本紹介「LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略」

【タイトル】
LIFE SHIFT2 100年時代の行動戦略

【著者】
リンダ・グラットン(心理学者)
アンドリュー・スコット(経済学者)

(池村千秋訳)

【紹介】
1巻では100年時代という長寿化に伴い、「教育→仕事→引退」という3ステージの人生ではなく、①エクスプローラー(探検者)、②インディペンデント・プロデューサー、③ポートフォリオ・ワーカーという新たな生き方が加わってくるという内容でした!
2巻では具体的にどういった行動をしていくか、
私たち、企業、教育機関、政府という視点からそれぞれのあり方、課題について書かれています(^^)

【おすすめしたい人】
・100年時代の人生戦略を学びたい人
・何をすれば良いかよくわからない人
・1巻を読んだ人


【目次】
1章:私たちの進歩
2章:私たちの開花
3章:物語
4章:探索
5章:関係
6章:企業の課題
7章:教育機関の課題
8章:政府の課題

【要点ピックアップ】

◆テクノロジーの進化と制度の変化◆

◎テクノロジーの進化
「ムーアの法則」1965年
コンピュータの処理能力が18ヵ月間に2倍のペースで上昇していく
「ギルダーの法則」2000年
データのやり取りをするための周波数帯域幅は半年で2倍に拡大する
「メトカーフの法則」1993年
ネットワークの価値は接続しているユーザー数の2乗に比例する
「ヴァリアンの法則」
活用できる既存のテクノロジーが多彩であればあるほど、それらを組み合わせて有益なものを生み出せる可能性が高まる

(事例)
自動運転車
→既存の技術であるGPS、Wi-Fi、センサー、車間距離制御装置などを混ぜ合わせしたもの

以上の4つの法則が組み合わさって、新しい製品や産業、価値観がどんどん出現し始めている。

◎長寿化の進展
世界の平均年齢 1950年:24歳
      ➡︎2017年:30歳
年金制度も変化しているP47
(事例)イギリス
1908年 受給開始年齢は70歳
→当時多くの人は70歳まで生きられなかったからこそ資金が賄えたが、今の状況は大きく異なってきた。
多くの国で、年金受給年齢の引き上げ、年金支給額の減少、税負担の増加など長寿化を前提としたものに変わりつつある。

一人一人の人生のあり方、企業、教育機関、政府の社会規範と慣習と制度をつくり変えることが不可欠になる。
満足いく生活水準の確保と人間としての可能性の開花を可能とする社会的発明を実現させる必要がある。
本書では"物語" "探索" "関係"の3つの要素に着目して、人生のあり方を設計し直す大切さを述べている。

(学び)
テクノロジーの進歩というと0から生み出す印象が個人的には強かったです!しかし、今の時代は組み合わせることで自動運転のように生活を豊かにするものをつくることができると学びました(^^)
一方でこれまで保たれてきた年金制度などが限界を迎えつつあり、国に頼るだけでなく、自ら100年時代へあらゆる視点で事前準備をしていく必要性を再度自覚できました!


◆物語 自分の人生のストーリーを歩む◆
自分の人生のストーリーを紡ぎ、そのストーリーの道筋を歩むこと。
3ステージ(教育→仕事→引退)の人生が当たり前の時代からマルチステージの人生を送る時代に変わる。

(ありうる自己像)
①年齢 老い方は人それぞれ
②時間 人生の時間も長くなる
③仕事 新しい働き方
・非定型的な業務→自動化しにくい
・共感、人との関わり、判断、創造性などの要素が大きい業務→付加価値が高い業務になる
・人間が最終判断をくだす業務→自動化しにくい
・費用対効果が低い業務→自動化できない

(「ありうる自己像」を描き出すための自分への問いかけ)
・キャリアは突然終止符を打たれるのか?
・思考は狭まりすぎていないか?
・年齢に関して誤った思い込みを抱いていないか?
・制度の変化を考慮に入れているか?
・時間を再配分できるか?
・何を重んじて時間配分を決めたいのか?

(学び)
「65歳だから退職して年金暮らし」だというこれまでの当たり前はなくなる可能性が高く、時間もただ日々消費するだけではいけないと知りました🤔
仕事先も変化が激しい現代では会社におんぶに抱っこでは成立しなくなっているなど、これまでの世間の言う常識を改めるべき時期に突入していることを学びました!
時代の変化やリスクを想定して自分の人生設計をしていく大切さを自覚できました(^^)


◆探索 学習と変身を実践する◆
人生で避けて通れない移行のプロセスをどう歩んでいくのかを考えておく必要がある。
極めて多様な進路と選択肢が広がっている中で、それぞれの進路を選んだ場合にどれくらいの喜びを感じられるかを知っておくことに価値がある。

(何歳でも学びをやめない)
情報処理、記憶保持、演繹的推論を行う「流動性知能」
→25歳でピークを迎え、65歳頃に低下していく

年齢を重ねるともに蓄積されていく情報や知識、知恵などの「結晶性知能」
→20歳以降も上昇し、高齢になっても安定する

(移行を成功させるための自分への問いかけ)
・十分に探索をおこなっているか?
・人生計画を修正するのに役立つ人的ネットワークを築けているか?
・十分に学習できるか?
・足場を築けるか?
・学習に適した場をつくっているか?
・どこに住むか?

(学び)
まずは自己分析をしっかり行い、社会人だからもう勉強しないのではなく、日々学び、今直面している移行プロセスに適応していく力をつける必要性を知りました!
情報や知識は何歳になっても蓄積されるものなので、今までもこれからも死ぬ時まで学び続けようと思います💪
最高齢プログラマーの若宮正子さんのように86歳でも新しいことを学ぶという姿勢を貫きます!

◆関係 深い絆を育む◆
深い絆を育み、有意義な人間関係を構築し、維持する。

・優しく支えてくれる家族は世界の激変に対する緩衝材の役割を果たす
・人々が世代を超えて資源を共有し、互いに助け合い、大切にしあえる関係づくり
・日々の生活の環境をつくり出すコミュニティを大切にする

(人間関係に関する計画への問いかけ)
・十分な時間を確保できているか?
・身近な人たちとどのような未来を望むかを明確に話し合ったか?
・適応力をもてるか?
・コミュニティとの関わりに時間を費やす用意はできているか?
・様々な年齢層と接する用意はできているか?

(学び)
家族、友人や大切にしていきたいコミュニティなどこの先ずっと深く関わっていける人間関係づくり、そしてそれを継続していく大切さを知りました!


◆企業の課題◆
企業の慣行、規範、文化は、人々が光り輝けるかどうかを大きく左右する。
・入社年齢の多様化→新卒者以外のキャリアのあらゆる段階の人たちを採用する
・空白期間の賞賛
→フルタイム、リフレッシュ、スキル磨き、休息時期など
・健全な家庭生活の支援(男性の子育て支援、介護者支援
(事例)
スウェーデン:40年前に父母を区別しない育児休業手当制度導入
・柔軟な働き方を重んじる文化をつくる
・生涯学習の支援
→企業研修のNetflix化など

働き手が減っていく中で、企業は今新しい潮流に適応することが極めて重要な意味を持つ。

(学び)
日本は比較的遅れているイメージですが、自分のライフスタイルに合った働きやすい環境をつくる大切さに気づきました😊

◆教育機関の課題◆
・成人教育の急速な拡大
テクノロジーの進化による打撃を受けやすい人たちに教育の機会を提供することが重要。
(事例)
シンガポール:2016年1月以降、25歳超の国民に対してスキル向上と再訓練を奨励している「スキルズ・フューチャー」

(学び)
大人でも学ぶことができる環境
個人的にはどんな立場の人でも一定期間様々な仕事や経験をサポートしていける教育体制が整えられたら良いなと考えています!

◆政府の課題◆
政府は3ステージの人生と70年間の人生を前提にした制度が多く、脱却できていない。100年ライフの時代に即した政策の実行の必要がある。

①人々が将来必要となるスキルを身につける道筋を提供する
・リスクから人々を守る
・フレキシキュリティ(柔軟と安全)
デンマークの労働市場政策(手厚い失業手当、再就職支援)
②人々が健康に年を重ねる支援
→タバコ、アルコール消費を減らす取り組みの税金。砂糖も標的にされてきている。
③長寿経済を築くこと

(学び)
政府の柔軟な対応が100年時代の人生には欠かせないものだと学びました!


政府や企業や教育機関が指針を示すことを期待するのでなく、常に社会を見渡して、一人一人が強い好奇心を持ち、社会的開拓者になろうという勇気を持って行動しよう⭐️

◎5つの行動指針

①先手を打つ
いますぐ行動する
②将来を見据える
未来を重んじた選択をする
③「ありうる自己像」を意識する
選択肢をじっくり検討し、広げる
④可変性と再帰性を意識する
現在の自分の行動が将来の自分に返ってくる
⑤移行を受け入れる
人生の移行の機会が増えるということを自覚する

yoshi


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