伊藤和子(弁護士)KazukoIto 東京・神楽坂

弁護士。東京・神楽坂の奥に、ミモザの森法律事務所を開設してご相談にのっています。 女性…

伊藤和子(弁護士)KazukoIto 東京・神楽坂

弁護士。東京・神楽坂の奥に、ミモザの森法律事務所を開設してご相談にのっています。 女性のクライアントが多く、法律業務の傍ら、生きづらさ、理不尽さを呟いたり、みんなと一緒に声を上げてみたり。国際人権NGOヒューマンライツ・ナウ副理事長

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最近の記事

改正DV防止法など、4月スタートの新制度

ようやく春ですね🌸 2024年4月1日より女性の権利や結婚生活に関係する新しい法律が施行されますので、多くの方に知って活用していただきたく、ご紹介します。 まずDV防止法です。 これまで日本におけるDVは身体的暴力と生命に対する脅迫に限定されていましたが、今回の改正でDVの定義が拡大され、 🟢精神的な暴力も、自由、名誉または財産に対する脅迫できればDVに含まれる、と拡大されました❣️  深刻なモラハラ、精神的虐待も多く含まれることになりそうですね。 そして、その結果 🟢

    • 暇空茜氏から提訴された名誉毀損訴訟、 当方勝訴。地裁判決を公開します。

      みなさま  暇空茜氏から私が名誉毀損で訴えられた件ですが、 2月5日に当方勝訴(原告の請求棄却)判決が出ました。 大変画期的な認定を含む、意義ある判決と思っておりますので、ご参照いただければ幸いです。  応援していただき、皆様に心より感謝申し上げます。 本当にありがとうございます。    判決で一番私が重要だと思ったところは、 という判示です。  (なお、本件団体とはColaboのこと)。  控訴審になる可能性もありますので、引き続きご支援いただけると嬉しいです。

      • 30年をふりかえる。

         今年2024年の4月で、弁護士30年ということになるようで、驚いています。登録したばかりの頃は、こんな苦しい仕事、到底5年も持たないと思いましたし、30歳になったら死ぬと思っていました。ところが、なんとかみなさまのおかげでまもなく30年を迎えるほどの間、細々と仕事ができ、感謝申し上げます。  最近、何というか、短期記憶が怪しく、このままだと忘れそうなので、一度振り返ってみようか、と思い、非常にざっくりとですが、書いてみました。 1994年 弁護士登録 調布事件、名張毒ぶ

        • ご報告・博士論文が公開されました。

           2020年より、早稲田大学法学研究科で、ビジネスと人権に関する研究をはじめ、慣れない研究生活に悪戦苦闘してまいりましたが、2023年2月に博士論文を提出でき、7月に学位をいただき、9月に授与式を終えることができました(この間、主査の須網隆夫先生、副査の先生方に多大なご指導をいただいてまいりました)。  そしてようやく、私の博士論文 「ビジネスと人権」に関する国際法の課題と発展ー国境を越える企業活動による人権侵害の防止と救済を中心に―  が早稲田大学のリポジトリで公開されまし

        改正DV防止法など、4月スタートの新制度

        マガジン

        • 2020年 私が起こされた裁判の記録
          25本
        • 女性の生き方、女性の権利
          16本
        • 奥神楽坂日記
          12本

        記事

          2023年のお仕事~そしてその先へ

          2023年も皆様には大変にお世話になりました。 今年は以下のような一年でしたので、お礼を兼ねてご報告させていただきます。 🔸 研究生活 博士論文提出・博士号授与  今年は2月に博士論文を提出しなければならず、非常に切羽詰まって空けました。年明け早々、お腹が痛くなり、胃カメラを飲んだり、胃薬を飲んだり、鍼にいったり。  その後の一か月も大変つらく、苦しい執筆の毎日でしたが、何とか2月2日の締め切りに博士論文を提出しました。  5月の口頭発表会を経て、7月に博士号授与、9月に

          2023年のお仕事~そしてその先へ

          2023年11月、世界子どもの日チャリティーウオークに寄せて

          11月11日世界子どもの日チャリティウォークを開催しました。  歩きながら子どもの人権を学んでいただく体験企画、コロナで中断しましたが、昨年から再開、今年はウクライナ、ミャンマーからゲストをお招きして開催しました。  今年はガザの状況も本当に深刻で、私たちも連日声をあげていますが、事態は悪化するばかり。でもだからこそ子どもたちや参加者の皆様に伝えたいことがたくさんありました。 以下が私のご挨拶です。 おはようございます。 主催団体である国際人権NGOヒューマンライツナウ

          2023年11月、世界子どもの日チャリティーウオークに寄せて

          「暇空茜」氏を提訴しました。

          🍄いつもお世話になっているみなさま🍄  暇空茜と名乗るTwitterアカウントを運営する男性から突然、今年初めに名誉毀損訴訟を提訴され、応訴対応をしています。 今年初めのTwitter(現在のX)の一つの投稿が暇空茜氏への名誉毀損を構成するものであるという主張をされていますが、私は名誉毀損に該当するものではないとして、全面的に争っております。  裁判所の進行を見ますと、証人尋問などの証拠調べを行うことなく終結するとみられ、今のところ、11月8日に結審予定です。  当方が

          「暇空茜」氏を提訴しました。

          ガザ:即時停戦・国際人道法違反行為の即時停止を求めます。

           中東ガザであまりに許しがたい殺戮が繰り返されています。  同じ地球に住んでいながらこのような不正義が起き、国際社会が有効な手立てを講じないなか、何の罪もない人々、未来ある子どもたちの命がまた一つ無残に奪われ続けています。  国際人権NGOヒューマンライツ・ナウは10月15日に以下の声明を発出しましたので、紹介させていただき、一人でも多くの方に人権を守る立場で関心を持ち、声を上げていただきたいと思います。 そして、この問題をどう見たらいいのか、私たちは、2010年にパレスチナ

          ガザ:即時停戦・国際人道法違反行為の即時停止を求めます。

          いつまでも16歳の夏みたいに

          今年の夏も本当に暑いですね。 大人になって思うことは、季節があっという間に過ぎていくことです。 子どもの頃は夏休みはまるで永遠のように長く、そして後から振り返ると、とても美しくて甘美で、全ての夏はまるで一枚の絵画のように鮮やかに思い出されます。 きっと、暇だったから、というだけではなく、感受性が研ぎ澄まされていたのかもしれないし、初めて体験することも多かったし、例えば16歳の夏は一度きりだ、などと全てを目に焼き付けるように過ごしていたからだと思います。  夢を見たり、恋をした

          刑法性犯罪規定改正・法の趣旨にかなった運用を求めて、齋藤法務大臣に要請しました。

          7月13日、改正刑法・性犯罪規定が施行されました。 本当に多くの人たちの声が届いて、不同意性交等罪を中心とする法改正が実現したことを本当にうれしく思います。 今日7月14日は、改正に向けて活動してきた市民団体と齋藤法務大臣の懇談の機会がありましたので、参加し、要請書を手渡してきました。  法務省に向かうときに思いました。 何度この件で法務省に要請に来たことでしょう。 何度も何度も法務省に通い、駄目かと思いながらもあきらめずに活動し、ついにこんな日が来たこと

          刑法性犯罪規定改正・法の趣旨にかなった運用を求めて、齋藤法務大臣に要請しました。

          刑法性犯罪規定改正を受けて(記者会見コメント)

           本日、刑法性犯罪規定の改正が参議院本会議で成立しました。お世話になったすべての方々に心より御礼を申し上げます。  これを受けて、刑法改正市民プロジェクトとして、国会内で記者会見を開催しました。以下、私の発言をnoteに貼りつけさせていただきます。  ヒューマンライツ・ナウは、2017年改正と#Metoo運動を契機に、国際水準の刑法性犯罪規定の改正、特に不同意性交等罪の導入、性交同意年齢の引き上げ、地位関係性を利用した性犯罪規定の創設などを求めて、皆さんと一緒に活動してきま

          刑法性犯罪規定改正を受けて(記者会見コメント)

          入管法「改正」採決とこれから

           入管法が成立してしまった。  反対運動を続け、それが空前の広がりを見せる中、先週国会で起きたことは、あまりにショッキングだった😭  この法案の問題について改めてコメントした。  国会の力関係を考えれば簡単に採決されることは見通せただろうという人がいた。  しかし、一度廃案になったあまりにも問題のあるこの法案、命がかかっている法案。これだけ反対運動が広がり、入管の闇が暴かれる中で、奇跡を再び起こしたいー、きっと起こせるとみんなが思って力を尽くしてきた。何より、こんな論外の

          入管法「改正」採決とこれから

          猫ちゃんとの暮らし 序章

           2021年の5月、3匹の猫がうちの庭に訪れました。  2020年の秋頃から家の近くによく来ていたルカが産み落とした子たちです。ラオ、リオ、ルオと名付けました。  こうして猫ちゃんたちと私たち家族の生活が始まりました。  早くも2年が経過したのですが、だんだんいつ何があったか忘れていきます。そこで備忘を兼ねて猫について少しずつ書くことにしました。  今回は、猫に出会うまでを書いたので、主に私側の話です。  🍄 2019年の出来事 ー療養  ちょうど私は2019年の夏ころから

          人権は決してトレードオフにできない。入管法「改正」と刑法改正法案に関する国会審議をめぐって、政治家にお願いしたいこと。

          刑法性犯罪規定改正への思い 5月30日、刑法性犯罪規定の改正案が衆議院を通過しました。 私たちは被害当事者の皆さんと一緒にこの問題に長年取り組んできたので、とても感慨深く思っています。 主な改正は、 🍄不同意性交等罪への罪名の変更 🍄性交同意年齢の引き上げ 🍄性的姿態の意に反する撮影行為の処罰  まだまだ課題は多くありますが、被害者の声を受けて被害者が泣き寝入りさせられてきた性被害について、きちんと性犯罪として問えるように規定が改正されようとしてるのです。  Yahooニ

          人権は決してトレードオフにできない。入管法「改正」と刑法改正法案に関する国会審議をめぐって、政治家にお願いしたいこと。

          G7広島サミットに向けて 核兵器禁止のコミットメントを求めます。

          5月にはG7広島サミットがあります。  本日、こちらの会見に参加しましたので、私の発言内容を共有させていただきます。  今、核戦争の恐怖がかつてないほど現実に近づいています。  ロシアのウクライナへの侵略は、核保有国が核の威嚇のもとに侵略戦争を開始した場合、国際社会が侵略者の暴走を止めることがいかに困難であることを示しました。ロシアは、国連憲章に反する侵略を平然と続け、今この瞬間も罪のない人々を殺害し続け、戦争犯罪を続けています。  そして国際社会の正当な非難には、核の威嚇

          G7広島サミットに向けて 核兵器禁止のコミットメントを求めます。

          2022年のお仕事 みなさんのおかげです!

          ひさしぶりのnote、年末になってしまいました。ちょっと書き方が新しくなって戸惑っていますが、今年のご報告とお礼にと思い立ちました。2022年は皆様にたくさんのご厚情をいただき、心より感謝申し上げます。 2022年は長年取り組んでまいりましたAV被害の問題で画期的な新法が成立ました。 これまでともに涙を流しながら被害回復のためにご一緒してきた当事者の方のお一人お一人のお顔を心に浮かべながら、少しでも被害者が救われる法律となるよう提言や発信をしてきました。 勇気を出して声

          2022年のお仕事 みなさんのおかげです!