3ヶ月後でも1年後でもいいので、教えて欲しいこと

昨日、RTされてきた「投票率が70%を超えたら硬直した政治がガラッと変わると言われてます(要約)」という主旨のツイートを目にしてから、その内容が、私が日ごろの生活で見ているものとあまりにもかけ離れていたので、これはいったい何が起きているのだろうかとしばらく考えてました。それをこれからここに書きます。

私の見ている世界は確かに狭いし、教養もない。だから盛大な勘違いをしている可能性もあります(むしろ、勘違いであってくれたらいいなと思うくらいです。投票率が80%になって、そのことによってガラッと世の中が変わってくれたら嬉しい)。

だから、私の友達、または、友達っていうほどには思ってくれてなくても、とにかく私と顔を見合わせて話をしたことがある人で、「投票に行くべき」「投票率が上がれば世の中変えられる。少なくとも変わる方向に動く」と信じている人は、これから私が書くメモの羅列を、めちゃくちゃ長いし読みづらいんですけどもそこをなんとか、読んでもらえたら。考え方を変えて欲しいとか、納得させたいとか、そういうふうに私の思いを押し付ける気はないので、読んで、今度はあなたに見えている世界がどんな風なのか、よかったら私に教えてください。

——————————

◎私に見える範囲の人たちの多くは、「現状を変えたくない」ように見えます。「別に何とか食べて行けてるし、仕事もあるし、住むとこにも困らないし、このままでいい」「下手に変えて、今より悪くなったら困るから、このままでいい」という風に考えている人が大多数なんじゃないかというのが実感としてある。けど、直接一人ひとりに聞いたわけじゃないからこれは私の妄想に過ぎない可能性もあります。

◎「投票率が7割超えた→だから世の中が変わる」という因果関係はなくて、多くの人は「勝ちそうな方」「強い方」「多数派」の方につこうとしているだけに見えます。しかもその「強い方」「勝ちそうな方」を判断する材料がテレビや新聞雑誌の報道がメインだから、「マドンナ旋風」とマスコミが煽れば社会党が大幅に議席を伸ばすし、「小泉旋風」と煽れば自民圧勝、「民主旋風」と煽れば、、(略)というだけのことに見えます。

◎世論が動いて投票率が高くなって、「いつもと違う」選挙結果が出たあとに大きな反動があるというのもこれまで散々見てきました。小泉旋風の結果どうなったか。民主旋風の結果どうなったか。扇動によって簡単に行動を変えちゃう層が選挙に行っても、世の中は変わらないように見えます。

◎私は、今の状況で国政選挙の投票率が7割を超えたら与党がものすごい議席数を獲得してしまうと思っているのですが、みなさんはその辺をどう捉えているのか、知りたいです。私は、若者が選挙に行っても、ほとんどは与党に投票するだろうと思っているのです。

◎これは根拠がないので妄想呼ばわりしてもらって構わないのですが、40代くらいから下の世代は特に、「今あるものを壊そう、倒そうとする動き」に対する嫌悪感みたいなものが強くあるように見えます。例えば「投票率をゼロに近づけて、選挙制度を破壊しないと世の中など変わらない」という考え方を、ほとんどの人が無視(+心の中で非難?)しているというのも、根は同じなんじゃないか。

◎まず国政から変えよう、しかも選挙という「与えられた」土俵で闘って勝とう、というのに、無理があるように思います。だいいち、国政、ブラックボックスが多すぎて何をしてるかわかりにくくないですか? 仮に選挙という制度がマトモに機能したとして、選んだ候補者が当選後どんな仕事をしているかを素人がチェックするにも限界があるし、国政には他の国との関係もからんでくるので複雑すぎて何がなんだか見えにくい。報道にもバイアスがかかっています。

◎私は国政選挙の制度はもう破綻していると思っていて、だいたい公選のていだけど世襲に地盤に組織票…こんなもの貴族院時代と何が違うんだ! としか思えないし、民主主義かたってるけど、こんなテキトーな「選挙」を通してしか意思表示できないと思い込まされてる民のどこに主権があるのかと問いたい。小一時間問い詰めたい。

◎だから、外山恒一さんが何年も前から指摘している「投票率を極限まで下げて選挙を成立させないことが一番有効な策である」という点(※ページの最後に追記あり)について、もっとたくさんの人が思いを至らせた方がいいと思っています。

また、イスラーム法学者の中田考さんも先日、このようなツイートをされています。中田さんの著書は、「民主主義」「人権」「自由」など、これまで私がほぼ無条件に良いものと思い込んできたことを、静かに、普通のテンションで叩き壊して解体してくれる本ばかりです。

◎国政選挙でも、個人の生活の困りごとレベルの話が争点に挙げられたりしますけど、あれは票集めのためのネタというか、政党がちょう適当にやってる感出してるだけですよね。これだけ個人の希望や要望が細分化された世の中なのに、国政レベルでまとめて解決しようなんて無理があると思うんです。

◎困りごとの解決は、まずは生活圏が近いもの同士の助け合いが一番自然なんじゃないかと思います。しかも、一対一のギブアンドテイクで「助けてくれたあなたにお返し」ってやるんじゃなくて、とにかく誰もが困っている人を見たら手を貸す、借りる、解決のために動ける人が動く。自助だの相互扶助だのという用語はどうだってよくて、自分以外の人に普段から助けの手を普通に向けていれば自分が困ったときにも向けられた助けの手に遠慮なく頼ることができる、みたいなことです。

◎で、困っている人がまとまった数いたりして、個人で手を貸すだけじゃなくもう少し大きく広い手があるといいね、っていうことについては、代表者を立てて話し合ったり仕組みを作ったりして対応していく。今ある制度でいうと、これが市町村議会になるのかなと思います。

◎だからまずは市町村レベルの議会で、その地域に暮らす人々の困りごとについてきちんと話し合われる仕組みを整える。現状、市町村議会も数の論理でプチ国会みたいになってるんだとしたら(多分どこもそうなってますよね)まずはそこから作り変えて行かないと世の中変えようがないと思うんです。

◎これを読んでくれているあなたは、市町村議会に代表者を送り込もうと動いたことがありますか? 選挙のあとも、矢面に立つその代表者をかばったり支えたりフォローしたりする気がありますか? 誰も引き受ける人がいなければ自分が立つ気はありますか? ないとしたら、理由は何ですか? ちなみに私は理不尽な人の言動に対してキレやすいので、立候補は無理かなと思っています(笑)それはさておき、その気になれないのは、仕組みが変だからかもしれません。仕組みの規模が小さければ小さいほど微調整はしやすい。

◎「選挙じゃなにも変わらない」に深くうなずく私ですが、先日、今住んでいる町の議員に、私たち家族と同じ時期にこの島に移り住んできた30代の男性が立候補したときには、選挙期間中できる限りお手伝いしたし、投票にも行きました。ウグイス嬢までやりました(選挙カー嫌い!爆発しろ!と常々思っていた人間なので、できるだけ普通のテンションで、間をしっかり取って、声を張らずにアナウンスするよう工夫したりしました。けっこう面白かったです)。

◎私がこの30代男性を応援した理由はシンプルで、1) 彼が当選しないと、いま住んでいるこの島の代表者を議会に送り込めないことになるから。2) 議会の情報公開をやろうとしているから。3) 政党と無関係だから。4) 当選後も常に会ったり話したりできるから。の4点です。

【追記】
低投票率でも選挙は無効にならないので、「投票率を極限まで下げて選挙を成立させないことが一番有効な策である」というのは間違っている、という指摘があったので補足します。「投票率を極限まで下げて選挙を成立させないことが一番有効な策である」というのは、外山さんが以前からされている主張を私が勝手に要約したものですが、「選挙を成立させない」という書き方がおかしかったです。「成立させない」=「無効にする」という意味ではなく、例えば「投票率10%で、選挙がマトモに行われました!なんて言えるわけがない」「投票率10%で国民の信任を得たとはどう考えても言えません」という真っ当な指摘ができる状況、「選挙」などという茶番を誰もマトモに取り合っていない状況、を作り出すことを指しているのだと私はとらえています。

この文を読んで、これ書いた人に資金提供したいなーと思った方は、「サポートをする」を押すと送金できるそうなのでよろしくお願いします。手数料を引いた85.5%の額(100円送っていただくと約85円)がこちらに届きます。あと振込手数料も多少取られますが。