二次創作の承認欲求と自己肯定感に関するただの雑感

イベント後はよくこの手の話題が出るので個人的な意見を少し上げようと思う。
ちなみにこれはいい悪いとかそういうものではなくて、ただ個人的な雑感まとめと、自分の萌えに基づいた話です。承認欲求×自己肯定感萌え語りみたいなものです。なおこの×はカップリングではない

同人、二次創作活動ってのはあらゆる要素を含んでいるものだと思っていて、様々なスタンスがある
 「ただ好きだから創作する」、「誰かが喜んでくれるから創作する」、「自分の作ったものを誰かに見てほしいから創作する」、「誰かに見てもらって『すごいね』って言われたくて創作する」、「好きなものをみんなに知ってほしいから創作する」…いろいろあると思うし、それは別にいいと思う。どんな理由であれ創作をするという行為であるし、経緯がどうあれ出来上がったものに貴賎も優劣もない。
 けどどこかに、誰かの目につく場所に作品を置くことで「評価」が生まれる。ここでいう評価、っていうのはすごいね、とかヘタクソっていう直接的なものだけではなく、「みてもらえた」「見てもらえなかった」っていうものも含むとする。
 自分が作った作品を誰かの目に触れるところに置けば必ずこういったモーションは返ってくる。良し悪しではなく現実として、自身が起こしたアクションに対する反応がある。
 こうなった場合に人間の心にどんな動きがあるのか?
 たとえば、何かを言われたときに頭の中に瞬時に浮かぶ考えっていくつかあると思ってて、褒められたときに「じゃあもっと作ろう」とか「次はどんなの作ろうかな」とか。逆に褒められてるんだけど「この人は何か下心があるんじゃ??」と疑う人もいる。それは作品に反応がなかった場合でも「じゃあもっと次は頑張ろう」ってなるのと、「私なんかがやっても意味がない」となる人もいる。
 マイナスな感情が悪いわけでもないし、プラスだからいいというわけでもない。これは個々人の認知の差のところもあるので、そうそう簡単に変えられない。(別の話になるので認知のゆがみ http://news.doctor-trust.co.jp/?p=14489 などでこの認知の差は確認してもらえれば)


自己肯定感と創作物 

ただ、承認欲求を満たすために創作活動をやってる人(自覚・無自覚も含めて)は非常にこれを言われるときついよね。自分が全部否定されたみたいになる。頑張ってやったのに、とかどうせ私レベルじゃみてくれないでしょ、ってね。
 で、なんでそんな反応が起こるのかというと、自己肯定感というやつに関係してくる。
 自分で自分をほめるってやつね。自分が自分として存在していいんだ、という認識。
 これが低い人ほど、自分以外に自分の存在価値を求めたがる、と個人的には考えている。よくあるでしょ、マウンティングとか幸せアピールとか。インスタ映えとかを考えてもらえればわかりやすいかもしれないけど、「自分はこんなことをしたから、こういうスキルがあるからすごいんだよ、特別なんだよ」というあれ。
 人間は本来生きているだけで価値があるし、そんなことをしなくても本来は奇跡の存在なのだから、わざわざそんな風にしなくてもいいんじゃないか?っておもうんだけどね。
自己肯定感が低くて「自分」という存在に価値がない人にとって写真や創作物、人間とのつながりは「自分の価値」っていうのはそういった自分を肯定するための鎧みたいなもん。
 そこで創作物が作れる自己肯定感の低い人が、最初は「好きだから」って理由で始めたとするでしょ、そうしていろんな反応が返ってくると「自分は作品を作れるから存在していいんだ」とか、「作品が評価されなかったらもういる価値はない」とかもろもろそんな風な心の動きが出る。
 で、結果として同人活動で承認欲求を満たす人というのは当然出てくる。作品で評価されること=自分の価値、と思っているとどんどん評価されるほうへ、されるほうへと流れていってしまう。(SNSの発達ってのは結構この辺を助長してる印象)

一方それってある意味そういった人たちにとっての安らぎだし、自分が存在してもいいんだっていう場所でもあるから、承認欲求を満たすことは全部悪!とかは言えない。だって実際そういう人いるんだもん、仕方ないじゃんね。その人たちはいろいろと傷ついて自己肯定感がなくなってしまってる人たちなのかもしれない。そんな中でなんとか自分を守る方法として選んだのが同人ならもうそれは仕方ない。

ただ覚えていてほしいのはそういった同人の在り方っていつか自分で自分の首を絞めるし、どんどん苦しくなっていく。評価されなければ価値はない世界にいるって正直普通に生きているよりずっとつらい。
本来人間っているだけでそれでいいんだよ。何をしなくても、何かをなさなくても生まれてきたこと自体に価値と意味がある。そういった点においては特別な人間ってのはいないし、人間は生きてることについてはみんな平等。
特別なことをしたから価値があるんじゃなくて、特別なことをしなくても存在してるだけでいいんだよ、とたまには考えてみるのもいいんじゃなかろうか。
回りに創作したときだけに絡んでくれる人ばかりなのか?って考えてみてね。きっとそんなことはないと思うよ。
それでもやっぱり評価されたいっていうならそれでもいいと思う。好きな分野で認められたいとか、ちやほやされたいならそれでいいと思うし、それを否定することはないと思う。
そういう人は頑張ってほしいし、がむしゃらにそうやってるうちになにか自分を肯定できるものが新しく一つくらい生まれると思うよ。頑張って頑張って。そうやって自分に自信をつけた人は何人も知ってます。
 大事なのは、承認欲求を満たす満たさないとかではなくて、「自分ってどういうタイプの心の動きがあるんだろう」って知ることだと思う。自己肯定感が低くてそれに縋るしかないって知っているか知らないか、承認欲求が強い方なのかそうじゃないのか。それよって全然創作に向き合う気持ちが違くなってくるんじゃないかな。

 (ちなみにこんなに書いたけど私はめちゃくちゃ承認欲求強いタイプだよ。ただそれは二次創作じゃない場所(分野)で満たすことにしてコントロールをはかるようにしているよ)(自己肯定感とかカスくらいしかないけど、こっちも創作で満たすのをやめたので相当楽になったよ)

 なんていうか、みんなえらいよ 自分が生きるだけで精いっぱいなのにそれ以外のことに頑張れるの本当に偉いよ。自分で自分を褒めてやってください。きついかもしれないけど、自分の価値は自分で決めてくださいね。創作だけがその人の価値ではないと本当に私はおもってるよ…。