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ZORNの横浜アリーナ「無題」改め「汚名返上」がやっぱり良かった

あまり時系列ごとに書けないかもしれないのでご了承を。またライブを見てなくてDVDを楽しみにしている方はライブ内容に触れるのでスルーしてくだされ。

登場シーン

開演前から講演にあたりマスク着用・発生の禁止について耳タコなレベルでアナウンスがあった。先日のNAMIMONOGATARIの件もあって、スタッフの緊張感が伝わった。
そしていざZORNが出てきた時は「しーっ」のポーズだった。

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ここで改めていつもとは違うイベントなのだなということを観客も自覚した気がする。
そしてZORNからもスタッフからアナウンスがあった文言について全く同じ内容でアナウンスがあった。感染対策をスタッフに一任するのではなく、ZORN自身も向き合っていることが窺えた。

「無題」から「汚名返上」への変更

ZORNは「今回のライブではカッコいい四字熟語が良いと考えていた。けど一刀両断とか一球入魂しか出てこなくて〆切がきたから無題にした。」と話し始めた。続けて「今から本公演を無題から汚名返上とさせて頂きます。」と宣言した。

その瞬間はなぜ汚名返上なのか分からなかった。アルバム「925」の曲中にて奥さんからMyLifeの頃が良かった、娘からまた来てねと言われた、などの自身の大切なものに対して向き合えていなかったことに対することへの汚名返上かと推察していた。

後にこれがNAMIMONOGATARIにて批判を浴びたHIPHOPシーンへの意味だということを理解した。それを体現したいくつかのシーンがあった。

・ライブ終了後の規制退場。入り口に近い列から1~2列ずつ退場させたこと。筆者は前の方にいたためライブ終了後から15分後ほどでようやく退場した。武道館ライブでは規制退場は形式上とっていたが、そのアナウンスを無視する観客が結構な数いたが、今回は見る限りは全員が規制退場のアナウンスに従って退場していた。
・ZORNもライブを終わる頃に「規制退場までがライブなのでお願いします」とアナウンスしていた。
・またライブ終了後も会場周辺でたむろせずに帰るようにアナウンスが繰り返しされた。
・駅までの道中ではゴミ袋を持ったスタッフが配置されており、ライブによるゴミが周辺環境で出ないように徹底されていた。

むしろ、ここまで言われないと出来なくてごめんとすら思った。
ただ徹底した価値があり、終始感染対策が徹底されており、HIPHOPシーンに泥を塗るようなことは1つもなかったと思う。
ZORNの口からNAMIMONOGATARIの単語は出てこなかったが、HIPHOPが評価を取り戻す第一歩にしたかったという思いが伝わった。

そして埼玉スーパーアリーナへ

恒例になりつつがあるがAll My Homiesの「成人式やった場所」の箇所での告知にて「スーパーアリーナやっからよ!」と宣言された。これからも大規模なイベントを目指しているZORNにとっても今回の感染対策は重要だったんだなと思われた。
それにしても武道館、横浜アリーナ、埼玉スーパーアリーナとZORNの快進撃が止まることを知らず、凄みをより一層感じる瞬間だった。

ラッパーとオーケストラのコラボ

ライブ中盤では突然オーケストラ団が登場した。ZORNもまるで指揮者の格好へと着替えていた。ここではMyLove・Letter・かんおけ・葛飾ラップソディー・MyLifeなど家族/地元/日常に纏わる曲が歌われた。
筆者は音楽に詳しい訳では無いが、あのしっとりと心に広がる曲たちが、オーケストラの効果でいつも以上にじんわり届いてきた感覚があった。ZORNにとってもおそらく初の試みだったと思うが個人的にはとても良かった。早くDVDでもう1回聞きたい。

また、オーケストラの方々がZORNの曲をどう想ったのか?が気になってしまい妄想が膨らんだ。逮捕3回されているラッパーの曲を担当するなんて思ってもいなかっただろう。
でも心に響いた曲もあったのではないか?と思う。おそらくオーケストラの方々はJ-HOPは多少なりとも聞いている想像がつくのだが、ZORNのような人々の日常のリアルを歌い続けるアーティストは聞いたことは少ないのでは?と想像していた。いずれにしても今後もZORNを聞いてほしいなと思った。(誰目線…)

MACCHO登場

登場の仕方が粋だった。ZORNが娘と恐竜図鑑を見ながら「これはステゴサウルス、これはティラノサウルス、これはOZROSAURUS」という下りでMACCHOが登場。

AREA AREA、Repを歌った後に2人のMCがあったのだが、MACCHOから印象的な話がいくつかあった。(↓正確な言葉ではないです、すみません)

・俺は友達が少ないがZORNは結構一緒に遊んでくれて、その中でZORNとは根本の部分で共鳴する部分があった。
・AREA AREAを託すのはZORNしかいないと思った。
・Repを発表してまだそこまで時間は経ってないが、まだまだこれだけではZORNとは終われない。
→OZROSAURUS 新曲発表

般若の「土砂降りでも」にてMACCHOは「歴史14から42の割に少ない作品」と自らを寡作であることを述べているが、そんなMACCHOが刺激を受けて自ら曲を作りたいと思わせるZORN、やっぱりすごい…。

またMCもMACCHOのZORNに対しての話は上記以外にも沢山あり、MACCHO自身も「ごめんな、話が長くて」と言っていた。
全然長くないぞ!と思った。ZORNはインタビューにあまり答えないので、彼に関する話を聞けるのは自分にとっても幸せな時間だったりした。

新曲を発表し終わり、MACCHOの退場するシーンでもMACCHOは退場するのが惜しそうに見えた。去り際は中指を立て、またな、と言って会場を後にしていた。

ちなみに、ZORNは武道館のライブにて新曲があると話していたがその曲については言及はなかった。(武道館では今日来れていない人との曲と言っていたので、武道館にいたMACCHOとは違う人との曲が控えているはず…)

ZORN、現場仕事辞めたってよ

ライブ終盤にお知らせが1つあると話したZORN。それは現場仕事を辞めて楽曲制作に集中するとのことだった。
「現場仕事しながら頑張っているZORNが好きと言われることも多かったので、気まずかった。でも直接言いたかった。」と。
ファンとしてもさすがに現場仕事をやりながらはかなり大変なのでは…と思っていたので、内心ホッとした。良かった。もちろんこれからも応援する。スーパーアリーナもいく。

一方で仕事を辞めたZORNがこれから何を歌うんだろう?とまた妄想が止まらない。これまでは家族・仲間・地元など自身の近いことについて歌ってきたがもっと視野が広がって社会に目がいくのだろうか?
今後も気になり過ぎる。

終わりに

ということでZORNの横浜アリーナを雑多に振り返ってみた。正直、武道館ライブが歴史的だっただけに、今回はどうするんだろう…?と思っていたが、やっぱり期待を超えてきた。ラッパーというよりもアーティストっぽい演出だった気がした。より一層ZORNを好きになった日だった。
(少し時間は経っているが、気が向いたら武道館も振り返って書いてみるかもしれない)

最後までありがとうございました。

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