見出し画像

おすすめ曲紹介:「I'm Still Not #1」/JEVA

こんにちは。
5月になりました。最近の春は暑い日が増えて、春が1か月程で終わるような感覚です。

今日は最近グっときた、おすすめの曲を紹介します。
もちろんHIPHOPの曲です。

早速紹介していきます。


「I'm Still Not #1」/ JEVA

今回紹介する曲は、JEVAというアーティスト(以下、JEVA氏)の
「I'm Still Not #1」という曲です。

この曲はJEVA氏の2020年発売のアルバム「そして、伊藤純」の2曲目に収録されています。
全体を通して非常に聴きやすいアルバムだと思います。
ラップもトラックも心地よく、聴きやすいどころか聴き入ってしまいます。

JEVAというアーティストについて

かなり簡単になりますが、JEVA氏について紹介します。

Jeva

・本名:伊藤純
・三重県出身。
・呂布カルマ率いる「JET CITY PEOPLE」所属。
・農家であり、ラッパー。農家であることをテーマにした曲、田舎にあるイオンの曲、骨折したことを唄った曲など、普遍的でありながらもユニークにとんだ楽曲が多い。

非常に情報量が少なく申し訳ないですが、私の浅知恵で紹介すると、この程度になります。
興味がある方はもっと掘り下げて調べていただければと思います。

JEVA氏の存在を知ったきっかけとしては、本日紹介する曲「I'm Still Not #1」で知ったわけではなく、
THE BLUE HERBのBOSS氏の2023年発売アルバム「IN THE NAME OF HIPHOP Ⅱ」収録曲、「STARS feat.JEVA」で初めて知りました。

この曲の、JEVA氏のバースで一気に心を持っていかれました。
聴いていただくとわかりますが、
変哲のない田舎の少年がHIPHOPに憧れ、そして、自身もHIPHOPアーティストになり、自身のスターであった、BOSS氏に認められたという内容のバースになっています。
この曲のリリックで、「田舎」というワードや、「田植え」というワードが出てきて、私自身が田舎に住んでいて、百姓の息子であり、今現在農業に携わっていることもあって、一気に心を持っていかれてしまいました。
JEVA氏のリリックは、JEVA氏を取り巻く環境や風景が浮かび上がってくるようなリリックです。

この曲でJEVA氏を知り、そして、好きなアーティストの1人になりました。

「I'm Still Not #1」のリリックについて

JEVA氏を知ってから、単体作品を探し、アルバム「そして、伊藤純」に辿り着きました。
どの曲も良曲ばかりですが、私としては特に今回紹介する
「I'm Still Not #1」がおすすめです。
そのリリックで気に入っているバースを一部紹介します。

昔から何をやらせても中の下 勉強も運動も普通の線くらい
常にオレの前は人がいる 持たざる者は後ろついてゆく
何かで1番に憧れるわけでもなく、その程度だって噛みしめる
考えてみりゃ音楽だってそう オレより上手い奴は山ほどいる

「I'm Still Not #1」/ JEVA

出だしのこのリリックでやられてしまいました。
まさしく、私も「何をやらせても中の下」の人間だったし、今もそんな感じで、非常に共感してしまいました。
何よりこのリリックの素晴らしいことは、そんな自分を悲観していないことだと思います。
「その程度だって噛みしめる」って、意外と難しいことなんじゃないかと思います。
自分自身の能力に焦ったり悲しんだりするわけでもなく、自分より能力の高い人を羨むわけでもなく、客観的に自分自身を見つめる視点が非常に素敵だと感じました。

そして、極めつけはこのリリックです。

人の手垢の付いた選択肢 それをはじけば自然と明確に
定まりだした自分の方向性 誰かのとった先行の後攻で

「I'm Still Not #1」/ JEVA

誰かみたいになりたかった過去の自分はとっくに捨てた
相も変わらずオレは伊藤純 それ以上でも以下でもなく変わらず

「I'm Still Not #1」/ JEVA

めちゃくちゃ格好良いです。
”あの人みたいになりたい”と思うことは誰だってあると思いますが、そう願っても、その人にはなれません。
そんなことがこのリリックで再確認させられた感じです。
ましてや”あの人みたいにならなきゃ”とか、”あれくらいのことはできるようにならなきゃ”とか思ってしまうこともあるかもしれませんが、それは時に、本来の自分の良さを捨てたり、自分の本当の目的を見失ってしまう場合もあるんじゃないかと思います。
自分のキャパを越えた自分になろうとしたり、自分に嘘をついて振舞っていると、心の病に陥ることもありますし、精神的に不衛生です。
”素敵になりたい”とか”イケイケになりたい”という気持ちで、誰かの真似をすることは、逆に素敵じゃない方向に走り出してしまう可能性もあります。

JEVA氏は田舎によくいる青年かもしれませんが、そんな田舎の青年のライフスタイルや、田舎あるある的な内容をHIPHOPに落とし込んでいるというところに強いオリジナリティを感じます。
HIPHIOPといえば、いわゆる不良文化という側面が強いですが(それがHIPHOPという文化のオリジナリティなので全く否定するわけではありません)、あえてそこではないところをいくというところがJEVA氏の魅力だと思いますし、JEVA氏は自分自身がそんなキャラではないということをしっかり認識できていて、「HIPHOPは好きだけど、自分が唄える・唄いたい内容で表現する」という姿勢が非常に素敵だと思います。
これぞ”リアル”です。

最後に:自分を偽らず、自分を否定せず、ありのままの自分で

今回の記事でJEVA氏の「I'm Still Not #1」が気になった方は、是非一度聴いていただければと思います。
お気に入りのリリックを抜粋して紹介しましたが、実際、全バース良い感じですし、勿論、フックも良いです。

そして、この曲からわかることは、いかに「自己肯定感」が大切かということです。
自分のアイデンティティを愛し、本来の自分を受け入れることで、JEVA氏のように本領が発揮できるのではないかと思います。

誰に対しても嘘をつくことは良くないことですが、自分自身に対する嘘が
一番良くないと思います。
”否定”もそうです。一番否定したらいけないのは自分自身です。
”自分”という存在は、人生の中で一番長く付き合う存在です。
なので、その”自分”を否定してしまっては、一度きりの人生が非常に勿体ないものになってしまいます。

自分に嘘をついたり、自分を否定するより、自分を肯定して生きていく人生の方がはるかに豊かで有意義だと思います。

自分自身の在り方や自分の能力が何番目なのか?なんて問いは、他者との比較でしか生まれません。他者と比較して優越感に浸ったり、劣等感を感じたり、自分を上げたり落としたり、そんな無意味な比較をするよりも、一度きりの人生、自分らしい在り方で楽しむにこしたことはありません。

誰かの評価を欲して生きるより、自分自身の評価基準を大事にして、人生を楽しむ。
その生き様を見せて、時に誰かが勇気づけられる。

JEVA氏の曲を聴いて、そんな生き方をしていきたいと思わされました。

以上です。最後まで読んでいただいた方、ありがとうございました。
今後も不定期で記事をアップしていきますのでよろしくお願いします。
では。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?