顧客セグメンテーションと勝てるポジショニングの見つけ方 ー仮説と調査の組み立て方ー

noteからだいぶご無沙汰しておりました。

本noteは、弊社が1年ぶりに作成した(作ってなさすぎ)本気のホワイトペーパーより、一部を抜粋したnoteになります。Who-What-Howというマーケティングの流れの中でも最も重要なWHOに関して、論理だけでなく、実践的な調査や策定の手順を示すことを目的としています。

実は、弊社に頂く問い合わせでもぶっちぎりで多いのはWHOに関する話です。大事なのはわかっていても、そもそも何から手を付けていいのか分からないという、非常にやっかいな悩みであることが分かります。

ここに書いてある内容は、よくある同じことばかりが書いてある汎用的なウェブ記事をまとめたようなものではなく、私と私の会社が、その経験を通して得たラーニングをベースに知見をまとめ、提案しているモノです。なので、唯一無二の内容だと誓って言えると思いますし、似たような主張のドキュメントを見たことは無いはずです。

1部通説と異なる主張もあるかと思いますが、100%の正しさを保証するものではありませんが、私たちの知見を押し込んだものになっている、という自信はありますので、楽しんで読んでもらえれば幸いです。

これを機に、事業成長の根幹にある「セグメンテーション」と「ポジショニング」に取り組んでみてはいかがでしょうか。それでははじめましょう!

完全版ダウンロードはこちら
https://companyinfo.researchdemo.com/documents/7/

(以下、ホワイトペーパー本編)

はじめにーSTP分析の誤解

STP分析をご存じの方は多いと思います。STP分析とは、コトラーが提唱したマーケティング戦略のために使われる分析フレームワークで、S ー セグメンテーション(消費者の細分化)、T ー ターゲティング(どの消費者を狙うか)、P ー ポジショニング(どう競合と差別化するか)のことです。

 分かりやすく、かつ優秀なフレームワークなのですが、これをうまく戦略に活用して事業を成長させたというケースはあまり多くない印象があります。なぜなら、多くの場合、「どうすれば競合と差別化できるか」「他社商品と比較して自社商品が優れている点は何か」を見つけることに主軸を置いていて、STP分析の本質を理解して運用できていないからだと私は感じています。

 実は、STP分析の本質は、消費者理解を徹底的に深め、ひそかに求められているのに誰も提供していない価値を発見するところにあり、血の通っていない消費者の切り分けや、競合との差別化を目的としたフレームワークとしてSTP分析を使っても役に立ちません。

 この記事では、正しいセグメンテーションとポジショニングの考え方について詳しく説明し、その上で具体的な方法についてステップごとに紹介しています。

 この記事を読めば、STP分析の本質的な使い方を理解でき、事業の成長に活用できる「生きた」STPを作れるようになると思います。

私は、P&Gでファブリーズやジョイのマーケティング戦略を立案していた時代から、自身の会社を立ち上げ延べ200社以上のマーケティング戦略の立案に関わってきましたが、体系的な形で、全ての原点である「WHO=ターゲット」の設定方法の実践を教えてもらったり、学べたことがありません。

 本ドキュメントを通じて、MBAマーケティングのような理論書の形ではなく、明日から実務に反映できる形での生きた「顧客セグメンテーションとポジショニング」が多くの方に伝われば、これ以上にうれしいことはありません。

セグメンテーション・ポジショニングとは?

セグメンテーションとは

セグメンテーションとは、市場にいる消費者を何らかの軸でグループ分けすることを意味します。軸としては、年代や性別、住んでいる場所などで区切ることがありますが、キレイにグループ分けできたように見えて気持ちがいいものの、具体的かつ有効なアクションに繋がりにくいことが多いです。 一方で、「ジョブ」をもとにしたセグメントであれば、比較的具体的かつ有効なアクションに繋げやすいと言われています。ここでは、まずジョブについて簡単に説明した後、それをベースにしたセグメンテーションについて説明していきます。

セグメンテーションのイメージ

ジョブとは、イノベーションのジレンマの著者として有名なクリステンセンが、ジョブ理論という著書の中で提言したコンセプトです。簡単に言うと、その商品が提供する便益を通して消費者が「真に解決したいことや達成したいこと」です。

 例えば、椅子のジョブは何でしょうか。「座れる」というのは便益で、ジョブは「座れる」ことを通して「真に解決したいことや達成したいこと」です。在宅勤務のために椅子を探しているとしたら、ジョブは「長時間疲れることなく仕事に100%集中できる」ことが考えられます。一方でリビングの椅子を探しているとしたら、「リラックスできる」ことだったり「来客にマウントをとる」ことがジョブになるでしょう。

次に、ジョブをベースにしたセグメンテーションについて説明します。

 カップラーメンのジョブを考えてみます。「美味しい」や「簡単に食べられる」というのは便益で、それを通して行いたいことは、例えば「A. ご飯を作ったりお皿を洗ったりする手間を省いて、好きなことに時間を使いたい」、「B. 忙しい日々のご褒美が欲しい」、「C. 安く・効率よく満腹感を得たい」、「D. お酒を飲んだあと、気分よく一日をシメたい」、「E. 友達との話題作り・個性として何かに精通したい」といったものがあるかもしれません。そうしたときに、人々はこれらのジョブのどのように持ち合わせているのか、統計的手法を用いてグループ分けします。これをセグメンテーションと呼び、発見したセグメントの理解を深めることで、商品開発やコミュニケーション開発に活かすことができます。

カップラーメンのセグメンテーション例

ポジショニングとは

一般的な定義とは少し違いますが、セグメントのまだ満たされていないニーズ(Unmet Needs)に対して価値を提供し、自社製品を選んでもらう確率を高めるのがポジショニングといえます。

 例として、上記のカップラーメンの「セグメント1:タイパ重視」について考えます。例えば、タイパを突き詰めて「お湯や水を入れたら10秒で完成するカップラーメン」や「お湯も水もいらないパリパリ食べるカップラーメン」といった商品アイデアがいいかもしれません。あるいは、お湯を入れて3分という通常の時間であっても、「本来のラーメンの旨さ」を追求し、ラーメン屋に行くことと比較したときのタイパの高さを訴求できるかもしれません。これらは全てこの記事を書きながら適当に作った例なので正しいかはさておき、競合の特徴からどのように差別化しようかと考えるのではなく、あくまで消費者のジョブに向き合い、満たされていないニーズを突き詰め、そこに価値を提供することがポジショニングといえます。

 よくあるポジショニングの失敗例で、ポジショニングマップがあります。ポジショニングマップとは、競合との関係から自社の立ち位置を四象限で決めるプロセスのことで、例えば下記のカップラーメンの例のように、商品便益を軸に作るのが典型です。残念ながら、これはほとんどのケースで無駄に終わります。なぜなら、出発点が消費者ではなく競合だからです。競合の便益や特徴を起点として、そこからの違いを考えたところで、それを消費者が求めている保証はどこにもありません。

 それでもポジショニングマップがこの世から無くならないのは、MECE(モレなく、ダブりなく)に見えるので作っていて楽しいのと、開発部が強いモノ起点の伝統的な日本の会社では、自分たちの開発した商品が世の中にとって意味のあるように錯覚できるので気持ちがいいからだと私は考えています。

間違ったカップラーメンのポジショニングマップ例

具体的な手順:定量から定性、意志決定まで

(こちらの内容は本編のホワイトペーパーをダウンロードして頂くことで読むことが可能になります。もしご興味を持っていただける場合には、ぜひ以下リンクよりダウンロードをお願い致します。)

資料は以下よりダウンロードできます。
https://companyinfo.researchdemo.com/documents/7/

最後にー消費者に会おう

ここまで、STP分析における定量と定性双方の理解の重要性について説明しました。しかし実際のところ、定性調査にハードルを感じている方が多いように感じます。5~10名の消費者にインタビューするのに100万円以上かかったり、特定の消費者を探すのに1か月以上必要だったりと、費用とリードタイムがボトルネックになっているようです。結果として、「こんな消費者像だろう」というエイヤで進めてうまくいかないプロジェクトに溢れています。

 定量調査(アンケート)に関しては、セルフアンケートツールが発達し、比較的簡単に行えるようになったものの、定性調査を簡単かつ早く行えるツールは今までになく、結果として消費者との接点が限られ、「生きた」STPを作ることが難しかったように感じます。

 このような課題を前職時代からずっと考えておりました。「消費者が神様なのに消費者と話すのが難しすぎる、と。そこで、「ないならならば自分で作ろう!」と立ち上げたのが、弊社で運営している「リサーチDEMO!」です。「リサーチDEMO!」では、1回あたり3万円~、最短で翌日に消費者インタビューをすることができ、セルフアンケートツールと併用すれば、非常に安価で、そして早く消費者に話を聞き、分析を行うことが可能です。モニターは50万人以上おり、どのような属性の人ともすぐに話すことが出来ます。

https://companyinfo.researchdemo.com/


弊社ではこれら調査含め、様々な武器を活用したハンズオンのマーケティング支援も行っておりますので、もし事業でお困りのことがあれば何でもご相談ください。お待ちしております。特に、WHO-WHATの見直しが急務な方は、お気軽にご連絡下さいませ。

お読み頂き、有難うございました!

株式会社MD 代表取締役 石井賢介

改めて、本編ホワイトペーパーのダウンロードはこちら!

https://companyinfo.researchdemo.com/documents/7/


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