物は珍しいと自分でも思っています。賛成・反対の方はそれぞれ意見をコメントに書いていって下さい!お願いします!

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