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あなたの希望は「本物」ですか

皆さんは,物事に対するこだわりはありますか。
どのようなものに対してこだわりがあるでしょう。
そして,そのこだわりは,どこから生まれてきたものでしょうか。

◇◇◇

生きていると,様々な欲望が生じます。これは人間である以上当然です。

お坊さんには怒られてしまいそうですが,欲望は抑え込む必要がない。素直にその欲望を肯定したらいい。欲望は人間が生きるためのエネルギーでもあるわけで,うまく活用することで人生を前に進めることもできるでしょう。

でも,一方で,その欲望が本当に自分を幸せに導くものなのかも考えなければいけないように思います。

生きていると,様々に人を評価します。
評価するのは人である以上は避けられません。でも,いつもその評価が幸せを導くとは限らなかったりするのです。

特に,評価が前面に出てくるのが恋愛や結婚です。
意識的に,あるいは無意識に,「あの人はないな」と思ったりしていませんか。

例えば,婚活イベントサイトとかをみていると,年収〇〇以上限定イベントが多いから,その基準で切っちゃう女性が一定割合はいると思うのですよね。でも,もしかしたら,実は,それってすごくもったいないことかもしれない。

何を言いたいかと言うと,自分に生じている様々な欲望や価値基準がどこから生じてきたものなのか,それは本当に自分が望んでいるものなのか,そういうことを考える時間って必要かもしれません。これは「価値の棚卸し」作業です。

人気ブロガーのちきりんさんは,著書「ゆるく考えよう」で次のように言っています。


「私は最近,「外から押しつけられる過剰な欲望を排して,自分のピュアな欲望を取り戻したい」と強く思うようになりました。物欲を捨てて仙人のように暮らしたいわけではありません。そうではなく「自分のオリジナルな欲望」と「つくられて付着させられているニセモノの欲望」を区別したいのです。」



この区別の作業も,「価値の棚卸し」作業に通じるところがあるでしょう。

◇◇◇

美味をひたすら追求する漫画「美味しんぼ」の海原雄山。彼は自分の過去を語り始めます。

貧乏にあえいでいた時代。

海原雄山は,もともとは美食と言えば,フカヒレやツバメの巣,フォアグラ,キャビア,松坂の霜降り牛肉など,高価で貴重なものの味をあさるのが美味の追求だと思っていたと語ります。

ですが,正月に,お金のないなかで海原雄山の奥様が出した料理は,炊きたてのご飯にお味噌汁,漬物,焼き魚,大根の煮物といったシンプルなものでした。

それでも,一つ一つの材料の選び方や作り方まで心が込められていて,海原雄山はこれに感動しました。その感動を次のように語ります。


「私は妻のその料理を食べて,目からウロコが落ちる思いがした。
・・・高価な貴重なものの味をあさるのが,美味の追求だと思っていた・・・
しかし,そうではなかったのだ!大事なのは感動だ。至高の口福による感動なのだ!
高価で珍奇な食材を用いた下衆極まる料理もあれば,安価で平凡な食材を使って至高の口福と感動を与えるものもある,ということなのだ。
そう悟ると,どうだ!世の中の一切の権威と称されるものも,怖くなくなった。何も怖いものがなくなった。何に対しても平常心で立ち向かえるようになったのだ。それは,貧乏であることが少しも怖くなくなったからだ。
貧乏であっても知恵の使いようでこのような至高の口福が味わえる。それなら貧乏を怖がる必要がどこにあるか?一切の妥協をせずむしろ貧乏を楽しみ,自らの道を追求するだけではないか?そう悟ったのだ!
・・・
この料理はみすぼらしい。しかし,私には高価な山海の珍味を集めたどんな大ご馳走よりも,はるかに価値がある。私のすべては,ここから始まった。まさに,“至高の料理”だった。
私は,このみすぼらしさを若いふたりに贈りたいのだ。その中に,真の豊かさを包み込んだ,このみすぼらしさ,を。


海原雄山のこの言葉は,結婚披露宴で語られたものです。あたかも,「自分基準」で価値を,つまり「真の豊かさ」を評価できるようになってほしいと語っているようです。

欲望を感じたり,人やものを評価する場合には,その欲望や価値基準がどこから生じているのか,それが本当に自分を幸せにするのか,たまには「棚卸し」の作業を行ってみると人生に有益かもしれません。

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