あれから30年以上(天安門事件)

まさかあのような事変になるとは

「天安門でデモをしている若者を見てどのように思いますか」

おおよそ家庭教育とはかけ離れた質問を、子育ての講演会で投げかけてみた。

そう、ちょっとだけ講師を困らせる質問をしたかった。


だって同じ世代のお子さんが他国では民主化を求めてデモをしている。

子を持つ親の視点で答えて欲しかった。

講師は、意外な質問にためらって、息をゆっくりと吐いた。

「難しい問題ですね、一石を投じる、波紋を呼ぶ」

という回答が帰ってきた。

良いか悪いかはわからない。

ただ、水面が揺れる。

水田出水が入り間も無く田植えが始まる晩春のことだった。

そしてそれからひと月後

天安門広場で多くの若者が中国共産党の武力で鎮圧された。

ショッキングなことだった。

今、あるのは、それでも互いに力を合わせて、生き抜くこと。

なにやら不穏な気配を感じながらも

彼らもまた、愛する家族のために

平和を望んでいるのだと思う。

平和でありますように。

生きとし生けるものが幸せでありますように。