マカオのホテルで働いたM.Iさん

【中国・マカオ編 現地採用インタビュー#002】

新卒から海外で働き始めるなんて、僕が就職活動をしている時は全く想像できなかった。これから働き始める1つの選択肢として海外での就職も増えていくはず。そんな先駆者の一人、MIさん。新卒からマカオにあるホテルで働き始めた物語。

【なぜかつまづいた高校時代】
MIさんは、生まれも育ちも埼玉県。小学校、中学校と何事もなく、過ごしていた。高校生の時に、大きな変化を体験することになる。高校生時代は、吹奏楽の部活をメインにやり、進学校であることから勉強をそこそこやってた。2年生の時に不登校となる。クラスメイトも仲良くしてくれ、部活も楽しく、勉強が特に苦だったわけでもない。病院に通院したけれど、結局原因はわからず終いだった。

校長先生、担任、母親と私の4者面談を実施することになる。出席日数が迫ってきて、進級はできないと言われた。別の高校にいく、夜間に通うという選択肢も提示された。しかし、その高校自体は好きだったから、新学期の始まる4月から2年生をもう一度やることにした。

その当時を振り返って、誰にだってつまづく経験はあると語ってくれたMIさん。


高校は進学校で、大学に行かない子は全体の1割くらい。
留年を経験して"レール"を外れた感じがあった。
この経験までは優等生として生きてきた。

【専門学生時代】
高校時代の留年経験から、早く社会に出たいという気持ちが芽生えた。仕事に直結する"何か"を身につけたかった。この時に、ホテル業界を中心に学ぶ専門学校、外国語専門学校のホテル科、外国語専門学校の外国語科で探してた。実務的なやり方は、ホテルの前知識を入れるより、英語ができた方がよいと考えて、最終的に外国語専門学校の外国語科に進学することを決意。

25歳で結婚もしたくて、仕事を離れる前に社会に出てお金を稼ぐことを経験することを望んでいた。男性と比べて、女性のキャリアは短期目線になることも多い。専門学校は2年で卒業でき、20歳で働き始められる。ただし、今になってみると大卒の方が待遇とか給料面で良かったかもと考えることもある。

【初めての就職がマカオ】
いよいよ就職活動をする時期を迎えた。当初の目的だったホテル業界での就職を目指して、東京を中心に活動。書類は通るけど、面接はなぜか落ちた。あまりうまくいかず、イマイチな結果に終わることが多かった。

自分の希望と企業が求めるものと違うから、事務職で就職をした方がいいかなと考えていた時に、マカオにあるホテルの求人を見つけた。英語を生かせるし、ちょうどいい機会だと思った。マカオがどこにあるかも知らずに、3年間そこで過ごすことになる。地図を眺めても、マカオがどこか実感がなかった。行ってから、香港の隣だと気付いた。「事前に下調べをするにこしたことはないけれど、別になんとかなりますよ!」と彼女は語る。

生活でびっくりすることは多々あった。「なんで、この人たち並ばないんだろ?」「なんで、大声だすんだろ?」しかし、郷に入っては郷に従え。持ち前の明るさを発揮して、マカオに順応。

仕事を始めてから苦労したことは、主にの2つ。

一つ目は、圧倒的に語学力が足りなかったこと。語学力が足りなく、英語が話せないと自分の存在価値がないとへこんだことがあった。学校で勉強してきた慣れてるトピックでなく、仕事で使われるボキャブラリーに慣れるまでは大変だった。

二つ目は、異文化の人たちと働くこと。日本とは違う常識と人と働くので、やってほしいことをすり合わせをするのが難しかった。日本人的感覚からすると、この指示でここまでやってほしいことが、なかなか上手く伝わらなかったりする。

例えば、お客さんに9時ホテルを出たいというリクエストをもらった時に、具体的なお願いをすることが大事。下記のような指示で、他のスタッフが、具体的に何をすべきなのかわかるという。

×「301号室のAさんが、9時にホテルを出発するからリムジンの手配をお願い」
○「301号室のAさんが、9時にホテルを出発するから、8時55分には、入り口にドライバーを待機させておいて」

日本人の感覚からすると、「事細かな詳細をしないと動いてくれないと困る」「外国人は、レイジーだからダメだ」というのは筋違い。そもそも、仕事に対する価値観が違う。


人生を投げ打ってやるものではないから、少しでもいやなことがあると辞める。あまり怒るのは、一緒に働く上で得策ではない。

頼んだ仕事をきちんとこなしてくれた時には、スタッフにお礼を忘れずにすることを意識していた。ちゃんと褒めるといい関係が気づけ、根気よく伝えていけば、自然と連携もとれてきた。

【マカオからマレーシアへ】
元々マカオに定住する気はなく、転職はいずれくるかもと考えていた。他人からも自分でもある程度スキルを積んだと思われる3年目を迎えて、そろそろかなと転職を決意。

日々の仕事の中で、英語を使う機会が沢山あったものの、お客さんとコミュニケーションをとる中で怪訝な顔をされたり、聞き返される経験をして本当に伝わっているのか不安を抱いていた。専門学校卒業の時にTOEICの点数は800点以上あったし、言いたいことはおおまかに伝わっていた。しかし、ビジネスで使えるのかコンプレックスを払拭できないでいた。

もう一度自分の英語を見つめ直す為に、転職活動前にセブ島で2ヶ月英語留学をする。留学後は、転職活動時の面接で伝わっていることをはっきりと実感した。発音なのか自信がついてはっきり言えるようになったのか、聞き返されることがなかった。買い物をしている時、街中で道を聞いた時も普通に話せる自分がそこにいた。

転職活動の末、マレーシアで働き始めることになる。ここ1、2年は生活と仕事に慣れること優先したい。でも、5年10年先には、アジアで生きてる力をつけるということを頭の隅においておきたい。

【高校生・大学生の自分へ】
高校生の時までは優等生としてきていた自覚があったけれど、留年があって"正しい"とされていることを外れてしまった。高校生の自分にとっては、ほんとうに悩んでしまうような大きな問題で、何も手につかない時もあった。


大人たちは、ダブったことはそんなに気にしてないよ。
そんなに自分のこと気にしてないよ。
転職の時も、4年間高校通ってても、全然聞いてこない。
全然気にしなくても、大丈夫!!

新卒時の就職活動は、だいぶお祈り申し上げられてまくったけど、転職の時に、引く手あまたになった。転職の時の方が、より人間ぽく会話ができるタイミングが回ってくる。新卒就活でこけても、それで人生の全てが決まるわけじゃない。人格否定された気持ちになったけど、人生は明るいよと励ましてあげたい。

【こんな現地採用と出会いたい】
5年10年アジアにいたいと思っていて、知恵を借りたいです。現地採用として働く28歳、29歳くらいの女性に聞いてみたいです。よく言われる幸せとか、女性として通過する年齢を聞きたい。

【かぬーの独り言】
こんな話を聞いていると、自分には無理だという人も多いと思う。そもそも、新卒でいきなり海外なんてと僕自身も想像なんてしたことはない。MIさんは、普通の人(名誉の為に言っておくと、凄くいい人。)で、どこにでもいるような若者だと思う。MIさんが普通の若者と敢えて強調すのは、この記事を読んでくれた誰かが、海外で働くことって難しいことなんかじゃないと思ってほしいからだ。一歩を踏み出す時の勇気にしてもらえたら嬉しい。

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コメント3件

米国で新卒から現地採用したものです。大学卒のときも院卒の時も、日本の就活はそこまで思ったようにいかず、院の近くの日系企業で働いています。お話の彼女のように、転職活動はかなりチャンスが多く、二回の新卒就活と全く違う印象を受けます。「レールを外れる」のは逆にチャンスなのかもですね
はじめまして!
仰るとおり、転職時(世の中の景気も左右しますが)は、新卒時よりもチャンスが多かったとかぬー自身も思います。いい意味でレールを外れる=他人と違う稀有な経験ができるということかもしれませんね。米国でのお話を是非聞いてみたいです!
はじめまして。実はかぬーは、中国へ行ったことがなくて、今度行ってみたいと思います!
海外の開放感いいですよね!応援しています!
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