It’sSoEasy

1【WC】-2
1977年、あるバンドに誘われた。このメンバーのギター2人は、まぁ凄腕。まずは戦後日本を元気付けた女声歌手を伯母に、東京藝大声楽科教授を叔父に持つヤツのギタープレイを聴いた。「ホテル・カリフォルニア」が日本でヒットの兆しが見えた頃。ワタシがギターのイントロを10日ばかりかかって、やっとこコピーらしき状態にまでなっていて、バンドの打ち合わせ時に弾いてみた。すると私が持参したテープを貸してと、彼。小一時間くらいメンバーから離れて練習。戻ってきてイントロとアウトロを披露。ほとんどできていた…

「こりゃ参った」。すぐさま降参。で、え?このバンド彼がリードでなくサイドだと?
その後、ストラトにパトスをぶつけるかのようなリード氏のプレイを聴いた。冗談ではなく、ひっくり返りそうになった。テクだけでなく、ストラトを通して、心の叫びを噴出させているかのよう…
で、ドラマーを探していると…二つ返事でOK。そして自分はこのバンドではドラム(中三からやっていた)に専念しようと決めた。でその日のうちに自分のバンドを解散するとそっちのメンバーに電話連絡をとった。

そのサイド氏がリーダーとなった数日後、オリジナルを持ってきた。タイトルが「It’s So Easy」。
「おい、リンダロンシュタットの最近の曲名とかぶっとるやないかい!」。当然メンバーからツッコミが入ったが、リンダのそれとは違って、どこかもの悲しい曲調。しかもコヤツ、英語で詞を書いてきよった。単調ながらもメンバーはかなり気に入って、毎回の音合わせはこれから始めた。
このバンドは1:3位でオリジナルを、残りはプログレ、ハードロックを中心に演っていたが、1曲を除いて全て英語の曲で占められた。その端緒となったタイトルこそが、「It’s So Easy」。
……先日のJDサウザーからの流れ。

主にお笑いと音楽に関する、一回読み切りのコラム形式になります。時々いけばな作品も説明付きで掲載していくつもりです。気楽に訪ね、お読みいただければ幸いです。