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「ゆるっと週刊!EdTech TOPICS」始めます

はじめまして、イミー(@13imi)と申します。
生業はITサービスの開発者で、主にキッズアプリと呼ばれる子ども向けの知育アプリを作りつつ、自分自身も2歳の息子の子育てに奔走する毎日を過ごしている、そんな人間です。

さて、早速ですが、この度noteのマガジン「ゆるっと週刊!EdTech TOPICS」を始めることにしました。幼児や小学生を対象としたEdTech(※)・教育アプリのトピックスを、時に息子のエピソードを挟みながら発信するマガジンです。最近の子どもの教育に興味がある人、お子さんのIT利用に思い悩む人の1つの情報源になれたらと考えています。

※Edtechとは:Education & Technology、雑にいうと教育関連のテクノロジー全般のことを指します。

頻度:1週間に1回程度の更新(ゆるく)
テーマ:暫定ですが以下のようなものを予定しています
 1. EdTechや教育アプリの紹介
 2. 子どもの知覚と思考の発達に関する考察
 3. 2歳半の息子の小さな成長記録(おまけ)

このnoteでは、なぜこうしたマガジンを書こうと思い立ったのか、現在の日本のEdTechや教育アプリはどんな状況なのか、ゆるく触れてみたいと思います。気になった方は本マガジンをフォローしていただけますと幸いです。

01 | なぜEdTechに関するマガジンを書くか

端的に言えば、「教育関連のトピックスについて毎日ウォッチしてるけど、これまとめたら知りたい人いるんじゃないかな」と思ったからです。

先述の通り、私の生業は知育アプリの開発者。仕事柄、教育事業の動向をリサーチをする時間が長いわけです。こうした分野の動向については、おそらく世間一般と比較すれば(口が裂けても詳しいとは言えませんが)よく見ている方ではあるかと思います。

その一方、自分の子どもの子育てには「1日にスマホのアプリってどのくらい使わせて良いのかな」「やっぱ生の体験って重要なのかな」「教育とは一体……」などと思い悩む毎日。知育アプリ開発者などと大それたことを言いながら、おそらく多くの父親・母親の皆様と同じ思いを抱えて過ごしているのが、正直なところです。

実際、教育に関しては日々研究が重ねられており、「これが正解」という明確な解がありません。私たち事業者、そして私たち親にできるのは、知識を重ね、その中で信じられるものを選び、それぞれの子どもたちの様子を見ながら、子どもたちにとってより良いものを提供できるように務めること、それだけだと考えています。

とは言え、忙しい生活の中で、最新の教育動向までチェックすることは中々難しいですよね。というわけで、これを本業とする私が、(自身の記録・備忘録もかねて)日々調べていることをさくっとマガジンとしてまとめたら、誰かのお役に立てるんじゃないかなと思った……というのが、ことの次第になります。

02 | 学校教育におけるEdTechの動向

さて、ここからはマガジンを読むにあたっての事前情報のようなものになります。ご興味があれば程度の内容ですので、お時間がある方はお付き合いください。

EdTechとは、Education と Technologyを組み合わせた造語で、雑にいうと教育関連のテクノロジー全般のことを指します。身近なところで言えばスマホで遊べる子ども用アプリ、お堅いところで言えばプログラミング学習用のソフトウェアなど、教育にまつわるものはざっくりとこの括りに分類される、そんな言葉です。

スマホやタブレットが一般家庭に普及した昨今、Edtechの市場は急速に成長しています。NRIの調査では、日本国内のEdTech市場規模は2023年に2,986億円に及ぶと予測され、特に2020年現在の日本においては、公的機関による小中学校向けのITデバイスやソフトウェアの導入が盛んな状況です。

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GIGAスクール構想の加速による学びの保障 令和2年度補正予算額(案)
引用:https://www.mext.go.jp/content/20200408-mxt_jogai02-000003278_412.pdf

例えば、文部科学省が教育のIT化を推し進めるために計画した「GIGAスクール構想」では、「2023年度を目途にした、児童・生徒向けの1人1台端末と校内の高速通信ネットワークの配備」を推進しており、2019年12月に2,318億円の補正予算が計上されました。(*1)

これは文部科学省内のみの構想ではなく、ここで実現した学校ICT基盤環境を中核とした「未来の学び」のため、各省庁と連携を強化する試みでもあります。中でも、経済産業省は有識者会議のもと「未来の教室ビジョン」を2018・2019年に提言し、EdTech導入支援の経費として23.1億円の予算計上、全国の小中学校で実証実験を行っています。(*2)

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「未来の教室」のWebサイトに掲載されるEdTechサービス一覧。日本国内にも多数あるため、気になった方はこちらで確認して頂ければと思います。
引用:https://www.learning-innovation.go.jp/db-list/

直近の話題でいえば、新型コロナウイルスの影響によりオンライン学習気運の高まりが挙げられます。「1人1台端末の早期実現や家庭でも繋がる通信環境の整備」を実現するため、2020年4月には2,292億円の補正予算が計上。ITデバイスの整備はさらに加速しそうです。

日本の学校のEdTechは、アメリカや中国と比較して後れを取っていると言われることもありますが、それでも確実に変化は訪れています。親である私たちが受けてきた教育とは異なる状況で、私たち自身も「子どもの学び方を学ぶ」ことが必要になりそうです。

03 | 個人向け教育アプリの動向

小中学校向けに大きく動いているEdTechですが、いわゆる「勉強」だけでなく、「知育」「情操教育」と言った、これまでテクノロジーに頼らなかった分野にも広がりを見せはじめています。こうした分野が盛んなのは、主にスマートフォン、タブレットなどの通信端末を基軸としたアプリケーションです。

例えば、中国の子ども向けデジタルコンテンツの市場規模は2020年に(約6兆円)に達すると予想されています。特に人気の幼児向けアプリ「Babybus(宝宝巴士)」は、144カ国19言語で提供。スウェーデンのアプリ「TOCA BOCA」も同じく大変な人気を誇り、2015年時点で1億ダウンロード、215カ国で提供されています。

日本においても多数のアプリがリリースされ、アプリストアの人気ランキングでは、「クレヨンしんちゃん」などの人気キャラクターを冠したアプリを見ることができます。

こうした子ども向けアプリケーションの特徴は、単に娯楽だけでなく、いわゆる「知育」と呼ばれる教育的要素を包含していることにあります。友人同士でのコミュニケーション(例:おもちゃを貸してという)、社会的なルール(例:挨拶をしよう)、防災意識の啓蒙(例:地震が起きたらテーブルに隠れよう)、プログラミング思考の鍛錬(例:電車を終点まで導こう)など、その分野は多岐に渡り、様々な需要に応えようと日々その数を増やし続けています。

子どものITデバイス利用の高まりはアプリストア内でも認知されており、App Storeは2013年ごろ、Google Play Storeは2015年ごろから教育アプリのカテゴリが設立。教育アプリの人気は国や文化を問わず、世界中で拡がっているようです。

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AppStore「子ども向け」カテゴリのランキング

テレビやラジオ、音楽プレイヤーや家庭用ゲーム機が、長い時間をかけて一般家庭に浸透したのと同じように、教育アプリも「幼児期の経験の1つ」として、世間に受け入れられつつあります。他の遊びや学習と同じように、いつ、なにを子どもに提供するか、複合的に考える必要がありそうです。

04 | 自分の子育てについて

最後に、私自身の子育てについて少しお話しできればと思います。私には2歳半の息子がおりまして、彼の誕生時には1年以上の育休を取ったり、膝に息子を乗せながら仕事をしたりと、1日の多くの時間を彼と過ごしています。

私が知育アプリの開発者であるため、息子にはかなり小さい頃から随分と協力してもらっています。最初はうまく操作できずに苛立っていた息子も、現在はタップ・スワイプ・ピンチなど一通りの操作を使いこなし、時折音声入力をトライし(こちらはまだ使いこなせていませんが)、まさしくデジタルネイティブと言うにふさわしい様相です。2019年の0〜9歳の低年齢層の子どものインターネット利用率は57.2%とのことで、息子も例に漏れずといったところでしょうか。

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iPadのタップ操作を使いこなす息子。YouTubeアプリも勝手に起動するし、Siriに問いかけようとする。

子どものIT利用については、未だ賛否の論争が絶えません。良好な結果をもたらすという研究結果もあれば、一切使わせるべきでないという声もあります。状況も世論も刻一刻と変化している中、確かなのは、上記で挙げたような教育テクノロジーが、日々開発・公開されているということです。

私の想像力では、こうしたテクノロジーに慣れ親しんだ息子が、これから何をするのか、何をしたがるのか、予想もつきません。子どもの知覚や思考の発達とテクノロジーの関係について、まだまだ知らないことばかりです。

息子の教育としてテクノロジーが適切かどうか、あるいはそれ以外のものが良いのか、彼の成長や興味の変化に合わせて、より良いものを提供できればと思います。

05 | まとめ

さて、ざっくりとEdTechや教育アプリの現状について書かせていただきました。子どもの教育、特にテクノロジーを活用したEdTechはまさしく黎明期、親である私たちも、常に一緒に学び続ける必要がありそうです。

今後もこうした内容を中心に記事を書いていきます。ご興味がある方は、ぜひマガジンをフォローしてみてください。

「ゆるっと週刊!EdTech TOPICS」
 1. EdTechや教育アプリの紹介
 2. 子どもの知覚と思考の発達に関する考察
 3. 2歳半の息子の小さな成長記録(おまけ)

↓こちらは毎日息子を追い回しているアカウントです。息子との日常はぜひこちらをフォローしてみてください。
https://twitter.com/13imi


参考ページ

*1 文部科学省 GIGAスクール構想に関するページ

GIGAスクール構想の実現について:文部科学省
https://www.mext.go.jp/a_menu/other/index_00001.htm

令和元年度補正予算「GIGAスクール構想の実現」https://www.mext.go.jp/content/20200323-mxt_jogai02-000003278_502.pdf

令和二年度補正予算「GIGAスクール構想の早期実現」
https://www.mext.go.jp/content/20200408-mxt_jogai02-000003278_412.pdf

文部科学省「未来の学び構築パッケージ」
https://www.mext.go.jp/content/20200219-mxt_syoto01-000003278_501.pdf
*2 経済産業省 「未来の教室」やEdTech導入支援に関するページ

未来の教室 ~learning innovation~
https://www.learning-innovation.go.jp/

令和の教育改革に向けた「未来の教室ビジョン」の提言
https://www.meti.go.jp/press/2019/06/20190625002/20190625002.html

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