エメリナという“少女”について

先日ファイアーエムブレム覚醒をクリアしました。まだ全員の支援は見えてないし、知らないこともたくさんあるんだけど、どうしてもエメリナ様について何か書きたくて記事をつくっています。

ここに書いてあることはまだ一周目をクリアしたばかりのにわかオタクの妄想で、まったく確証も何にもないただの喚きです。総括すると「エメリナ様しんどいな」の10文字で終わります。多分。


前置きのような

まず前置きのようなものをさせていただくんですが、わたしは基本的にみんなに優しくて穏やかで美人で平和を愛するおしとやかなマドンナみたいなキャラをパッと見で好きになることは少ないです。理由はちょっと過激な話になるかもしれないので省くんですが、昔読んでたマンガと作者の影響が大きいんだと思います。

だから最初はエメリナ様もあんま好きじゃない……というか、どちらかというと苦手なんだろうなあと思ってました。「ああまあいるよねこういうキャラ……」みたいな。でもストーリーが進むにつれ、あの人の苦悩というものが本人以外の口から語られるたびにわたしは胸が苦しくなって、どんどんエメリナ様のことが好きになってました。彼女の没後(没後ではない)もイーリスとペレジアの情勢や世界観への理解が深まれば深まるほど、彼女の存在の大きさや功績を痛いほど理解させられた。あと「貴様らが…姉さんの言葉を語るな!」は名曲ですね。大好きです。

この辺で気がついたんですよね、自分が自己犠牲的なキャラクターにめちゃめちゃ弱いこと。


いつから?

そもそも最初にエメリナ様を好きだと思ったのは、彼女が10にも満たないうちに聖王に即位させられたという話を聞いたとき。そこから石を投げられて顔に傷をつくったこともあったとか、彼女が平和の象徴たりえるようになった現在までの歩みを立て続けに見せつけられたときでした。

王位第一継承者ということで、ゆくゆくはこうなる覚悟もしてたんだろうなと思います。戦乱の過程や民の動き、国の動きを、姉弟のなかで一番上の立場として見ていたはずだから。ただあまりにも時期が早すぎたと思う。軍の中で一番打たれ強いなんていってもさすがにこんな仕打ちは酷すぎる。あくまで主人公はクロムであって、話はルフレを含む自警団を中心として進んでいくものだから、結局エメリナ様はサブキャラというか物語の駒、もしくは起爆剤のような扱いとして作られたのだろうけれども、彼女の半生を思うとわたしはしんどくて、もう、とにかくつらい(突然死ぬ語彙力)

まだひと桁の女の子に、親の重荷のすべてを押しつけられちゃったんですよ。エグい。

生きていてほしかったとは思ったけど、どこかで「ここで死んでしまったままでもよかった」と思うわたしもいました。あまりにも報われなさすぎるけれども、それ以上に美しい死に様だったと思う。

最期まで彼女は「聖王エメリナ」としての意志と自分を貫いた。だからこそ一度聖王としてのすべてを亡くして、人生がリセットされたのかもしれない。“少女”として、第二の人生を歩み始めるために。


第二の人生とは

でも彼女の第二の人生ってのは穏やかなものじゃなかったんだろうなと思いました。外伝ストーリーが鬼だった。黒い任天堂だった。

またちょっとした前置きをさせていただきますね。わたしはあんまり綺麗すぎるものやハッピーだけのストーリーってのを好んで見るタイプではなくて、どちらかと言うと重くて黒くてしんどい感じの話や過去が好きです。あくまで二次元、創作物のキャラクターとしてですが、性的なトラウマのある女の人がめちゃめちゃ好きでして、そういった匂わせ(侵略の際に辱められたとか)の類がよだれを垂らすほど好きなんです。

だから外伝「幸福な少女」で村人が言った「よっぽどな目にあったんだな……(うろ覚え)」みたいなセリフを聞いてふと過ぎらせてしまったものがあって、それが鋼の錬金術師の2003年度版アニメでのロゼの一件なんですけど(わかる人にはこれでわかっていただけると思うんですが)。

あの場でエメリナ様が生きていたとして、そんな彼女を拾ったのは誰でしょう? 高所から落下して(記憶はこの時点でなくしているかもしれない)、おそらく弱っているだろう敵国の聖王を、いいように出来そうな女を見つけたのがペレジアの残党やゴロツキだったら? 彼女の言葉に耳を貸すことなんかない、下卑た男共に捕まってしまっていたら。

2年間、クロムたちに生存の噂が欠片ほども耳に入らなかったのは、きっとずっと裏の裏の裏の地獄みたいなところにいたからなんだろうなと思いました。

記憶をなくして言葉も話せなくなるほどになるって、どれほどのショックを与えたらそうなるんでしょうか。わたしはそんな経験も知識もないのでわからないですけど、仮に上記の方向ではなかったとしても、永遠にも足るような2年をあの人は過ごしてきたんだろうなと思います。ゆっくりゆっくり、人としての尊厳やプライドをボロボロにされて、全部を踏みにじられてきたんだろうなと。

立ち絵の都合上綺麗なように見えるけど、多分再会したときのエメリナ様は奴隷と見紛うようなぐちゃぐちゃな格好だったんじゃないかな。でないと額の聖痕でバレそうだし……大丈夫? 焼かれたり傷で消されたりしてない? 外傷で消せるものなのかわからないですけど。

でも見た目だけじゃない、中身もぐちゃぐちゃになったエメリナ様を見たときのクロムとリズの気持ちを考えると本当にキッツいですね。2年ものあいだ自分たちは何をしてきたんだと。こんなになるまで無二の姉を放ったらかしにしてきた自分たちを心の底から悔いたんだろうな。だからこそのクロムの涙だろうし、よしよしが本当に滲みますね。


それでも

ただ、あの赤子のようなエメリナ様こそが、彼女が第二の人生を歩み始めている証左でもあるのかな、とわたしは思っています。

王位第一継承者として生まれただろうあの人は、もしかすると生まれたときから聖王であったのかもしれない。そうなるべくして育てられていたのかも。だから、一度「聖王エメリナ」が死んで、一個人としての「ただのエメリナ」になったからこそあんなふうに。

あの人は人生をやり直しているのではないでしょうか。やっと責務から解放されて、いわば器はそのままで記憶だけが生まれ変わっている。だからあるはずだった少女時代を今まさに歩んでいることの表れとして、外伝タイトルの「幸福な少女」であり、二つ名の「優しき少女」なのかなと。

でも、そんな彼女が死亡の瞬間に記憶を取り戻すってのも皮肉なものですよね。結局あの人は「聖王」からは逃げられないのかもしれない。

画像1

そう思うとこの後日談は、淋しいけれども決してバッドエンドではないんだなと思えます。


ところで……

以前の記事でも書いたとおり、わたしはエメリナ様が生きていることはネタバレを踏んで知ってました。「誕生日が没日になっちゃった……」というつらすぎる事実が撤回できて嬉しかったんですが、あの人って本当に生きてたんでしょうか?

支部百科に書いてあってハッとしたんですけど、確かにあの人がレンハさんと同じように別世界から飛んできた可能性も微レ存じゃないですか?

ルキナはエメリナ様の死が絶望の未来へのトリガーになるとか言っていたけど、もしかするとクロムもしくはリズ、またはその両方が亡くなることで堕ちた世界もあったかもしれない。その世界でまたとんでもない目に遭って、記憶をなくしたエメリナ様を別世界に送り込んだ誰かがいたり……とか、はたまた世界を渡る過程で精神的に負荷がかかってああなってしまったり……とか。


キャラデザの話も

エメリナ様のキャラクターデザインや、公式サイトにある全身立ち絵についてもちょこっと。

まずカラーリング! 金・黄色という希望や光を象徴する色に、潔白を示す白と調和の緑をあわせてるのが本当に良い。さらに右手に人を導き癒やす杖を持って、左手は手のひらをこちらへ向けて武器を持っていないことと敵意がないことを表しているの、本当にどこをとってもエメリナ様のキャラクター性を象徴していて、ああもうほんま完璧やな……と思いました。

でも意外と爪は長いんですよね。手入れしてる暇がないのかな?

あと名前の由来。クロムはクロム鉱石から来てるのかな? と思ってるので、エメリナ様はエメラルドなのかな〜なんてちょっと思ったりもしてるんですけど、エメラルドの石言葉には「幸運」「幸福」「安定」「希望」などがあり、また愛の石と言われたり献身の象徴であったりもするようで、

ウン…………


なんて、

なんかめちゃめちゃ大層な感じに語っちゃったけど結局は全部にわかの戯言だし、言ってしまえばただのオタクの妄想なんですけどね!!!

真面目な文章を打つとめちゃめちゃ照れてしまいます。公開に数日かかったのが良い例だ

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