見出し画像

民藝旅 vol.2 沖縄 \市場とおやつ/

5月9日 木曜日。

いざ、茨城空港へ。
#民藝旅 沖縄編がはじまる。

5年ぶりの沖縄。
あのとき、2歳だった親友の赤ちゃんも、いまや立派な小学生。
先輩に至ってはチビラ(ゴジラの発音で)が2人いる。

高校の教員になった友人、いつのまにか結婚していた友人。
この5年で、友人たちの生活は大きく変わったらしい。

ちょっと、ドギマギしながら那覇空港のゲートを抜けた。



とっても暑い。
加湿器から蒸気を吸い込んでいるのかと思うくらい、湿気が強い。

頭上のもじゃもじゃが、大人しくまとまる未来はゼロであることを悟り、ため息。
どうせなら友人にええカッコして、オシャレに決めたかった…
けれど、これが天然パーマの運命。服を2枚ぬぎ捨てて、ゲストハウスへ向かった。




市場とおやつと魯肉飯

ゲストハウスに荷物をおいて、さっそく市場(まちぐゎー)へ。
狭くて、ごちゃごちゃしてて、仄暗くて、蒸し暑くて。
南国特有のゆるい感じが大好きなのだ。


沖縄のおやつは、揚げ物が多い。
てんぷら、サーターアンダギー、かまぼこ。

うちなーんちゅの友人が「ケンタッキーはおやつ」と言ったときには耳を疑った。

サーターアンダギーかまぼこ許田の道の駅がおいしい。

そして、てんぷらは奥武島の中本鮮魚てんぷら店がおいしい。
大城てんぷら店派のみなさま、ブラウザバックしないでー!)

そして、伝統的なおやつもおいしい。もう、なんでもおいしい。
月桃の葉で餅を蒸した「ムーチー」はホッとする沖縄の味。



そして、黒糖は多良間島のものがおいしいと思う。


おやつにポーポーをパクリ。
先日話題になった「ユッカヌヒーのポーポー」。これはアンダスー(油味噌)なしの、黒糖クレープ版。むちむち。




学生時代の思い出をたどりながら、市場をぐるぐる探検。なんだかお腹がすいてきた。ちょうど台湾料理のお店が見えたので入ってみる。

店外の台に「魯肉飯 500円」と書いてあったので、それを注文する。
席について店内をぐるりと見やると「魯肉飯定食 600円」の文字が…

あわてて財布を開くと550円しか入っていない。気道がヒュッと狭くなる。
ちくしょうめ、てんぷら2つも食べたの誰だ。

「お父さんごめん!50円足らないから、また来る!」

そういって席を立とうとしたら、隣の席のおじさんがこちらをみた。

「お母さん、もう作り始めてるかも。私が50円だしてあげるよ。」

見ず知らずのもじゃもじゃ頭に、なんてやさしいのだろう。
お母さんをお父さんと見間違えたり、手持ちの現金がなかったり。

自分の不甲斐なさに凹んでいると、魯肉飯がやってきた。

「魯肉飯!定食終わり、単品しかないよ!500円!」

お母さんは少しぶっきらぼうに丼をカウンターに置いた。顔は見えないけれど、魯肉飯はホカホカだった。

「ごちそうさまでした、とても美味しかった。」お母さんに500円玉を渡すと、とびきりの笑顔をくれた。あぁ、これが沖縄。帰ってきたんだな。




沖縄の “民芸”


文化の発信地「桜坂劇場」では、北窯の特集。
階段を上った先には、夢見心地の光景。

ジュワジュワ、ざわざわ。

温かい手で作られたうつわが呼吸して、空間が歪んでいるように見える。
気になる窯元の名前をメモして、数日後に訪れる北窯の景色を想像してニヤニヤした。




桜坂劇場を出て歩いていると、気になるお店が目に入った。
自称 “テレビ欄の民藝ハンター” の目が光る。

骨董品屋さんの看板に「アンティーク」とならんで「古民藝」の文字。

古い民藝ってあったっけ?柳宗悦コレクションは江戸中期〜明治中期が多いから、それよりもっと古い時代の物ってことかな?

国際通りや、市場のまわりのお店には「民芸品」と書かれたいくつも看板がある。骨董品、お土産品、そんな「民芸品」が並ぶ。なんだろう、鳥取・愛媛・島根にはなかった光景だ。

すこし汗ばんだ肌で「ここは山陰地方とは違う ”民芸” がある」そう感じた。


山陰・四国地方となにか違う、“民芸” 。柳宗悦の匂いがしない、民藝。
あれほどまでに、柳先生は沖縄を愛していたのに、いったい何が起きたんだろう。

たくさんのクエスチョンマークを頭に浮かべながら、この日はゲストハウスに帰った。




\明日は、市場メシと竹おばさん、おたのしみに!/


サポートをしてもらったら、何をしよう。大好きなお米パンは260円。おおがま屋のたこ焼きは460円。ケンタッキーフライドチキンは210円。ゆめが広がります…