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仕事をする時に考えていること

私は、陸上のコーチをしている。また、自分の経験してきたことから何を学んできたのかを伝える講演活動をしている。
誰しも自分の仕事の意味、何でそれをしているのかを考えることがあると思うが、私も常に何のためにコーチをしているのかを考える。最近たどり着いた答えは、「速い子どもを育てるのが目的ではない」ということである。ただ速いというのは、一時の喜びで終わってしまう。それでも、一時だけ、その時、その大会だけで良いのでは、その先の人生につながらない。せっかく1時間でもイベントで関わらせてもらえるなら、かけっこを通して「自分自身に興味を持ち、自ら考え、判断し、決定する」そんな時間にしたいと考えている。さらに、「その時間が楽しかった」とその子自身が心から思えることである。私は、その子自身が体を動かすことを面白いと感じているのかをいつも観察している。なぜなら、興味がない=面白くない状態で、いくら走るスキルを伝えても、全くその子たちの学びにならないからである。何かが本当に身に付くとき、自分の身になったと実感する時は、自ら興味を持って自発的に行う時ではないだろうか。振り返ってみて、誰かに強制されて、興味がない状態で何かに取り組んだところで、いい結果が生まれたことがあるだろうか。例えば、上司から言われて仕事だからしょうがないという状態で取り組んだプロジェクト、無難に終わらせることはできると思うが、この状態で誰かを感動させたり、大きな充実感を得られるのだろうか。最初は強制でも、どこかで自発的に取り組むことができたら、そのものに興味をもち自身が面白いと思えているのではないだろうか。そうなると、一気にパフォーマンスがアップする瞬間を感じたことがある方も多いのではないだろうか。
人間の本質は、子どもも大人も変わらないのに、どうしてその根っこの部分を無視して、上部だけの技術が重視されているのか、スポーツの現場にいて疑問に思うことが多い。

私は、究極的な目標としては、かけっこを通して探求することや、「自ら考え、判断し、決定する」ことを繰り返すことで、人生を生き抜いていく土台を作ることができたらいいなと思っている。かけっこプログラムの中で、うまくいかないことも体験し、勝ったり負けたりさまざまな経験がその子の生きていく土台になっているという気持ちで関わっている。私の願いは、その子たちが困難に出会った時に自分の力や誰かに力を借りながら乗り越え、幸せに生きていってほしいということである。
大きすぎるかもしれないけど、この願いが目的で、速くなるがその結果と言うイメージだ。
子どもにとって、かけっこの時間は無条件に楽しいこと、知的好奇心を刺激することを目指している。

結局のところ、私がみたり触れてきた日本や世界のトップレベルの選手たちは、探究心が強くて、自ら考え、判断し決定することを当たり前のように日々実施している。それができなければ、速さは一時的で終わってしまうように思う。
今の私の考え方は、中学、高校、大学院、その他たくさんの導いてくれた方のおかげでできている。改めて、ただ速くなるだけでは生きていけないということ自分自身が今まで教わってきて、今の自分がある。自分を作っている要素は、出会った人々で作られていると実感している。そして、出会ってきた方々に改めて感謝したい。

#陸上
#コーチ

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。共感していただいだり、楽しんでいただけましたら、とても嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m