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嫉妬はしちゃだめ?いや,是非しましょう!でも,自分軸は持ってねという話。

 皆さん,他人に嫉妬することありますか。
 私はありますよ。
 とくに昔は,嫉妬とともに人生を歩んできたと言っても過言ではないくらいにたくさん嫉妬してきました。

 今から思うと滑稽な話ですが、医者と弁護士と国会議員を兼ねた方がいるのです。そんな人を見るにつけ「それに比べて俺は…(医師と国会議員になれてないw)」なんて思っちゃってる時期もありましたね。橋下弁護士(当時は府知事)の弁舌の早さに嫉妬しているときもありました。

◇◇◇

 嫉妬は自分と他人を比較することから生まれます。
 自分と他人の「差」を突きつけられたときに生まれる感情です。
 だから,嫉妬は「比較癖」(自分と他人を比べてしまう癖)と表裏一体なのですね。

 あるアイドルグループが「もともと特別なオンリーワン」と歌っていたように,人と比べる必要はないというメッセージは今でも流行っています。
 有名な映画で繰り返し発せられた「ありのままの」にも同じような意味合いがあるでしょう。

 確かに,人の内在的価値(人が生まれながらにして持つ価値。尊厳)に優劣はありません。
  ですが,人の内在的価値に優劣はなくても,人の歩き方や歩く方向性は違いますよね。ある目的地が設定された場合,「目的地までの距離」という軸で見ると,どうしても自分と他人には差が生じてしまいます。
 そして,「目的地までの距離」の差に人は嫉妬するのだろうと感じます。

◇◇◇

 では,嫉妬って悪いものなのでしょうか。結論から言えば,嫉妬って必ずしも悪いものじゃないと思います。
  なぜなら,嫉妬は自分を成長させるエネルギーになるから。

 この点について,脳科学者の中野信子さんは次のように言っています。

それ(妬みの感情)を嘆くことはありません。妬みの感情には「良性」と「悪性」があり、良性のものは人を成長させてくれます。たとえば、健全で公正な競争が行われている場で、「自分より上の成績をとっているヤツが妬ましい。なんとか逆転できるように頑張ろう」と考えることは、努力を喚起し、スキルアップさせます。

 嫉妬はしてもいい。嫉妬をしたうえで,その嫉妬を自分をなるべく早く目的地へと連れて行ってくれるプラチナチケットとして活用してしまう。
 これが,嫉妬を前向きに使っていくイメージです。
 あなたにとって一番大切なことは何ですか。それが「目的地へ向かうこと」ならば,嫉妬に限らずあらゆる感情を「目的地までの特急料金」に変えてしまいましょう。

◇◇◇

 こういう意味合いでの嫉妬とは異なり,中野さんは「悪性」の嫉妬についても指摘しています。

一方で、公正な競争が行われていない場合での妬みは、影で悪口を言ったり足を引っ張ったり、コネや袖の下に頼ったりと、自分の価値を下げるような振る舞いに出かねません。

 嫉妬それ自体は悪くないのですが,それが「建設的な」方向に向かっていないとあなたが損する結果になると思います。

 ここで重要なのは,自分が何を大切にしているのか,今「目的」としているものは何なのかを振り返るということではないでしょうか。

 自分の歩きたい方向性が決まっていなければどういうことが起こりえるかを考えてみました。嫉妬深い人は,おそらく「全方位に嫉妬する」という心理状態になる可能性があります。あらゆる人をあらゆる事象で妬む。これは相当苦しい状態だと思います。

 でも,自分の方向性が明確になっていれば,その方向性からずれている人に対して妬みは生じないだろうと思います。
 例えば,自分がイケメンかどうかなんてどうでもよければイケメンに嫉妬しない。嫉妬するのは,自分が外見にこだわっているからなんです。
 こだわりを捨てて自分が大切にしているものを明確にしていけば,嫉妬の「種類」はだんだん減っていきます。

 だから,嫉妬に苦しむ人ほど,まずは自分が何をしたいのかを考える。そして,自分がしたい方向性について先を歩いている人に対しては大いに「良性の嫉妬」を発揮する。これが,私が考える「嫉妬の処方箋」です。

   



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