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福澤諭吉×TK工房 仮想対談⑧ほとんどの人が蟻と同じレベル

TK「さぁ、先生。このセンセーショナルな部分見ていきましょか。」

独立して生活するのは、人間にとって重要なことやし、「自分の汗で飯を食え」とは、古人の教えやねんけど、私の考えでは、この教えを達成したからいうて、人間たるものの務めを果たしたとは言われへん。この教えはただ、動物には負けてへん、て言うだけのことやねん。
試しに見てみたらええ。動物、魚、虫、自分で食を取らないものはおらんやろ。食料を得て一時の満足を得るだけじゃなくて、蟻に至っては、はるかに未来のことを考えて、穴を掘って住居を作り、冬の日に備えて食料を備えてるやん。やのに、世の中には、この蟻レベルで満足している人もおるんや。
一身の衣食住を得てこれに満足するべきや、とするんやったら、人間の生涯はただ生まれて死ぬだけやん。死ぬ時でも、生まれてくる時と何も変わへん。こんな感じで、子々孫々と続けていったら、何百世代を経ても、村の有り様は変わらへんで。
ある西洋人は、「世の中の人がみんな小さいところで満足してたなら、今日の世界は、それが始まった時から何も変わっていなかったに違いない」て言うてんねん。まさにその通りや。
もちろん、満足ていうても二種類あるから、その区別を間違えたらあかん。一を得てまた二が欲しくなり、足りれば足りただけさらに不足を覚えて満足することがない、て言うのはこれは欲とか野心と言わなあかんけど、自分の心身の働きを使って達すべき目的を達せへんのは、虫けら同然の馬鹿やで

TK[いや~。言うてますね~。先生」

先生「何がやねん。その通りやろ。」

TK「その通りっちゃあ、その通りやけど、見る人が見たら炎上しそうですよ」

先生「炎上てなんや?放火魔でもやってきて私に火をつけるって言うんか?やれるもんならやってみぃ!」

TK「うん。まぁそんなところですけど、僕のnoteで辞めてもらえますかね(笑)」

TK「まぁ、真面目な話、先生の言うてることはわかるんですけど、全員が全員そうある必要はないと思うんですよね。先生の時代もそうですし、僕の時代もそうですけど、やっぱり人それぞれの考え方、生活があっても良いと思うんですよ。別に、自分の家族を立派に養って生活してることに満足してても良いじゃないですか。誰にも迷惑かけてへんどころか、その家族は消費を生んでるんで、経済を回しているのも事実ですよ。先生も言ってたじゃないですか。人権はみんな等しくあるべきやけど、生活の在り方は様々やって」

先生「君の言いたいことはわかるけど、私が言いたいことを少し誤解してるわ。もちろん生活の在り方は様々やねんけど、その其々の生活の中でも、自分の心身を使って、達するべき目標をもって、日々生きてほしいねん。特にこの本を読んでくれた人には志高く持って、自発的に社会に貢献できるように生きてほしいんや」

TK「う~ん、さすが先生。でもなんか、う~ん・・・」

先生「まぁ、これは私の意見や。君は君で考えたらええ。考えることが大事や。」


次回に続く
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