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まめすけ杯決勝カバレージ

らららっく選手(火自然アポロヌス)vsミカヅキ選手(水闇自然ジャオウガ)

この日の気温は最早冬と遜色ない冷え込みだが、それを意に介さない熱いゲームが繰り広げられていた。
そう、現在山口県で唯一のCS、まめすけ杯だ。
そしてこのカバレージは決勝戦のこの日最も熱い試合だ。
決勝へとやって来たプレイヤーはミカヅキ選手とらららっく選手。
ミカヅキ選手は先日行われた超flatCSアドバンスでも3位の戦績を持つ、山口県でも屈指の強豪プレイヤーだ。
対するらららっく選手はあのサガ全盛期に最もデュエマをプレイしていて、史上初のプロプレイヤーを排出した岡山県のプレイヤーだ。
話を伺ったところ、サガ期終了と併せて仕事等の都合も重なり半引退状態だったのだが、デュエキングパックにかつての相棒アポロヌスの再録を知り久しぶりにデッキを作り直しこの場へと勝ち上がってきたのだそう。
山口県に居るのはたまたま仕事の都合で来ていて、組み直して真新しい相棒と共に戦いたくなり前日にエントリーをしたのだとか。
ありがたい限りです。
CSも数ヶ月ぶりという事もありやや緊張気味だ。

それではゲーム開始だ。
まめすけ杯決勝は制限時間無制限の2本先取制。

1stゲームは予選での順位が高かったミカヅキ選手が先攻だ。
マッチアップ通りで考えるならばこの先攻はかなり有利に考えられるだろう。
先攻を取った火自然アポロヌスの脅威は、かつて史上最強と謳われた水闇サガループに勝るとも劣らない最強の一角だったデッキと言えば伝わるだろうか。

そして静かにゲームの火蓋は切られたのだった。
先攻のミカヅキ選手はデドダムをチャージしターン終了。

続く らららっく選手のターン。
現れたのはヘルコプ太の心絵。
火自然アポロヌスにとってこれ以上の好スタートはないだろう。
そして彼が手札に加えたのはカチコミ入道〈バトライ.鬼〉。

返るミカヅキ選手のターン。
エスメルを召喚しシールドを1枚マナへ。

らららっく選手は特に迷う様子もなくマナを追加し進化設計図を唱えた。
手札に新たに加わったのはカチコミ入道が2枚とレッドゾーンが1枚。
これで残るは超神羅星アポロヌス・ドラゲリオンのみ。
ゲームの終わりが静かに、だが確実に訪れている…。

だがミカヅキ選手は怯むでもなくボンキゴマイムを召喚。
これでらららっく選手の手札に全てが揃っていたとしても確実に1ターンは待たせる事が出来る。

怯む様子もなくカードをプレイしたのはらららっく選手も同様。
マナを追加しコプタをカチコミ入道へと進化させ
ボンキゴマイムを処理。

ミカヅキ選手は戻ってきたターン、バトルゾーンを固めるべくキユリのASMラジオを唱えた。
チョイスするカードは慎重に選びたい所、長考の末同期の妖精1体を出した。
そう、このタイミングで大きく下ブレてしまったのだ。
これでミカヅキ選手のバトルゾーンはエスメルと同期の妖精のみ。
非常に苦しい盤面だが、実はかなり狡猾な盤面でもある。

そして らららっく選手にターンが戻る。
手札を整えるべくさらに進化設計図を唱え新たに手札に加わったのはレッドゾーンF、カチコミ入道、オンソク童子。
さらに追い討ちをかけるようにヘルコプ太の心絵をプレイし遂に超神羅星アポロヌスドラゲリオンが顕現する。
そして決着をつけるべくカチコミ入道が相手へとカチコミをかける。
カチコミに併せ現れたのは“最凶の侵略者”ブラックゾーンと神羅へと至った“フェニックス”超神羅星アポロヌスドラゲリオン。
ここでもしブラックゾーンでは無くレッドゾーンだったなら同期の妖精のメガラストバーストに引っかかっていただろう。

全てを焼き尽くすメテオバーンにミカヅキ選手のシールドは1枚残らず消し飛んだ。
しかし行く手を阻む者が現れた。


S・トリガー「お茶はいかがですか?」

メテオバーンのワールドブレイクからシールドが追加され首の皮一枚繋がったミカヅキ選手はターンの終わりに流星のガイアッシュカイザーを宣言。
ブラックゾーンに封印された同期の妖精の封印を取った。

そのまま返ってきたターン、ミカヅキ選手は天災デドダムをプレイし母なる聖域へと繋げるとマナからCRYMAXジャオウガを出し逆転したのだった。

1stゲーム WINNER ミカヅキ

そして続く2ndゲーム
今度の先攻は先のゲームに敗北した らららっく選手だ。

そしてこのゲームはあまりにも一瞬の出来事だった。
先攻を取った火自然アポロヌスの最速3kill。
先程のゲームとは打って変わって瞬く間に決着がついたのだった。
そして恐るべき事にらららっく選手はサーチカードを1枚もプレイせずに全てを揃えていたのだ。

勝利は残酷な、時の運

2ndゲーム WINNER らららっく

そして運命の3rdゲームへと進む

お互いに後のない状態。
このゲームに勝利したプレイヤーが優勝者だ。
そして3rdゲーム先攻はミカヅキ選手。

だが先にカードをプレイ出来たのは らららっく選手だ。
1stゲーム同様のヘルコプ太の心絵スタートでレッドゾーンFを回収。

ミカヅキ選手は幻緑の双月をプレイしマナを伸ばす。

そして返るターンで らららっく選手は進化設計図を唱えた。
だがここの進化設計図は下ブレを引いてしまう。
回収はターボ鬼の1枚のみ。

これにはやや安堵したミカヅキ選手。
ボンキゴマイムを召喚してターンを返す。

しかし1stゲーム同様、らららっく選手はカチコミ入道をプレイしボンキゴマイムを処理。
ほぼ1stゲームと同様の流れにお互いに嫌な流れを感じている様相。

ミカヅキ選手はジルコンを召喚しターンエンド。

そして らららっく選手はここで大きく流れを変えようと1つのプランを諦めたのだ。
ストリエ雷鬼の巻をプレイし手札を入れ替えその上にオンソク童子を進化。
手札からアポロヌスを捨てると矢継ぎ早にポレコを召喚。
横に面を広げる事でアポロ抜きのいわゆるバイクプランへと切り替えた。

そしてミカヅキ選手はこのプランに対するベストアンサーを温存していた。
キャディビートルを召喚し更に飛翔龍5000VTでカチコミ入道以外を手札へ戻し蓋をしたのだ。
苦悶の表情になる らららっく選手。

さらに次のターンに決着をつける為、幻緑の双月でシールドをブレイク。

S・トリガー進化設計図

なんとこの1点が大きく裏目に出てしまったのだ。

オンソク童子2枚とカチコミ入道、レッドゾーンが手札へと加わった。
幸いな事はミカヅキ選手目線ではまだアポロヌスが見えていない事だ。
祈りながらターンを返すミカヅキ選手。

そして勝つにしろ負けるにしろ恐らく最後になるであろう らららっくのターン。

進化設計図をプレイしカチコミ入道・レッドゾーン・ブラックゾーン・アポロヌスドラゲリオンを回収。
新たにカチコミ入道をプレイし、キャディビートルを破壊。

阻むものは無い。
カチコミ入道のアタック宣言。
同時に手札から侵略してきたのはブラックゾーン・レッドゾーン・アポロヌスドラゲリオン・レッドゾーンF……

S・トリガー「お茶はいかがですか?」が連鎖しなければミカヅキ選手の負けだ。
1枚ずつ確認していくミカヅキ選手…


「何もありません」
そう言うと彼はレッドゾーンFのダイレクトアタックを潔く受けた。

その名に“luck”を持つ らららっく選手に勝利の女神は微笑んだのだった。


3rdゲーム WINNER らららっく

最後に
両者にデッキ選択について聞いてみた。
両者共に今この瞬間のメタゲームの最適解である認識、そして
「普段から使い慣れている、最も練度の高い自信のあるデッキだから」
だと答えた。
日々の愚直なまでの努力による研鑽。
そしてしっかりとその日その日のメタゲームを読む力に長けたプレイヤーが頂上での対戦となったのは納得の結果だったと言えよう。

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