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【修行旅】星の巡礼道カミーノ ポルトガルの道⑧

9月16日 ポンテベドラ〜カラダス・デ・レイス 23km

今日ほど何も考えなかった日も珍しいかもしれない。歩き始めてから、哲学専攻かと思うほど自問自答を繰り返してきたので、頭のリフレッシュも大事だった。

9月、特にスペインに入ってからの朝はかなり冷え込む。
ポルトで上着を失くしてしまった自分を恨む。
寒さを忘れようと脚を速く動かし、無心で歩き続ける。

今日はポンテベドラからカラダス・デ・レイスまでの23キロを歩くつもりだ。
20キロ後半〜30キロ前半を歩いてばかりいたので、23キロという距離が短く感じる。

サンティアゴまでおそらくあと2日だ。でもここまで、あまり景色を純粋に楽しんでいなかった。
改めて、今日から、町や山、自然の景色、カミーノを楽しみながら歩きたいと思う。

僕は大学生活4年間、学園祭に関わってきた。
でも、1年生の時にこの選択をしなければ、留学をしたり、それこそ世界を渡り歩いてみたり、お金を稼ぎまくったり、資格を取ってみたり、いろんな選択肢が選べたと思う。

時間が経った今だから見えてくるものが沢山あるのかもしれない。
しかし、それでも学園祭に携わる団体に所属していてよかったな、と思うし、後悔は全くしていない。

高校まで、所属はすれど、ろくに部活やその他のことに取り組んでおらず、空虚な毎日を過ごしていた僕は、何かに一生懸命打ち込むということをしなかった。

だから、自分の人生にとって、何かしらそういう経験をすることは必要だった。仲間とともに全身全霊掛けて1年、また1年と取り組むことは、なかなかできることでもない。どんなに些細なことでもいいから、自分が誇りを持ってやったと言えることが必要だった。

財布を見てみたら、残額100€しかない。
てっきり200€くらいあると思っていたので、ちょっと豪遊しすぎていたことに気づいた。地味にバルやレストランでお金をポロポロ落としていた。

計算してみると、これからは1日9€で過ごさなければいけなくなった。
なんとかせねば・・・。

栗がたくさん落ち、松の針葉樹が茶色に染まって、クッションを作る。
冷えた朝夕。
もう秋だ。

日本はまだ暑いのだろうか。
就職するまでの時間を実りのあるものにしたい。

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