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青年海外協力隊🌍

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2019.1~2021.1 ザンビアで暮らす2年間の記録
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#海外生活

大切なひとのこと②

大切なひとのこと②

会えなくなって3か月がたちますね。
日本にいたころは1週間以上会わないことのほうが珍しかったのにね。
最近は1週間以上、電話ができないことも増えていますね。
私から連絡することもほとんどなくなりました。
愛情を表現する機会も減りましたね。

そんな私のことをあなたはどう思っているのでしょうか。

うまく思いを伝えることができなくてごめんなさい。
でも会えなくなってから、連絡の頻度が減ってからますま

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この時を生きる私たちがアフリカの人々から学ぶこと

この時を生きる私たちがアフリカの人々から学ぶこと

一時帰国から一か月以上が経った。

自己隔離の14日間が終わって以降、ほぼ毎日おばあちゃんと一緒に過ごしている。

おばあちゃんは今年で79歳になる。生まれてからずっとこの土地で暮らしてきた。私の地元はいまは”市”の一部だが、かつては”村”だった。おばあちゃんはこの村で生まれ、この村に嫁ぎ、この村で暮らしてきた。

おばあちゃんはよく昔話をしてくれる。おばあちゃんが語る60~70年前の日本の風景は

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緊急一時退避になりました。

緊急一時退避になりました。

一時帰国が決定した。

治安の悪化
研修の中止
アジア人へのヘイト

実は中間報告さえもできていない。

数週間前からすっかりペースダウンしていた私は、この一時帰国に対して悲しみや悔しさを感じられずにいる。

むしろそのことが悔しくて悲しい。

だって全力で向き合えてなかったってことだから。

1年目に区切りをつけることも、配属先と共有することもできず、周囲の状況に振り回されるようにして時間が流れ

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落ち込んだ気持ちと向き合い思うこと

落ち込んだ気持ちと向き合い思うこと

1年前、この地に赴任してきたころとなにも変わっていなくって迷いと悩みと葛藤の日々。

1年も経てば慣れるだろう。
そうたかをくくっていたけれど生きにくさを感じるほどの感受性の強さを持って生まれた私にはまだまだ"慣れ"はやってこない。

あと1年もある。あと1年しかない。

日本に残してきた快適さや大切なひとたちに会いたいときに会えるそんな穏やかな暮らしを思うと、日本に帰るまで"あと1年もあるのか~

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折り返し地点を迎えて思うこと

折り返し地点を迎えて思うこと

私は2019年の1月末に着任して、3月はじめに任地に本赴任した。

任期は着任した日から2年間。
本赴任からカウントすると任地で活動する期間は23か月弱になる。その間、分科会や総会、隊員の任地訪問、その他団体の活動先訪問、国内旅行に任国外旅行など任地を離れる機会も多い。

1年目はうまくいかないことばかりで、自分がここにいる意義を見失って、日本への未練にまみれていて、早く帰りたい、そんなことばかり

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喧嘩のあとに思うこと

喧嘩のあとに思うこと

毎週月曜日はクリニックで成長モニタリングの手伝いをしている。
私が活動の軸にしているのが成長モニタリング。

要請内容はクリニック周囲に点在する地域の健康課題を見つけ、支援すること。
主にアウトリーチ活動に重点を置いた要請内容だった。

アウトリーチでは、主に5歳未満児の成長モニタリングと予防接種を行っており、MCH(Mother and Child Health)の看護師と栄養士が活動のパートナ

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停電のなかで思うこと

停電のなかで思うこと

いま目の前にある人的・物的資源に限りはあるけど上手に使ったらもっともっとよくなるのに。アイディアはたくさんたくさん思いつくのに実行できない。
ひとを動かす力もお金も知識も経験もないし、それより一番はここで暮らす彼らの幸せに責任を持つことができないという自覚があること。そんな覚悟もできないし、そんな放漫さもない。

そんな悔しさと葛藤を毎日のように感じる日々。

自分の無力さは重々わかっているつもり

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固茹でのパスタを掻き込みながら考えたこと

固茹でのパスタを掻き込みながら考えたこと

週末、村から戻ったころから風邪症状と食思不振、倦怠感でどうも体調がいまいち。
でも熱があるわけでもないし、毎日職場の状況が気がかりで出勤して、忙しさに身を任せて頑張ってみるものの疲弊する。そんな日々の繰り返しだった。

食欲もないので、夕食はお茶漬けかインスタントラーメンか食べないで寝てしまう日々。食生活の乱れがまた体力を消耗する悪循環。

そんな流れを断ち切りたくて、今日は1日休むことにした。

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原点に触れ思うこと

原点に触れ思うこと

今日もアウトリーチは中止になった。クリニックにいても人手は足りているし、特にできることも見つからずアンケートの集計をしたり修正をしたりしながら時間をつぶすように過ごしていた。
なんのためにここにいるのかという無力感。
何もせずに時間だけが過ぎていく焦燥感。
物事がうまく進まないことへの虚無感。
そんな感情に心を覆われながら、気にしないように気を紛らわせながら。

そこにマラリア検査が怖くて泣いてい

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今日のできごと①

今日のできごと①

ザンビアでは揚げパンやスコーンをバケツにたんまり入れて子どもや女性が売り歩く姿をよく目にする。
時々クリニックでも揚げパンやスコーンを売っている。今日は同僚のひとりがスコーンをバケツにいてれクリニックのスタッフに売っていた。
同僚からスコーン買ってと頼まれたので、お昼ご飯にちょうどいいなと思って一つ買うことにした。そこにボスがやってきてた。バケツからスコーンを一つ取り出して、当然のごとくパクリと口

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活動のこと④

活動のこと④

今日はクリニックの倉庫の整理をしていた。
はじめてクリニックを訪れたときからいつかは手をつけなければと思いつつ、どこから初めていいかわからず2か月が経ってしまった。

着任当初は、私が日本人の感覚で片付けをしたらかえって使いにくくなって同僚たちを困らせてしまうのではないかとためらいもあった。でも一緒に働くなかで、物を探すのに手間取っている姿を何度も目にし、ついに倉庫の整理整頓に手を出してみることに

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迷うことと決めること

迷うことと決めること

最近元職場の同僚がSNSに近況を投稿していた。
そこには先輩を交え、楽しく食事をしている写真があった。
私の退職で足りなくなった人員を補うために他病棟から移動してきた看護師のおかげで病棟の雰囲気はかなり変わったらしい。
私が働いていたころは、先輩を交えて休日に食事に行くなんて考えられない職場だった。休日どころか、仕事中でさえ先輩に一言話しかけるのに緊張していた。
元同僚の写真を見ながら、もっと雰囲

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日本人らしく暮らすこと

日本人らしく暮らすこと

おはよう、と言って起きる。
いただきます、といって食べる。
ごちそうさま、といって食事を終える。

最近、ひとりでこんなことをはじめてみた。

ザンビアに来たばかりのころは、ザンビアに適応することに躍起になっていた。

シマ(ザンビアの主食)を手で食べる。
食事の前には毎回お祈りをする。
日曜日には教会に行く。
チテンゲ(ザンビアの布)を身に着ける。
現地語を話す。

ザンビアの文化や習慣、この地

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悩めることは優しいこと

悩めることは優しいこと

『揺れててもいいんじゃない?悩まないより、悩めるほうがずっと優しくて強いと思うけど。』

ふいに同期から受け取ったことば。なんどもなんども繰り返していることば。

本当に小さくてどうしようもないことで悲しんだり、喜んだり、悩んだり、そんな自分がみじめでたまらなかった。気にしなければ楽になれるとわかっているのに、一つ一つの出来事に向き合って苦しくなってしまう自分が情けなかった。

自分の信念をもって

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