『ホタル帰る』

『ホタル帰る』という本があります。
太平洋戦争末期、特攻基地のある知覧(鹿児島県)を舞台に
基地の近くにある富屋食堂を営む鳥濱トメと特攻隊員たちとの
悲しく温かい交流を描いた実話。

富屋食堂は特攻隊員たちにとってはオアシスであり
「特攻の母」と呼ばれた鳥濱トメは
特攻隊員たちを我が子のように可愛がり
特攻隊員たちからは実母のように慕われました。

“死への旅立ち”の前夜、特攻隊員の宮川三郎は
「明日の晩、ホタルになって帰ってくる」と鳥濱トメに言い残し
翌日、知覧基地から出撃していきました。
そして宮川三郎が話した時間(夜9時)通りに
一匹のホタルが富屋食堂に入ってきました。

灯火管制が敷かれているため
暗くしている富屋食堂の
わずかに開いた表戸の隙間から
宮川三郎が本当にホタルになって帰ってきたのです。

本のタイトル『ホタル帰る』はこのエピソードからつけられました。

『ホタル帰る』を元にした演劇や映画があります。
        ↓
演劇『MOTHER マザー~特攻の母 鳥濱トメ物語~』
映画『ホタル』、映画『俺は、君のためにこそ死ににいく』 
 ・ ・ ・ ・ ・

二十歳前後の若い特攻隊員たちは
どんな思いで飛び立っていったのかな?

『ホタル帰る』は何度読んでも涙が出てきてしまいます。

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