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インドで安くオーダーシャツを作ろうとしたら、教育の大事さを思い知らされた話

どうも、インド垢になりきれないインド担当のTK工房です

さて、そんな私ですが、インドで前からやってみたかったことがあります

物価の安さに物を言わせた、安いオーダーシャツ作り

インドをよく知らない皆さんでも、インドの物価は日本より安いだろうということはわかりますよね?

厳密に言うと半分正解、半分間違いです

グルガオン(デリー近郊)のレストランで食事をすると日本より高く付きます

ビール1杯、800円超えることもありますし

こんな感じのところでハンバーガーセット食ったら1200円くらい取られました


インド舐めとったらあかんで

と、言いつつも、残りのほとんどは皆さんご想像の通り

バリバリの発展途上国で

物価も安いです

なので、オーダーシャツとか絶対安く作れるやろ!

と思い、先日、ネットで店を探してみることに

「custom tailored shirts 」検索

するとそこそこヒットして出てきました

しかし、約半分の店はホームページもない

とりあえず、ホームページを開設している店を確認したところ

値段が高い

ブレザーで7,995ルピー(税抜)、約13,000円


まぁ、日本にしたら安いけど、高いよね


求めてたんと違う


しかし、インド特有のスーツも味があってええな


とかなんとか探してると、こんなホームページを発見


情報が少なすぎる(笑)

CALL NOWしかない(笑)

しかし、こういうところこそTHE地元の仕立て屋さんのはずだし、安いんだろう



電話をかけようか迷いましたが、相手が英語話せないリスクもあるので、もうこれは突撃して、もし英語話せなくても、体当たりボディランゲージでなんとかしよう

ということで、グーグルマップを駆使して店に向かう

どローカルで、地元民しか歩いてない街に突入

インドでよくある二階建てアパート式のお店群

その2階部分にreck tailorを発見


これは期待出来そうだ

今にも崩れそうな錆び錆びの非常階段を登り

店の前に到着

すると中から親父さんが、驚いた表情を見せながらも、「please come in」 と迎えてくれた


お、英語話せるじゃないか

TK「オーダーシャツが作りたくて来たんですけど」

親父「どうぞどうぞ。是非作ってください。」

TK「値段が知りたいんですけど、どんなもんですか?」

親父「加工代が約400ルピーで、生地代がモノによるけどだいたい400ルピーくらいです。」

TK「てことは合計800ルピー(約1,300円)で、オーダーシャツが作れる?税込?」

親父「はい、税込です」

キター!!!

これこれ、この相場観よ!求めてたのは!

意気揚々と生地を選び始め、いくつか質問をしてみると、親父さんはあまり英語が話せないことがわかった


親父「私は英語が得意じゃないので、息子を呼ぶからまってて。息子はエンジニア志望で来年からドイツに留学するんだ」

と言い、携帯で息子を呼び出す親父さん

こんな休みの日にそんなエリートな息子呼び出すなんて申し訳なさ過ぎる

2分後息子到着

早っ!

TK「ごめんね。こんな休みの日に呼び出して」

息子「全然OK!さて、ご用件を伺いましょう」

現れたエリート息子に、生地の説明やトレンド、インド人に人気あるやつや、ビジネス向けなど色々教えてもらいながら

結局チキンな私は、オフィスに着て行ける無難な生地を2枚チョイス

親父「じゃあ採寸するね」


細かく採寸される私


親父「じゃあ、この注文票に名前書いて」

分厚い台帳のようなものを出して来た

開いてみると、お客さんの名前と注文内容が、ずらーっとリストになっている

TK「ここでいいの?」

親父「漢字で書いてね」

TK「いやいや読まれへんやろ(笑)」

親父「もちろん漢字の横に英語表記もお願い(笑)日本人が来たのは初めてだから、記念にと思って」

TK「OK、OK」

親父「そう言えば去年安倍首相がここに来たんだよ」

TK「ここに!?」

息子「ここって、この店じゃないよ(笑)この街にという意味で」

TK「あぁ、それは知ってる。モディ首相に熱烈歓迎されてたやつでしょ?」

息子「そうそう」

親父「さて、だいたい10日で出来るけど、取りに来る?それともどこかに配送しようか?」

TK「その時には日本帰ってるから、この事務所に送ってくれる?会社の同僚に日本に持って帰ってもらうわ」

親父「了解!」

TK「出来が良かったら、今度スーツも作りに来るからよろしく!その時は他にも日本人をたくさん連れてくる」

親父「是非是非」

こうして無事にシャツをオーダーした私

どんなものが出来上がってくるかドキドキである


さて、今回軽い気持ちでシャツを作りに、どローカルの店に来たわけですが

この親父さんの生きる力から、現在のインドという国の成長を改めて感じました

街の小さな仕立て屋の親父さん

自分は英語も片言しか話せず、仕立て屋の売上としてもこの店構えと金額から考えるとたいした額ではないだろう

そんな中で、息子にはしっかりと教育をつけ

来年からはマスターコースでドイツに留学するという

おそらく息子はグローバルに戦えるエンジニアとなって、親父の5倍以上稼ぐようになるだろう

学問の差がここまで威力を発揮するのも、今のインドの勢いがあってのことだが

それを確実に掴むためにこれまで頑張って来た親父さんと、それに応えている息子を見て

オーダーシャツなんかよりも、はるかに良いものをもらった気がしました

既に成熟し、義務教育が当たり前の日本という国において、教育の大事さというものを実感するのはなかなか難しいかもしれない

だからこそ是非若者、それこそ小・中学生から海外に触れ、色んな気付きを得て、人生を良いものにしてもらいたい

穏やかに死にゆく今の日本は閉塞感がありすぎるので、海外の勢いのある国を感じて、自分自身にも活力をみなぎらせてくれることを願います

サポートいただいたお金は、こんな僕を育ててくれた母ちゃんに還元したいと思います。