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ありがとうを使いこなせる人

ビジネスは,サービスに対して対価が支払われることによって成り立ちます。対価は通常はお金で払われますよね。

例えば,会社員であれば,労働というサービスを提供します。これに対して雇用主が賃金という形で対価を支払うわけです。

そういう「サービスと対価としてのお金」というドライな構造がビジネスの一側面であることはいなめません。

ですが,私は,ビジネスにおける「見えない対価」の大切さをここ数年実感するようになりました。そして,「見えない対価」はビジネス以外の場面でも大切な価値を持つように感じます。

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見えない対価のなかで最も効果的なものは「ありがとう」という言葉だと思います。感謝を表明するシンプルな言葉。この言葉に,サービス(労務)を提供した者への感謝や労わり,愛情といったたくさんの感情が詰め込まれています。

「ありがとう」を言う習慣のある会社経営者とそうでない会社経営者。どちらが従業員がついていくかといえば,前者でしょう。
たとえ,前者の会社のほうがお給料がやや少なかったとしても,きっと従業員の精神的満足度は前者のほうが高いように思います。

「ありがとう」という5文字の言葉をかけられるだけでも,作業をした側は「作業をしてよかった」という気持ちになり,さらに次も頑張ろうと思えるものです。それは人間には承認欲求があるからで,承認されることは「見えない対価」として最重要のものといっても過言ではないのです。

逆に「お金を払ってやっているんだからサービスをしてもらって当然だ」という態度でサービスを受けている経営者は決して尊敬はされません。上に立つ者の尊敬は,上に立つ者が率先して感謝を示すことによって集まってくるものではないかと思うのです。

私も,日々いろんなお客さんと接しています。私は感情によってサービスの質に差を設けないことを信条としていますので,お客さんの態度によってサービスの質を変えることはしませんが,「お金を払ってるんだからいろいろやってもらって当然でしょ」という態度のお客さんをみるとちょっとした危うさを感じます。

弁護士業界にかかわらず,医療,介護,教育,どの分野でも,せっかく対価を払うのであれば,感謝を示したほうが実はお得です。
感謝は人のやる気を引き出します。
「ありがとう」の一言でよりよいサービスを受けられる可能性があるのに「お金を払ってるんだからいいでしょ」という態度をとることのメリットはないと考えておくべきではないでしょうか。

もちろん「ありがとう」の大切さは仕事に限りません。
夫婦関係や友人関係,さらに知人同士のゆるいつながりでも「ありがとう」という言葉には人を癒し動かす魔法の効果があるのです。

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「ありがとう」について普段からそういうことを考えていたところに,最近入ったオンラインサロン(はあちゅうサロン)で「ありがとう」の大切さをあらためて実感する機会がありました。

はあちゅうサロンのサービスで「日刊」といってオンラインサロン内の情報を毎日まとめて配信するものがあります。その「日刊」のグループリーダーはかなさん。

私は最近グループに参加させていただいたのですが,かなさんの振る舞いについてまず気がついたのは,とにかく小さなことでもメンバーに対して「ありがとう」と明確に伝えるというリーダーの態度でした。

「ありがとう」の価値を知っている人は多いと思いますが,他方で,「ありがとう」を言うことを習慣にし徹底している人はそれほど多くありません。

「言葉の価値を知っていること」と「その言葉を日々利用する習慣を身につけていること」との間には相当の開きがあります。
習慣を身につけているリーダーが率いるコミュニティは構成員の満足度を圧倒的に高めるでしょう。

そのような文脈で言えば,かなさんはまさに「ありがとうを使いこなせる人」だと感じました。

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物事の大切さを知ることはスタートでしかありません。
そこから,大切な何かを実践し,習慣にしていく。それが,人としてとおっていく成長の道なのだろうと,最近は思っています。

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