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Tシャツの襟ぐりを切って貼って広げる

15(いご)といいます。「日々えらぶもの」というブログをたまーに書いています。
noteの使い勝手が良くなったと聞いて、初めての記事を書いてみます。

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経緯

ツイートに対して、やり方を教えてほしいとのお声をリプライや口頭で頂きました。

首元が詰まった服が苦手でして、着ているとむずむずしてしまいます。いずい(東北弁)。
でもこれまで幾度となく買ってきたバンドTシャツはやはり首回りがタイトなものが多く、襟ぐりを切り取ってみたり伸ばしてみたり、なんとかしようと試みてきました。
その結果、自己流のやり方で満足いくようになってきたので解説します。

ちなみに普段縫い物はしない方です。ボタン付け直す程度。
説明下手なぶん、写真多めで長いです。
所要時間はわたしの場合1時間くらい。慣れていないともう少しかかるかと思われます。

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用意するもの

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材料
・加工するTシャツ
……最初は失敗しても後悔しないTシャツでどうぞ

道具
・はさみ……布切りはさみ推奨(写真は違います)
・裁ほう上手……必須!接着剤です
・縫い針もしくはつまようじ……あると便利
・当て布……アイロンがけの際に使います。使ってないハンカチとか
・アイロンとアイロン台……接着剤を定着させます

肝となるのが「裁ほう上手」
裾上げなどに使える布用の接着剤で、手芸用品店などで買えます。

今回使用している「17g」はチューブタイプでボンド状の質感。付属のへらでのばして使います。オープン価格、200円後半〜500円程度で販売されています。
 → 公式サイト


その後に発売されたスティックのり状の「スティックタイプ」も使いやすそう。

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加工の流れ

画像の番号順に、襟ぐりを切ったり外したりしていきます。

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1. Tシャツを用意〜切り込みを入れる

今回はGREAT3(バンド)のツアーTシャツを加工します。
タグを切り取ってしまっていますが、バンドTシャツによく用いられるUnited Athle社製だったように記憶しています。素材は綿100%。

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加工部分が手前に来るようにTシャツを置きます。

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左右どちらかの首元をめくります。今回は右側から。

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左側に見える「後ろ身頃の補強部分」と右側に見える「前身頃の縫い目」の交差する少し手前まで、点線の部分に切り込みを入れます。

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反対側も同様に切り込みを入れます。


2. 後ろ身頃(背中側)のリブを切り取る

切り込みを入れた先から、後ろ身頃(背中側)のリブ部分を切り取ります。
(リブ部分:縦線が多いような編まれ方をしている、伸縮する部分)

Tシャツの内側は補強部分を残すように。

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また外側は、元からある縫い目を断ち切らないようにした方が後々ほつれにくくなります。

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内側と外側を交互に見ながら、すこーしずつ切り進めていきます。

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↑内側 ↓外側

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後ろ身頃のリブ部分を切り落としました。

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切り口がガタガタしている部分は、後から少しずつ切って調整します。
後ろ身頃はこれでおしまい。


3. 前身頃(お腹側)のリブをほどいて外す

最初に入れた切り込みの先から、今度は前身頃を外します。
Tシャツの表側から見ると、写真のようになっています。

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後ろ身頃(写真上側)にある縫い目より下を、リブ部分と前身頃の縫い合わせ部分に向かって少し切り込みを入れます。

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リブ部分を引っ張ると、リブと前身頃の縫い目が少しほどけます。

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これをどんどんほどいていきます。
少し引っ張って、出てきた糸をほどいて、また引っ張って。

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ここで結構時間がかかりますが、強く引っ張ると生地が伸びてしまうので、慎重に。

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ほどく過程では、縫い針やつまようじがあると糸を引き出しやすいです。ここでは縫い針の頭を引っ掛けて糸を引き出しました。

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最後は少しだけほどけずに残るので、切り落とします。

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これで、前身頃のリブも外しました。

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4.「裁ほう上手」を塗ってアイロンで圧着


Tシャツを裏返します。

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前身頃全体の、リブを落とした端から5mmくらい内側に「裁ほう上手」を塗り付属のへらで伸ばします。
塗るときは7〜8mm〜1cm程度の間隔で小さな一滴をぽつぽつ置いていくような感じで。
このあたりは「裁ほう上手」の説明書も参考にしてください。

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塗ったら折り返して貼り合わせます。
「裁ほう上手」がはみ出して余計な部分がくっついてしまうと困るので、貼り合わせる部分を当て布で挟みます。

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アイロン台の上でアイロンを熱し、当て布-貼り合わせ部分-当て布 と重ねた上から「裁ほう上手」の説明書きに従って圧着します。

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圧着して粗熱が取れると、貼り合わせた部分が硬くなっているのが確認できます。

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これで完成!でも良いのですが、より剥がれにくくするためにもう一度折り返して「裁ほう上手」を塗り、貼り合わせます。

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この場合仕上がりが丈夫になりますが、肩に近い部分を無理やり折り返すので生地によってはボコッとしてしまうかも。
気にならない人は気にならない程度です(わたしは気にならないほうです)。お好みでどうぞ。

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再び当て布で挟んで圧着します。

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粗熱をとって裏返したら、完成です!

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加工後の写真や使用感


全景はこの通りです。

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比較画像です。
リブ部分を無くすだけでも、一周ぐるっと開くことで結構印象が変わります。

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着用写真も撮りましたが、Beforeの写真は撮り忘れたので参考になるかどうか。。鎖骨がいくらか見えて、詰まっていた襟元がすっきりしました。

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最初に加工したTシャツはこの夏20回以上洗濯しました。
「裁ほう上手」がだんだん剥がれてきた部分があり、その部分には再度塗って圧着したらその後は大丈夫です。塗るのに慣れればこういうことも少なくなるかも。
ほつれは前身頃、後ろ身頃ともに全くありません。

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以上、Tシャツの襟ぐりを切って貼って広げる方法でした。
今後もクローゼットに眠れるTシャツたちを加工していこうと思います。
あくまで自己責任にはなりますが、同じような誰かのお役に立てば嬉しいです!

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2021/12 追記

10着ほど加工してきて、素材によってはうまくいかない例がありました。

https://twitter.com/1538th/status/1031409583850323968
記事の最初に貼ったこのツイートの写真はSUZURIの「フルグラフィックTシャツ」ですが、こちらは2018年10月と2020年7月に2回リニューアルがあり、Tシャツの生地がその都度変更されています。

・2018年前半
ツイートのTシャツは、2018年前半に購入した最初期のもの。
当時の記事に “ポリエステルでありながらコットンのような肌触り” とあるので、素材はおそらくポリエステル100%。
こちらはうまく加工できました。

・2018年10月〜
2018年10月のリニューアルでは “これまでコットンのような柔らかい生地感でしたが、速乾性に優れたドライタイプの生地にリニューアルしました。” とあり、素材はポリエステル100%。
この時期のものは購入していません。

・2020年7月〜
2020年7月のリニューアルでは “スポーティな印象のあったメッシュ生地から、ポリエステル素材なのにコットンに近い風合いで普段使いしやすい生地になりました。" とあり、素材はポリエステル94%、ポリウレタン6%。

2020年8月にこちらを購入して加工してみたところ、Tシャツの縫い方や生地の手触りなど以前と違う部分が多く、「さいほう上手」も上手く貼り付かず微妙な仕上がりになりました。


近いように見えるポリエステル主体の生地でも成功と失敗の2例があるため、素材の種類だけではなんとも判断できず。「綿(コットン)主体ではない場合、うまく加工できるかは生地による」と思って頂けたら幸いです。

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