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コンビニが教えてくれた,仕事をするうえで大切なたった1つの真実

 私は学生時代にコンビニでアルバイトをしていたんです。1年半くらいだったかな。

 西早稲田にあるファミリーマート。
 コンビニのバイトって単調そうに聞こえるかもしれないけれど,学生時代の私にとってはとても楽しいものでした。

 混雑時のレジ打ちをいかに素早く正確にこなすか。レジ打ちを「技」として突き詰めようと思うと,そこにゲーム性が生まれて楽しくなります。最終的にはレジの機械に頼らずに暗算で瞬時にお釣りを計算できるようになっていました。

 それから楽しかったのは商品の発注。
 天気やイベント,テレビなどの情報を踏まえながら「何が売れるかな」と考えて発注をかける。明日は寒いから肉まんがたくさん売れるだろう。そういったことを考えて仕事をするのは,当時の私にとってはとても新鮮なことでした。

◇◇◇

 でも,当時,私ははまだ学生。楽しんで仕事をしていたとはいえ,仕事に対する姿勢があまかったんですね。

 もう理由なんて忘れちゃったんですけど,バイトのシフトに入っていたある日,テンションが低かったんですよ。嫌なことがあったのか,たまたま体調が悪かったのか。いずれにせよ,テンションが低くて元気がなく,私の接客対応はずさんだったんですね。

 それで,店長さんには心配されたんです。
 「なんかあったんでしょ。すごく元気ないよね。」 

 私は言いました。
 「そうなんです。ちょっと元気ないです。」

 その私の言葉に続けて店長さんが言った言葉はこちらです。
 「でも,君が元気ないことって,お客さんには関係ないことだよね。

◇◇◇

 もう私にはぐうの音も出ませんでした。私が気分がよかろうが悪かろうが,お客さんは等しくサービスを受ける権利がある。引き受けた仕事である以上,そのときの気分がどうであろうが,仕事として求められている水準は提供する必要がある。そんな当然なことを,私は忘れてしまっていたんです。

 人間は感情に左右される生き物ですから,気が乗らないときがあるでしょう。やる気が出るときもあれば,出ないときもあるでしょう。サービス業のように人に直接接する仕事の場合,この人に対してはやる気がでるけど,この人は嫌だなぁと思うことがあるかもしれません。その感情が起こること自体は,人間ですもの。仕方ないだろうと思います。

 でも,自分の感情がどんなものなのかということは,お客さんやクライアントには知ったこっちゃないんですよね。冷静に考えたら,同じ対価を払っていながらサービス提供者から「Aさんのほうが好きだから,あなたの仕事はAさんよりも手を抜くね」なんて言われたらたまったものじゃない。


 プロフェッショナルの仕事は,その時々のやる気や気分に左右されるべきではないと思います。一時の感情がどうあれ,引き受けたミッションはしっかりとこなす。プロだからこそ感情を入れすぎずに淡々と。それが,かんねこの思うプロフェショナルの態度です。




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