見出し画像

馬と人間・・・

最近、騎手・丸田恭介さんとお話させていただく機会があった。

初めてお話させていただいて、驚きと発見がたくさんあった。とても興味深く面白い時間だった。

”馬の気持ち”

まず、馬の気持ちを騎手さんはすごく考えていた。私も初めて競馬を見に行った時、ふと馬の気持ちを考えたことがあった。現役選手を引退して2年が経とうとしていた時、競馬を見に行こうと誘われた。この日は、競馬終了後に競馬場に入って、走ったり、歩いたりできるという日だった。海外のクロスカントリーの大会では、競馬場が試合の会場になることもある。過去に世界クロスカントリー大会(2005年・フランス)に出場した時、競馬場で実際にレースを走った。その時の感想は、芝生が深かったのと、とても馬の生活感が残る会場だった。その意味はご想像にお任せしようと思う・・・            ※クロスカントリー大会とは・・・芝生の上を走るレースで、コースによっては階段や障害物がある

↑全てのレース終了後の様子  

そんなこともあり、日本の競馬場にも入ってみたいと思い、宝塚記念を見に行くことにした。とても大きなレースなので、会場も盛り上がっていた。競馬のことは全く分からなかったが、パドックを見たり、馬が走っている姿を眺めていた。

「馬の走る姿が綺麗だ」「馬の筋肉が美しい」など陸上選手で、馬の走る姿を見る事が好きな人もいる、と聞いたことはあった。その意味が、実際に見に行って分かるような気がした。確かに、鍛えられた体は美しかった。全速力で走る姿、その筋肉は美しかった。レースはまるで、陸上の中距離のトラックレースを見ている様だった。展開が早く、1レースあっという間に終わって行った。

その時、ふと疑問に思った。馬は、何を考えて走っているのだろう?勝った・負けたって意味が分かっているのだろうか?何のために走るんだろう?ゲートが開いた瞬間に走り出す馬を見て、疑問が沸いた。

おそらく引退して、まだ気持ちの整理がついていない時期でもあり、自分自身と全速力で颯爽と走る馬を重ね、少しうらやましく見えたのかもしれない。

騎手さんとお話ししていて、そんな馬にまつわることを思い出していた。

Horse **🐎ファースト!?**

馬の気持ちや性格・気質を知って、いかに速く走らせるかを考えている。馬に自分の動きを合わせていく、その為に日々トレーニングすると聞いた。練習時間も、馬が暑さに弱いため早朝にトレーニングするそうだ。そのため、午前3時頃から練習の準備にとりかかることもあるらしい。それは、馬に乗る前の自分自身の準備だそうだ。話を聞いていて、馬のことを一番に考えて一日を過ごされていて、馬への愛情が伝わってきた。

「しんどいトレーニングをさせてますからね・・・」

トレーニングが嫌で、部屋から出るのを拒む馬もいると聞いて、競馬場で浮かんだ疑問を思い出した。

「馬も走りたくない日があるんですか?」

と聞いてみたら、もちろんですよと言われた。無心で全速力で走る馬がうらやましいと思ったことがあったが、「馬も人間と一緒ですよ」と言われた。同じ走ることを職業にする同士で、馬にも気分の乗らない日があるのか・・・と思うと、急に親近感が湧いてきた。また、同じ人間をやる気にさせるのも難しいのに、馬をやる気にさせるって、とてつもなく難しいことされているんだと、知った。私は長距離・マラソン選手だったので、ひたすら自分自身と向き合ってきたが、騎手さんは自分+馬と向き合っているんだと思うと、なんて難しいスポーツなんだろう・・と思った。  

”一本歯下駄(GETTA)”

二つ目の驚きは、ふだん主にランナーさんへおすすめしている、トレーニングアイテム GETTA を騎手さんも愛用されていた。騎手さんによると、”馬の脚の動きと、GETTAを履いて歩く時の動きが、似ている”という話はとっても面白かった。また、鐙(あぶみ)を履く感覚(=騎手さんが騎乗した時、足を置く所に足を乗せる感覚)と、GETTAを履く感覚が似ているそうだ。

一本歯下駄は、ランナー・スピードスケート選手・サッカー選手・ウエイトリフティング・ボクサー・騎手とさまざまなアスリートが使用しているらしいが、実際にどんな感覚で使っているのかを聞いたのは初めてだった。本当に、体やトレーニングや感覚の話をしていると、すぐに時間が経ってしまう。

↑色んな種類の一本歯下駄の紹介


”異種目交流”

騎手さんとお会いすることができたのも、不思議なご縁だ。人と人との繋がりに感謝したい。異種目のアスリートとの交流は本当に楽しい。
アスリート同士、それぞれの感覚を共有する事が、面白い。

外国の方とお話して、知らない世界を知り、異文化に触れて面白い!と感じる感覚と似ている。今回騎手さんとお話しできたことは、知らない世界を知り、その方の考え・感覚に触れることができて、ワクワクした。

↑みんなでトレーニングをしている時間は、とても真剣。それぞれ自分の体と向き合いながら行う。  

おまけに

走る基本動作のトレーニングのうちの1つが、馬の動きに由来しているものがあると聞いた。いつも行なっていたトレーニングが、まさか、馬と関係していたとは・・恥ずかしいことに知らなかった。本当に、世の中知らないことだらけだと痛感した。    

#陸上 #マラソン #長距離 #異種目交流 #騎手 #感覚の共有 #一本場下駄 #GETTA #馬 #ワクワクすること #中村友梨香 

最後まで読んでいただき、ありがとうございます。共感していただいだり、楽しんでいただけましたら、とても嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたしますm(__)m