男性でも育休を取る気になる(かもしれない)サービス「育休シミュレーター」を作った

育児休業給付金の金額・タイミング、子どもと過ごす時間をかんたんに計算できるサービス「育休シミュレーター」を作りました。

こんにちは、イミーです。

妻と一緒に育休を取り、1歳2ヶ月の息子と暮らしながら、休み方メディア「YASUMO(ヤスモ)」を運営しています。

今回紹介する育休シミュレーターは、自分が育休を取るときに制度を調べたり、収入の計算をしたりと、育休の取得検討に苦労した経験を活かして作ったサービスです。

このnoteでは、育休シミュレーターの機能紹介となぜ作ったのかをお話しします。

■読み始める前に知っておきたい育休のこと

育児休業(育休)とは
・子どもが1歳になるまで男女の労働者が休める国の制度

育児休業給付金とは
・育休中に雇用保険から貰える給付金(手当)
・金額は以下の通り
 ・180日まで:休業前賃金(額面)× 67%
 ・それ以降:休業前賃金 × 50%
・社会保険料や所得税が免除
・手取りと比較すると55〜80%程度の収入に

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育休シミュレーターってなに?

育休シミュレーターは、育児休業給付金の金額・タイミングと子どもと過ごす時間をかんたん計算するシミュレーターです。

あなたの育休で減る収入と増える子どもとの時間を計算することで、「育休なんて無理」という気持ちを「自分も育休取れるかも」に変えるお手伝いをします。

Point!
1. 入力はかんたん20秒!予定日、月収、期間を入力
2.
給付金額や子どもと過ごす時間をシミュレーション
3.
パパママ両用、パートナーともシェア

1. 入力はかんたん20秒!予定日、月収、期間を入力

入力は簡単。フォームに沿って開始予定日、額面月収、手取り月収、希望の育休期間を入力するだけです。

2. 給付金額や子どもと過ごす時間をシミュレーション

育休中に貰える「育児休業給付金」の金額や受給のタイミングを計算し、グラフや表で確認できます。

また、子どもと過ごせる時間がどれだけ増えるかを計算します。

3. パパママ両用、パートナーともシェア

育休はパパもママも使える制度。もちろんシミュレーターもパパママ両用です。

またシミュレーション結果は画像で保存可能。LINEボタンを使ってパートナーに送り、一緒に育休について話してみましょう。

なんで育休シミュレーターを作ったの?

育休シミュレーターを作ったのは、育休をもっと手軽に・気軽に知り、前向きに考えてほしかったからです。

特に男性の育休は取得率が5.14%(2017年、厚生労働省調べ)と低い現状。

原因はいろいろと考えられますが、「育休はよく分からない、縁遠いもの」という意識が、育休を遠ざけているのではないかと思っていました。(実は私もそうでした)

育休を考える際に、特に課題に感じた点が3つあります。

1. 収入への漠然とした不安
2. メリット(時間)とデメリット(収入)の比較の難しさ
3. 行政の情報の分かりにくさ

・・・

1. 収入への漠然とした不安

休むとなると不安になるのが収入です。育休中は雇用保険から育児休業給付金が給付されますがその額の計算が厄介。

給付金の額は休業前の賃金によって決まるため、自分の正確な賃金を知った上で各自計算する必要があるんです。

育児休業給付金の計算方法
・180日まで:休業前賃金(額面月収相当)× 67%
・それ以降:休業前賃金 × 50%
※さらに社会保険料、所得税が免除

従来の手順だと、
 ①サイト等で育児休業給付金の制度を理解する
 ②会社に自分の賃金を聞く
 ③給付金を計算する
という手順が必要となります。検討初期の段階では、なかなかここまで行動できないですよね。

私が参加した、とあるディスカッションでは「育休中の収入がどうなるか分からない」「勘違いしていた」などのコメントが多く寄せられました。

そこで育休シミュレーターは、いつでもどこでも簡単な入力で給付金の金額と受給タイミングを計算できる機能を作りました。

「フォームに沿って額面/手取り月収を入力する」という手順のみです。例えば会社の昼休み、帰りの電車、お風呂上がりなどちょっとしたスキマ時間に計算が可能になります。

もちろんあくまで概算の金額ですが、育休が気になったその瞬間に具体的な給付金額を計算することが可能です。

【MEMO】
作りはじめた当初から、「賃金や税金の額は会社がすべて知っているんだから常に会社システムで見れる状態だといいのに」と思ってました。SmartHRさんやfreeeさんの労務システム、サイボウズさんのkintoneあたりに実装したいな〜

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2. メリット(時間)とデメリット(収入)の比較の難しさ

育休の目的は子どもや家族との時間。しかし、「子どもとの時間が増えるメリット」と「収入が減るデメリット」を比較し、育休の取得を検討するのは難しいことです。

時間は無形で得られる時間にどれだけの対価を払ってもいいのか(どれだけ収入が減ってもいいのか)を考えるのが難しい。(もちろん子どもとの時間は何にも変えられないかけがえのないものですが)

例えば、「育休で収入は30%減ります、しかし子どもとの時間が増えます」と言われると、収入を減らしていいものか何だか不安になってきます。

そこで育休シミュレーターでは、育休で子どもと過ごす時間が何時間増えるのか計算。また、育休取得有無で生まれる子どもと過ごせる時間の差を埋めるのにどれだけの期間が必要かを示します。

計算の例(12ヶ月育休の場合):
子どもと過ごせる時間が2160時間(90.0日間分)増えます。休まず12ヶ月の育休と同じ時間を過ごすためには27.4ヶ月必要です。

「育休で収入は30%減ります、しかし子どもとの時間が2160時間増えます」と言われると、そんなに子どもと過ごせるなら収入減ってもいいか!と考えられるかもしれません。

また「休まないと同じ時間を過ごすのに2倍以上(12ヶ月 : 27.4ヶ月 = 1 : 2.26)の年月がかかるよ」と言われると、子どもとの大切な時間に目を向けて、具体的に育休を検討できるのではないでしょうか。

私が最初に1ヶ月の育休を取得した際の思考がまさにその通りでした。

【イミ―の思考】1ヶ月の育休を取ろうかな?
・収入は4万円減る(20%減)
・子どもとの時間は200時間増える
 ➡ 1万円払えば子どもとの時間が50時間増える
 ➡ 取るしかないじゃん!!!

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3. 行政の情報の分かりにくさ

育休を知りたいと思った時、残念ながら育休に関する行政の情報は分かりにくかったです。

育休の管轄は、育休制度が厚生労働省、給付金制度がハローワークです。どちらのページも制度の情報は豊富ですが、PDF資料になっていてアクセスしづらい、初心者には難しい表現も多いなど、使いにくい点があります。

例えば、厚生労働省のサイト。制度改定の情報が並んでいますが、どれもPDF資料。最新の制度の状況を読み取ることは難しいです。

またこちらはハローワークのサイト。給付金制度が複雑で読み解くのが難しい。初心者は結構心が折れます……

※現在は厚生労働省の委託事業である「イクメンプロジェクト」がとても分かりやすくまとめてくれています↓

育休シミュレーターでは、とにかく簡単な入力で自分の育休をシミュレーション。はじめて育休に興味を持った人が「自分の育休をシミュレーションする→分かりやすい育休制度の入門記事やFAQを読む→行政のソースページを確認する」という導線を辿れるようにしています。

まずは気軽にシミュレーションすることで、複雑な情報で挫折する前に育休を自分ごとにしてもらおうという作戦です。(もちろん公式の情報は都度行政サイトに誘導しています)

育休シミュレーターのこれから

今後、育休を取りたい人と会社のメンバーが一緒に見て、育休について対話できるようなツールにしたいです。

いろいろな理由で育休を諦める話を聞きますが、取りたい人と会社の対話で育休はまだまだ増やせると思うんです。

【MEMO】
育休(特に男性育休)を諦める大きな要因に「職場」があります。
・業務が繁忙で職場の人手が不足していた
・育児休業を取得しづらい雰囲気だった   etc...
参考:「共同参画」2018年6月号(内閣府男女共同参画局)

しかし、職場に関する要因の多くは労働者の思い込みも含まれると思うんですよね。もっと対話しやすい環境なら、取れる育休も増えるんじゃないかなあ。

例えば、会社メンバーと育休スケジュールを相談するディスカッションシート。会社の上司やメンバーと一緒に、スケジュールを相談できるといいな。

同様に収入に関してはパートナーと相談できるシートがあってもいいかも。

あくまでぼんやりとした案です。ご意見などありましたら、コメントやTwitterのメンションなどいただけると喜びます!

まとめ:育休シミュレーターで「育休なんて無理」を取れるかも」に

育休シミュレーターのポイント
1. 入力はかんたん20秒!予定日、月収、期間を入力
2. 給付金額や子どもと過ごす時間をシミュレーション
3. パパママ両用、パートナーともシェア

なぜ作ったか(育休取得の課題点)
1. 収入への漠然とした不安
2. メリット(時間)とデメリット(収入)の比較の難しさ
3. 行政の情報の分かりにくさ

育休に対する不安を1つ1つ取り除いていけば、誰でもきっと育休を取ることができるはずです。

育休が気になるあなた、ぜひ一度育休シミュレーターでシミュレーションしてみてくださいね。

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休み方を考えるメディア「YASUMO」では育児休業の入門記事を公開中。はじめての人にもわかりやすく書いていますので、育休シミュレーターと一緒にご活用ください。

今後も「そうそう、これが欲しかった!」というものづくりをしていきます。次は育休シミュレーターの技術、デザイン面を書こうかな。Twitterもやってるので、よければフォローしてくださいね!

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